サムスン電子とLGディスプレイの生産工程に必須の装備が中国企業に流出し、検察が捜査に入った。国家核心産業の半導体と有機発光ダイオード(OLED)の生産に必須の装備が中国に流出したのだ。「検捜完剥」(検察捜査権完全剥奪)で技術安全保障に支障が生じるという懸念も強まっている。
◆韓国の半導体・OLED装備が流出
産業通商資源部、検察などによると、水原(スウォン)地検は半導体・OLED装備技術流出事件について捜査を進めている。関係者の一部はすでに拘束され、起訴されたという。この装備は産業発展法に基づき部品や設計図面の海外搬出が禁止されている。
産業界からは中国企業の技術奪取手法が以前とは異なる点に注目している。これまでは製品自体の基礎技術や人材を奪っていく形だったが、今はその技術を生産する装備を狙っている。
これはセキュリティーおよび管理が強化されている人材・基礎技術とは違い、自国に搬入するのが相対的に容易であるからだ。また、すぐに特定製品を作ることができるうえ、主要部品や設計図面などを見ながら製品の生産にどのような技術と原理が使用されたかも把握できる。
半導体装備の場合、セメスで勤務していたAらは2018年から昨年まで半導体洗浄装備の生産技術とその図面を中国に流出させたと分かった。セメスはサムスン電子の子会社で半導体製造装備などを供給する会社。産業界と検察はAらがセメス退職後に会社を設立し、中国から数百億ウォン台の投資金を受ける見返りに装備設計図面などを渡し、中国現地での装備設置を支援したとみている。
OLED装備の流出も似ている。Bらはディスプレー洗浄装備の設計図面を中国に流出させ、2016年に中国現地に法人まで設立した。国内企業だけに供給する装備を中国の会社に供給し、正常な輸出契約のように見せかけた。Bが設立した法人の会計上の売上高は5年間で3倍に増えた。
◆技術流出の3分の2は中国
国家情報院によると、2017年から2月まで摘発された産業技術海外流出事件は計99件。このうち34件は、ライバル会社に流出すれば国民経済に大きな影響を与える「国家核心技術」だった。国家情報院は流出した産業技術のうち3分の2が中国に渡ったと明らかにしている。産業技術の流出は隠密に進行されるため摘発が難しい点を考慮すると、実際の事件はこれより多いとみられる。
産業部は産業技術の国家安保レベルの重要性が高まっているという立場だ。特に半導体・OLEDなどの場合、グローバル市場で中国との競争が激しくなり、その手法も多様化しているため、制度の準備に苦心している。産業部の関係者は「技術人材流出など技術保護の重要度が高まっている」とし「今年下半期からは本格的に立法が必要な部分まで支援する予定」と述べた。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領側の引き継ぎ委員会が3日に発表した110大台国政課題にも含まれた。引き継ぎ委は国政課題目標の一つに「技術覇権競争に対応した知識財産保護体系の確立」を挙げた。中国との技術格差の縮小が速まり、対応が必要という趣旨でだ。業界では主要技術が流出する場合、2、3年の技術格差が一気に縮まるとみている。
◆「検捜完剥」、技術安保も脅かす
こうした状況で技術流出防止の一つの軸を担う検察の捜査権が揺らぐという懸念も強まっている。いわゆる「検捜完剥」法案が公布されたからだ。技術流出など経済犯罪捜査は可能だいうが、重大犯罪捜査庁(韓国型FBI)設立までに制限された。何よりも捜査と起訴が分離したことで、捜査をした検事は裁判から手を引かなければならない。
特許庁が2017ー19年の営業秘密関連刑事事件を全数調査した結果、無罪率は34.5%にのぼった。一般刑事事件の1審無罪率は1%未満だ。技術流出事件の無罪比率は30倍以上高い。外国企業が関連して主に金&張法律事務所が大規模な技術流出被疑者を代理するうえ、専門技術の領域であるため、裁判所が有罪と判断するのが容易でない傾向があるからだ。
検察内技術流出事件の専門家イ・チュン部長検事は先月29日、検察内部のネットワークで「核心技術の海外流出事件のような専門分野の事件は捜査と起訴を連係しなければいけない。専門的な技術の理解と争点の技術がどこに該当するのか検討する部分が多い。記録だけを検討して対応するのは実際かなり難しい」と指摘した。
◆韓国の半導体・OLED装備が流出
産業通商資源部、検察などによると、水原(スウォン)地検は半導体・OLED装備技術流出事件について捜査を進めている。関係者の一部はすでに拘束され、起訴されたという。この装備は産業発展法に基づき部品や設計図面の海外搬出が禁止されている。
産業界からは中国企業の技術奪取手法が以前とは異なる点に注目している。これまでは製品自体の基礎技術や人材を奪っていく形だったが、今はその技術を生産する装備を狙っている。
これはセキュリティーおよび管理が強化されている人材・基礎技術とは違い、自国に搬入するのが相対的に容易であるからだ。また、すぐに特定製品を作ることができるうえ、主要部品や設計図面などを見ながら製品の生産にどのような技術と原理が使用されたかも把握できる。
半導体装備の場合、セメスで勤務していたAらは2018年から昨年まで半導体洗浄装備の生産技術とその図面を中国に流出させたと分かった。セメスはサムスン電子の子会社で半導体製造装備などを供給する会社。産業界と検察はAらがセメス退職後に会社を設立し、中国から数百億ウォン台の投資金を受ける見返りに装備設計図面などを渡し、中国現地での装備設置を支援したとみている。
OLED装備の流出も似ている。Bらはディスプレー洗浄装備の設計図面を中国に流出させ、2016年に中国現地に法人まで設立した。国内企業だけに供給する装備を中国の会社に供給し、正常な輸出契約のように見せかけた。Bが設立した法人の会計上の売上高は5年間で3倍に増えた。
◆技術流出の3分の2は中国
国家情報院によると、2017年から2月まで摘発された産業技術海外流出事件は計99件。このうち34件は、ライバル会社に流出すれば国民経済に大きな影響を与える「国家核心技術」だった。国家情報院は流出した産業技術のうち3分の2が中国に渡ったと明らかにしている。産業技術の流出は隠密に進行されるため摘発が難しい点を考慮すると、実際の事件はこれより多いとみられる。
産業部は産業技術の国家安保レベルの重要性が高まっているという立場だ。特に半導体・OLEDなどの場合、グローバル市場で中国との競争が激しくなり、その手法も多様化しているため、制度の準備に苦心している。産業部の関係者は「技術人材流出など技術保護の重要度が高まっている」とし「今年下半期からは本格的に立法が必要な部分まで支援する予定」と述べた。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領側の引き継ぎ委員会が3日に発表した110大台国政課題にも含まれた。引き継ぎ委は国政課題目標の一つに「技術覇権競争に対応した知識財産保護体系の確立」を挙げた。中国との技術格差の縮小が速まり、対応が必要という趣旨でだ。業界では主要技術が流出する場合、2、3年の技術格差が一気に縮まるとみている。
◆「検捜完剥」、技術安保も脅かす
こうした状況で技術流出防止の一つの軸を担う検察の捜査権が揺らぐという懸念も強まっている。いわゆる「検捜完剥」法案が公布されたからだ。技術流出など経済犯罪捜査は可能だいうが、重大犯罪捜査庁(韓国型FBI)設立までに制限された。何よりも捜査と起訴が分離したことで、捜査をした検事は裁判から手を引かなければならない。
特許庁が2017ー19年の営業秘密関連刑事事件を全数調査した結果、無罪率は34.5%にのぼった。一般刑事事件の1審無罪率は1%未満だ。技術流出事件の無罪比率は30倍以上高い。外国企業が関連して主に金&張法律事務所が大規模な技術流出被疑者を代理するうえ、専門技術の領域であるため、裁判所が有罪と判断するのが容易でない傾向があるからだ。
検察内技術流出事件の専門家イ・チュン部長検事は先月29日、検察内部のネットワークで「核心技術の海外流出事件のような専門分野の事件は捜査と起訴を連係しなければいけない。専門的な技術の理解と争点の技術がどこに該当するのか検討する部分が多い。記録だけを検討して対応するのは実際かなり難しい」と指摘した。
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