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【コラム】北朝鮮社会が新型コロナ危機…韓国、防疫支援で信頼築くべき(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

ファイザーやモデルナのようなmRNAワクチンは保管のために超低温冷凍庫が必要だが、北朝鮮にはない。昨年10月、大田中区の予防接種センターで、ファイザー製ワクチン用の超低温冷凍庫を整理する医療スタッフ。 写真=キム・ソンテ記者

◆タイミング逃したワクチン支援

もちろん北朝鮮社会の苦痛が深刻でないということではない。北朝鮮も中国式の「ゼロ感染政策」を採択してきたため、上海などで目撃されている強引な封鎖および人的移動禁止が続くはずだ。この場合、今がピークの田植えもできなくなり、コロナ被害だけでなく今後の食料難も予想される。韓国政府が積極的な北朝鮮防疫支援に取り組まなければいけない理由だ。

実際、防疫支援もさまざまな方向で可能だ。大きく見ると診断キット、ワクチン、予防および治療物品のなど3つに分けられるが、現段階で最も急がれるのはパクスロビドなどの治療薬および遺伝子増幅装置など予防物品というのが専門家らの指摘だ。ワクチン供給が役に立つという主張もあるが、時間や条件を考慮するとあまりにも遅くなる。


何よりも交渉および配達時間などを考えると、ワクチンが北朝鮮に到達するまでは少なくとも1カ月以上はかかる。さらに接種しても効果が表れるまで2週間かかり、ワクチン供給には大きな意味がない。またワクチン保管および搬送に必要な冷蔵施設と冷凍車が不足し、支援を受けてもまともに使用できるか疑問だ。ファイザーやモデルナのようなmRNAワクチンの場合、マイナス20-70度の超低温冷凍施設が欠かせないが、北朝鮮内には全くないという。

◆北朝鮮の自尊心を傷つけるべきでない

逆説的だが、大疫病は平和を呼ぶ。昔から戦争中の国々もペストやコレラなどが襲えばやむを得ず休戦したりした。原因不明の病気を防ぐことが戦争よりも先だった。コロナも平和の使徒の役割をした。2020年にコロナが広がって以降、17の紛争国で銃声が止まった。北朝鮮を襲ったコロナもある程度はこうした役割を遂行する可能性がある。金正恩政権もコロナ防疫を最優先課題としてきた体制の力量をここに注いでいる。

尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は北朝鮮に防疫支援をするというのが基本的な立場だ。しかしここには条件が付いている。「北朝鮮が望むなら」だ。実際、尹錫悦大統領も16日の施政演説で「北の当局が呼応すれば、コロナワクチンを含む医薬品・医療器具・保健人員など必要な支援を惜しまない」と述べた。

こうした方針に対し、多くの専門家は「条件なしに支援するのが長期的に賢明な政策だ」と指摘する。「北の当局の呼応」という条件は、金正恩体制の明示的な防疫支援要請と考えられる。金正恩政権が「治療薬やワクチンが欲しい」と言ってこそ与えるということのようだ。しかし北朝鮮との交渉経験が多い専門家は、北朝鮮の自尊心を傷つけずに支援する方法はいくらでもあると主張する。例えば、国連のような国際機関を通して支援する形で。世界保健機関(WHO)に北朝鮮伝達を条件に金銭的・物的な支援をすれば、大きな声を出さなくても支援できるということだ。

◆ふさがった対話チャンネルは開かれるのか

もちろん北朝鮮が受け取らないといえばどうにもならない。北朝鮮はその間、811万人分の国際社会のワクチン支援提案を拒否してきた。しかし状況があまりにも急激に変わっているため、水面下交渉で静かに受け入れの意思を確認すれば、防疫支援も実現する可能性がある。

現在、南北関係の最大課題の一つは、ふさがった対話チャンネルを開くことだ。そうしてこそ北朝鮮非核化であれ南北交流であれ平和の推進が可能だ。コロナで北朝鮮体制が崩れるかもしれないという考えは非現実的だ。ワクチン供給を非核化と結びつけようという話も同じだ。むしろ人道的レベルで困難に直面した北朝鮮に手を差し伸べ、意思疎通と交流の突破口を開くのが賢明な対処案だ。

過去にも伝染病に苦しむ北朝鮮を韓国側が支援した事例は少なくない。政府が直接またはWHOを通して直接・間接的に10回ほど支援している。特に新型インフルエンザが広がった2009年には167億ウォンに50万人分のタミフル治療薬を提供した前例があり、コロナ防疫のためのワクチンと治療薬を支援しても異例ではない。

専門家らは政治的な対話だけでなく南北医療従事者の意思疎通が必要であり、そうなれば相当な役割が期待される。多くのコロナ患者の治療で蓄積された韓国側のノウハウを北朝鮮医療スタッフに伝えれば大きく役立つのは間違いない。

ナム・ジョンホ/中央日報コラムニスト


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