「ウェブ漫画市場が今のように大きくなると想像していただろうか。未来にこのような新産業はまた出てくる。誰かがソウルの未来の産業を考えて呼び水をさしていく必要がある」。

ソウル産業振興院（ＳＢＡ）のキム・ヒョンウ代表理事が９日、中央日報のインタビューに応じた。キム代表は韓国創業投資、ボストン創業投資（現ウリインベストメント）、アジア経済ＴＶ（現パクス経済ＴＶ）代表を経て、昨年１１月にＳＢＡ代表理事に就任した。企業の成長のための投資・海外進出など「公共最大のアクセラレーター」が、就任６カ月目がキム代表が強調したＳＢＡの役割だ。


◆「韓国の中小企業がアマゾン・ネットフリックスになるよう支援」


キム代表はこの日、就任後の最も大きな組織変化に「未来革新団」の新設を挙げた。年６００億ウォン（約６１億円）規模のソウル市革新成長ファンドを財源にベンチャーキャピタルのファンドに投資し、乗数効果を通じて革新企業により大きな投資が行われるようにするのが、未来革新団の主な役割だ。革新企業のデジタル転換（ＤＸ）支援も主な業務の一つだ。

キム代表は「アマゾンのような革新企業は人工知能（ＡＩ）を通じて地域・季節別特需を勘案し、地点に特化した在庫管理をした。ネットフリックスも使用者一人一人に特化したアルゴリズムを適用し、コンテンツを提供する」とし「Ｂ２Ｃに関連する中小企業の場合、こうしたデジタル転換を通じて業績を飛躍的に改善する余力が不足しているだけに、１０年間ほどは革新企業に対する教育、ソリューション提供などが着実に行われる必要がある」と述べた。

◆「就職士官学校を通して雇用年間６７００件の創出」

企業の成長のための人材ミスマッチングを解消することもＳＢＡの主な課題だ。第４次産業分野の場合、人材の需要が多く、供給はむしろ不足している。キム代表は「今年は予算１７１億ウォンを投資して従来２カ所だった青年就職士官学校数を５カ所（麻浦・龍山・江東キャンパス）に増やし、２０２５年に１０カ所まで拡大する計画」とし「ＡＩ、ビッグデータ、フィンテック、クラウドなどＳＷ開発分野とデジタル転換（デジタルマーケティング、パブリッシングサービス企画など）分野の人材１５００人を養成して就職までサポートできるよう雇用プログラムも運営する計画」と説明した。

ＳＢＡは青年就職士官学校修了生採用企業が昨年の２２４社から今年は１０００社に増えるとみている。キム代表は「今年下半期からはソウル市内の６つの大学で青年就職士官学校の予備プログラムを履修できるよう各大学と議論している」と伝えた。キム代表が今年設定したＳＢＡの雇用創出規模は６７００人だ。

◆韓国のポジティブ規制、第４次産業でアウトサイダーに

新技術の事業化に最も障害となる「規制解消」もキム代表が取り上げた課題だ。キム代表は「今年のＣＥＳ２０２２で最高革新賞を受けたＡ社は、人の指紋にあたるペットの犬の鼻紋をスマートフォンで識別・登録する生体認証技術を開発した」とし「しかし動物保護法上、動物の登録は無線識別装置（マイクロチップ）に限られているため、技術の波及が停滞していた」と説明した。

続いて「このような場合、法を改正できなければ、企業が手を握って公務員・機関をいちいち訪ねて説得することになる」とし「法で許容する技術以外はすべて禁止する現行のポジティブ規制システムの下で、韓国は第４次産業革命時代のアウトサイダーになる可能性が高い」と指摘した。

キム代表は「昨年１４２３億ウォンの投資を誘致したソウル創業ハブ（孔徳・聖水・倉洞・麻谷）を通じて大企業とスタートアップの技術協力を拡大していく」とし「スタートアップの技術・特許・投資誘致現況などをリアルタイムで確認できる『スタートアッププラス』プラットホームを通じて企業間の技術取引、投資家とのマッチングまで支援していく」と述べた。