ウクライナ情勢が長期化の様相を見せている。国際秩序が揺れ動く中、バイデン米大統領が20日に訪韓して尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と行う首脳会談では、韓国産武器のウクライナ支援問題が議論されるとみられる。新政権が発足10日目に早くも試される。韓中ビジョンフォーラムは16日、第14回会合を開き、ウクライナ情勢が北東アジアの火薬庫と呼ばれる両岸(中国と台湾)および韓半島(朝鮮半島)情勢に及ぼす影響について議論した。
◆洪完錫(ホン・ワンソク)韓国外大国際地域大学院教授=ウクライナ戦争の出口を探すのが容易でない。原因は複合的だ。ウクライナはユーラシア覇権掌握に向けた米露勢力の最大の闘争の場になった。米民主党とプーチン大統領の悪縁も無関係でない。民主党はロシアが米大統領選挙に介入したと見なし、プーチン大統領は域内の「革命」の背後に米国があると信じている。米国の立場でウクライナ情勢は欧州連合に対する統制権を強化し、軍需産業に活路を提供し、天然ガスの輸出にもつながる。プーチン大統領は2024年の大統領選挙を控えて支持率を高める効果がある。ウクライナ戦争により世界は米国中心の自由民主主義グループ、中露の権威主義グループの間で、政治と経済が同時に分離する二重分離時代を迎えている。核戦争の恐怖が目の前に近づいた点も注目する必要がある。プーチン大統領は核の先制使用の可能性を示唆した。中国はロシアが米国の対中封鎖を緩和する側面があり、内心、今回の事態の長期化を望むだろう。ウクライナ情勢は韓国に対し、国力を強化して周辺強大国に振り回されてはならないという教訓を与えている。また、二者択一や陣営外交が韓国の安全保障にプラスにならないことを見せている。自強の努力と共に国益基盤の実用外交が求められる。
◆権奇昌(クォン・ギチャン)元ウクライナ大使=中国の習近平国家主席はプーチン大統領の善戦を望んでいる。ロシアが敗戦すれば次のターゲットは中国になるからだ。最近、台湾がアジアのウクライナになるのではないかと関心を引いている。中国と台湾の間の海は中国の侵攻を難しくするが、台湾に対する支援も難しくする。ウクライナ情勢がロシアに有利に終わる場合、両岸の緊張は高まるだろう。ウクライナ戦争は韓国に多くのことを示唆している。まず、韓半島でも強大国による戦争が発生する可能性があるという点を念頭に置いて、我々の軍事力と経済力を増強する必要がある。2つ目は、韓米同盟の重要性を悟らせている。韓米同盟が韓半島でさらに強い戦争抑止機能を発揮できるようにしなければいけない。3つ目は、周辺強大国と友好的に付き合うべきという点だ。不必要に中国を刺激する必要はない。4つ目は、今後、中露朝の関係が緊密になり、北核問題の解決がさらに難しくなる中、我々としても超党派的に北核問題に対する原則と立場を決め、これを進めていくことだ。最後に、我々の外交が短期的な利益だけに焦点を合わせる形から抜け出し、民主主義と人権イシューに連帯と支持を送る価値外交への転換を模索する必要がある。
◆辛正承(シン・ジョンスン)元駐中大使=西側とロシアが戦えば中国が漁夫の利を得るという見方もあるが、持続的な発展のために安定した環境を必要とする中国の立場では、ウクライナ情勢の長期化は無条件に歓迎できることでないだろう。現在、国際社会が注目しているのは中国が軍事的にロシアを支援するかどうかだ。その場合、ゲームチェンジャーになる可能性があるからだ。
◆康ジュン栄(カン・ジュンヨン)韓国外大国際地域大学院教授=米中露の三角関係で中露は同じ側に見えるが、実際、中露関係には大きな間隙がある。中国は現在、多国を助けるほど余裕があるわけでなく、そのような意思もないとみられる。両岸戦争に関連し、台湾では72時間(3日)、336時間(14日)論争がある。中国の侵攻から72時間以内に米軍が来れば生きるが、来なければ14日間で敗北するということだ。台湾は窮地に追い込まれれば、北京と上海を打撃する戦略も準備中だ。我々は、両岸戦争になれば在韓米軍が移動し、これによって韓半島の安全保障に空白が生じることへの対応策を用意する必要がある。
◆キム・ジンホ檀国大政治外交学科教授=中国が台湾を侵攻すれば米国は台湾を保護する。台湾を放棄することは中国に対して太平洋の門を開くという意味であるからだ。我々も米国の友邦として介入するしかない状況に直面するかもしれない。緻密な準備が必要だ。中国はウクライナ情勢を見て動揺する姿だ。強いと信じていたロシアに対する期待が崩れ、また西側の制裁が中国に致命的になるかもしれないと判断している。我々はこうした中国を相手に公式的には堂々とした外交を駆使しながらも、内部的には水面下対話を続ける知恵が必要だ。
【韓中ビジョンフォーラム】ウクライナ情勢で分かれた世界…陣営化時代に備えるべき(2)
◆洪完錫(ホン・ワンソク)韓国外大国際地域大学院教授=ウクライナ戦争の出口を探すのが容易でない。原因は複合的だ。ウクライナはユーラシア覇権掌握に向けた米露勢力の最大の闘争の場になった。米民主党とプーチン大統領の悪縁も無関係でない。民主党はロシアが米大統領選挙に介入したと見なし、プーチン大統領は域内の「革命」の背後に米国があると信じている。米国の立場でウクライナ情勢は欧州連合に対する統制権を強化し、軍需産業に活路を提供し、天然ガスの輸出にもつながる。プーチン大統領は2024年の大統領選挙を控えて支持率を高める効果がある。ウクライナ戦争により世界は米国中心の自由民主主義グループ、中露の権威主義グループの間で、政治と経済が同時に分離する二重分離時代を迎えている。核戦争の恐怖が目の前に近づいた点も注目する必要がある。プーチン大統領は核の先制使用の可能性を示唆した。中国はロシアが米国の対中封鎖を緩和する側面があり、内心、今回の事態の長期化を望むだろう。ウクライナ情勢は韓国に対し、国力を強化して周辺強大国に振り回されてはならないという教訓を与えている。また、二者択一や陣営外交が韓国の安全保障にプラスにならないことを見せている。自強の努力と共に国益基盤の実用外交が求められる。
◆権奇昌(クォン・ギチャン)元ウクライナ大使=中国の習近平国家主席はプーチン大統領の善戦を望んでいる。ロシアが敗戦すれば次のターゲットは中国になるからだ。最近、台湾がアジアのウクライナになるのではないかと関心を引いている。中国と台湾の間の海は中国の侵攻を難しくするが、台湾に対する支援も難しくする。ウクライナ情勢がロシアに有利に終わる場合、両岸の緊張は高まるだろう。ウクライナ戦争は韓国に多くのことを示唆している。まず、韓半島でも強大国による戦争が発生する可能性があるという点を念頭に置いて、我々の軍事力と経済力を増強する必要がある。2つ目は、韓米同盟の重要性を悟らせている。韓米同盟が韓半島でさらに強い戦争抑止機能を発揮できるようにしなければいけない。3つ目は、周辺強大国と友好的に付き合うべきという点だ。不必要に中国を刺激する必要はない。4つ目は、今後、中露朝の関係が緊密になり、北核問題の解決がさらに難しくなる中、我々としても超党派的に北核問題に対する原則と立場を決め、これを進めていくことだ。最後に、我々の外交が短期的な利益だけに焦点を合わせる形から抜け出し、民主主義と人権イシューに連帯と支持を送る価値外交への転換を模索する必要がある。
◆辛正承(シン・ジョンスン)元駐中大使=西側とロシアが戦えば中国が漁夫の利を得るという見方もあるが、持続的な発展のために安定した環境を必要とする中国の立場では、ウクライナ情勢の長期化は無条件に歓迎できることでないだろう。現在、国際社会が注目しているのは中国が軍事的にロシアを支援するかどうかだ。その場合、ゲームチェンジャーになる可能性があるからだ。
◆康ジュン栄(カン・ジュンヨン)韓国外大国際地域大学院教授=米中露の三角関係で中露は同じ側に見えるが、実際、中露関係には大きな間隙がある。中国は現在、多国を助けるほど余裕があるわけでなく、そのような意思もないとみられる。両岸戦争に関連し、台湾では72時間(3日)、336時間(14日)論争がある。中国の侵攻から72時間以内に米軍が来れば生きるが、来なければ14日間で敗北するということだ。台湾は窮地に追い込まれれば、北京と上海を打撃する戦略も準備中だ。我々は、両岸戦争になれば在韓米軍が移動し、これによって韓半島の安全保障に空白が生じることへの対応策を用意する必要がある。
◆キム・ジンホ檀国大政治外交学科教授=中国が台湾を侵攻すれば米国は台湾を保護する。台湾を放棄することは中国に対して太平洋の門を開くという意味であるからだ。我々も米国の友邦として介入するしかない状況に直面するかもしれない。緻密な準備が必要だ。中国はウクライナ情勢を見て動揺する姿だ。強いと信じていたロシアに対する期待が崩れ、また西側の制裁が中国に致命的になるかもしれないと判断している。我々はこうした中国を相手に公式的には堂々とした外交を駆使しながらも、内部的には水面下対話を続ける知恵が必要だ。
【韓中ビジョンフォーラム】ウクライナ情勢で分かれた世界…陣営化時代に備えるべき(2)
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