バイデン米大統領が韓国訪問の最初の日程で、20日にサムスン電子平沢(ピョンテク)半導体工場(平沢キャンパス)に向かう。米国の大統領が最初の日程で国内企業を訪問すること自体が異例だ。自国を中心に半導体サプライチェーンを再編しようという米国の意中が反映されている。尹錫悦(ユン・ソクヨル)韓国大統領も同行すると予想され、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長が出迎える。今回の訪問はグローバル半導体覇権競争の真ん中に立つ韓国(K)-半導体の地位と現住所を象徴的に表す場面になるという解釈もある。
◆バイデン大統領の平沢訪問、韓国の戦略的重要性が浮き彫りに
文在寅(ムン・ジェイン)政権で青瓦台経済補佐官を務めた金顕哲(キム・ヒョンチョル)ソウル大国際大学院教授は「米国は中国を排除してグローバルサプライチェーンを再編しようとする」とし「その核心が半導体であり、韓国の戦略的重要性がさらに浮き彫りになった」と述べた。朴栄俊(パク・ヨンジュン)ソウル大電気情報工学部名誉教授も「中国に奪われた製造業の主導権を取り戻そうとする米国の立場で、半導体製造強国の韓国と手を握ることが米国の先端製造業の競争力に直結するということを認識した動き」と解釈した。
韓国が参加することにした米国主導の「インド太平洋経済フレームワーク(IPEF)」も同じ脈絡だ。24日にスタートするIPEFは「反中連帯」性格の帯びた経済糾合体。関税などを撤廃する自由貿易協定(FTA)とは異なり、グローバルサプライチェーン協力に傍点が打たれている。
しかし韓国の半導体産業は岐路に立っている。過去最高の業績を出しているが、主要半導体企業の株価は下落傾向にある。未来の競争力を疑う見方があるからだ。さらに主要競争国は「半導体自国主義」の旗幟の下、巨額の資金を投入している。
米議会は半導体産業に5年間に520億ドル(約66兆3000億ウォン、約6兆6300億円))を支援する「米国革新競争法」を今年2月に通過させた。また半導体施設投資に対して最大25%を税額控除する内容を盛り込んだ「米国半導体促進法」が昨年6月に発議された。
中国は米国の牽制にもかかわらず「半導体崛起」を弱める考えはない。昨年発表された中国内の新規半導体工場建設プロジェクトは28件にのぼり、投資金は260億ドルだ。米国半導体産業協会(SIA)は「中国の世界半導体市場シェアが2020年の9%から2024年には17%に増える」と予想した。一方、韓国は2020-24年に20%ほどを維持するという。
日本は今年4月、半導体など必須サプライチェーンに約5000億円の財政支援をする経済安全保障法が衆議院を通過した。欧州連合(EU)も2月、先端半導体生産能力の4倍拡大などを含む「欧州半導体法」を発議した。このためEUは430億ユーロ(約5兆8000億円))以上のファンドを設立する方針だ。TSMCとMediaTek(メディアテック)がある台湾は半導体リショアリング(国内回帰)と海外進出戦略を併行している。
◆業界・学界の要求を無視した「半導体特別法」
政府と企業が油断していたわけではない。昨年5月、文在寅政権は「K-半導体戦略」を発表し、今年1月には半導体を含む「国家先端戦略産業特別法」が国会を通過した。しかし過程は進まず、内容は不十分だった。半導体業界が強く要請した投資インセンティブが十分でなく、人材養成支援政策などが不足したからだ。
業界関係者は「K-半導体超格差戦略を発表しておきながら、サムスンやSKのような大企業ばかりが恩恵を受けるという考えのため、前政権ではまともな政策と法案を出すことができなかった」とし「半導体復興のために政府と企業が『ワンチーム』で動く主要先進国をみると焦りを感じる」と語った。尹錫悦政権でこの法を含む半導体超格差戦略を補完・強化すべきという指摘が出る理由だ。
K-半導体、好況でも時価総額90兆ウォン蒸発…「チップ同盟」が超格差の機会だ(2)
◆バイデン大統領の平沢訪問、韓国の戦略的重要性が浮き彫りに
文在寅(ムン・ジェイン)政権で青瓦台経済補佐官を務めた金顕哲(キム・ヒョンチョル)ソウル大国際大学院教授は「米国は中国を排除してグローバルサプライチェーンを再編しようとする」とし「その核心が半導体であり、韓国の戦略的重要性がさらに浮き彫りになった」と述べた。朴栄俊(パク・ヨンジュン)ソウル大電気情報工学部名誉教授も「中国に奪われた製造業の主導権を取り戻そうとする米国の立場で、半導体製造強国の韓国と手を握ることが米国の先端製造業の競争力に直結するということを認識した動き」と解釈した。
韓国が参加することにした米国主導の「インド太平洋経済フレームワーク(IPEF)」も同じ脈絡だ。24日にスタートするIPEFは「反中連帯」性格の帯びた経済糾合体。関税などを撤廃する自由貿易協定(FTA)とは異なり、グローバルサプライチェーン協力に傍点が打たれている。
しかし韓国の半導体産業は岐路に立っている。過去最高の業績を出しているが、主要半導体企業の株価は下落傾向にある。未来の競争力を疑う見方があるからだ。さらに主要競争国は「半導体自国主義」の旗幟の下、巨額の資金を投入している。
米議会は半導体産業に5年間に520億ドル(約66兆3000億ウォン、約6兆6300億円))を支援する「米国革新競争法」を今年2月に通過させた。また半導体施設投資に対して最大25%を税額控除する内容を盛り込んだ「米国半導体促進法」が昨年6月に発議された。
中国は米国の牽制にもかかわらず「半導体崛起」を弱める考えはない。昨年発表された中国内の新規半導体工場建設プロジェクトは28件にのぼり、投資金は260億ドルだ。米国半導体産業協会(SIA)は「中国の世界半導体市場シェアが2020年の9%から2024年には17%に増える」と予想した。一方、韓国は2020-24年に20%ほどを維持するという。
日本は今年4月、半導体など必須サプライチェーンに約5000億円の財政支援をする経済安全保障法が衆議院を通過した。欧州連合(EU)も2月、先端半導体生産能力の4倍拡大などを含む「欧州半導体法」を発議した。このためEUは430億ユーロ(約5兆8000億円))以上のファンドを設立する方針だ。TSMCとMediaTek(メディアテック)がある台湾は半導体リショアリング(国内回帰)と海外進出戦略を併行している。
◆業界・学界の要求を無視した「半導体特別法」
政府と企業が油断していたわけではない。昨年5月、文在寅政権は「K-半導体戦略」を発表し、今年1月には半導体を含む「国家先端戦略産業特別法」が国会を通過した。しかし過程は進まず、内容は不十分だった。半導体業界が強く要請した投資インセンティブが十分でなく、人材養成支援政策などが不足したからだ。
業界関係者は「K-半導体超格差戦略を発表しておきながら、サムスンやSKのような大企業ばかりが恩恵を受けるという考えのため、前政権ではまともな政策と法案を出すことができなかった」とし「半導体復興のために政府と企業が『ワンチーム』で動く主要先進国をみると焦りを感じる」と語った。尹錫悦政権でこの法を含む半導体超格差戦略を補完・強化すべきという指摘が出る理由だ。
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