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シングルマザー役でカンヌに招かれた歌手IU…是枝監督「『マイ・ディア・ミスター』を見てファンになった」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

映画『ベイビー・ブローカー』は赤ちゃんの母親役ソヨン(イ・ジウン、左)がベイビー・ボックスに置かれた自身の赤ちゃんを密かに売り払った人々(カン・ドンウォン、ソン・ガンホ)と赤ちゃんを探しに出た旅路を描いた。[写真 CJ ENM]

「コロナ禍で家にいる間、韓流ドラマにハマったが、ドラマ『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』(tvN、2018)でイ・ジウン(歌手IU)のファンになった。(映画『ベイビー・ブローカー』で)この役割はこの方しかいないという気がして提案した」。韓国俳優・女優と韓国で撮影した『ベイビー・ブローカー』(6月8日公開)で今年カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品された日本の巨匠、是枝裕和監督のことだ。イ・ジウンという実名でシングルマザー役に挑んだ歌手IUは初めての商業映画でカンヌ映画祭のレッドカーペットを踏むことになった。

10日、ソウルCGV龍山(ヨンサン)アイパークモールで開かれた『ベイビー・ブローカー』制作報告会にはIUと主演俳優ソン・ガンホ、俳優カン・ドンウォン、女優イ・ジュヨンが参加した。是枝監督は日本からオンラインで参加した。是枝監督が脚本・演出を務めた『ベイビー・ブローカー』はベビーボックスに捨てられたある赤ちゃんを中心にもう一つの家族になっていく話だ。イ・ジウンは赤ちゃん「ウソン」を置いていって一日後に取り戻しに来た「ソヨン」役を演じた。IUは「母親役は初めてで、自然に見えようと準備した。子どもをどう抱けばいいか、遊ぶ時はどのようにすればいいかたくさん準備したが、実際ソヨンは劇中で準備されていない母親なので子どもを抱くチャンスも多くなかった」と語った。

映画でソン・ガンホは借金に苦しめられるクリーニング屋社長のサンヒョン、カン・ドンウォンはベイビー・ボックス施設で働く保育園出身のドンスを演じた。違法養子縁組のブローカーとして活動してきた二人は、赤ちゃんを取り戻しに来たソヨンが赤ちゃんが消えたことに気付いて警察に通報しようとすると赤ちゃんの新しい両親を探してくれることを約束する。女性青少年課刑事のスジン(ペ・ドゥナ扮)とイ刑事(イ・ジュヨン扮)が彼らを追いかける。


IUの演技力に30年経歴の俳優ソン・ガンホも驚いたという。ソン・ガンホは「ソヨンが刑事と会話する夜間撮影場面を見て、女優としてテクニックもそうだが、真心とその真心を伝える正確な表現、感情の伝え方にとても驚いた」として「別に呼んで褒めてあげた。(映画『義兄弟 SECRET REUNION』以降12年ぶりに共演した)カン・ドンウォンも褒めたことがない」と話した。IUは「撮影が遅く終わった日だった。先輩が帰らず待っておられた。走っていってあいさつしたら、『あの場面をモニターしたが、とても良かった』と言って車が遠ざかった。とても美しく思われ、映画の一場面のようで涙がたまった」と振り返った。

『ベイビー・ブローカー』は映画『万引き家族』(2018)でカンヌ映画祭パルムドールを受けた是枝監督と主演作『パラサイト 半地下の家族』(2019)がパルムドールを受けたソン・ガンホが一丸となった、今年カンヌ映画祭の最高話題作だ。是枝監督は「ソン・ガンホさんは善と悪が微妙に交差する、そのような人物を作り出した」として「クランクインの前にポン・ジュノ監督と食事しながら助言を受けたが、『現場が始まれば、何でも任せればいい。ソン・ガンホは太陽のような存在なので、彼によって現場は明るくなり、撮影はうまくいくだろう』と聞いた。実際に作業してみたら、本当にそうだった」と伝えた。

『ベイビー・ブローカー』は釜山(プサン)からソウルまで遡るロードムービーでもある。実際に、浦項(ポハン)・蔚珍(ウルチン)・三陟(サムチョク)・江陵(カンヌン)などの地域で2カ月間撮影した。日本の監督映画だが、制作会社(映画会社「ジプ」)を中心にホン・ギョンピョ撮影監督、チョン・ジェイル音楽監督など韓国のベテランスタッフが力を合わせた。是枝監督は「俳優だけでなく、すべてのスタッフが撮影に至るまで準備が徹底し、撮影を始めるとすべてのことがとても早くて驚いた。常に完ぺきな状態で現場が始まるということを感じた」と感心した。



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