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「219億ウォンの装備」を中国製偽物と知りながら放置する韓国陸軍…「腐敗行為」申告

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

2018年5月1日、軍関係者が京畿道坡州市交河小哨に設置された固定型対北朝鮮拡声器を撤去している。 写真共同取材団

韓国陸軍が中国製「偽物」海岸監視装備の納品を受けても返品・払い戻しや装備交換をせず、最近、国民権益委員会に「腐敗行為」で申告された。

陸軍は「海・川岸科学化警戒事業」という名称で219億ウォン(約22億円)を投入して東・西・南海岸一帯の警戒を担当する9個師団に遠距離カメラなど監視装備を設置し、現在運用中だ。ここには「ノック・泳ぎ亡命」事件と今年初日の脱北者越北事件が発生した第22師団の警戒地域も含まれている。

検察の捜査の結果、該当事業で納品業者の不当利得は約120億ウォン(港監視装備含む)であることが明らかになった。しかし陸軍はいかなる措置も取っていない。


こうした中、キム・ヨンス国防権益研究所長(元権益委国防担当調査官)は3日、陸軍参謀総長と陸軍本部情報作戦参謀部海・川岸科学化警戒事業担当官、陸軍本部法務室長らに対し「瑕疵処理等未履行による国庫損失の放置」を理由で前日、権益委に腐敗行為の申告をしたと明らかにした。予備役海軍少佐のキム所長は現役時代の2009年に「鶏龍台(ケリョンデ)軍納不正」を告発するなど防衛産業・軍納不正事情に詳しい専門家だ。

これに先立ち先月27日、ソウル中央地検反腐敗・強力捜査協力部は今回の納品不正事件に関連し、業者代表とブローカーら4人を特定経済犯罪加重処罰法上の詐欺及び偽計による公務執行妨害容疑で起訴した。

4人は陸軍本部が2020年3月に発注した該当事業で中国製の安い監視装備を国内製品のように見せかける「ラベル替え」で104億ウォンの利益を得たことが分かった。また同年8月に陸軍本部が発注した港監視装備事業でも同じ手法で15億ウォンを得た疑いだ。両事業ともに徐旭(ソ・ウク)国防長官が陸軍参謀総長だった時期に生じた。

このように検察の起訴で犯罪行為が明らかになったが、陸軍は「性能に問題はない」という理由で返品・払い戻しなどの処理をせず、偽物の監視装備を現在も運営中だ。陸軍関係者は中央日報に「今回の検察の捜査結果に関連し、陸軍は裁判の結果に基づき必要な後続措置を検討する予定」とだけ明らかにした。昨年10月に警察(国家捜査本部)の捜査結果が出た時も陸軍は似た立場を明らかにした。

問題は、契約上の瑕疵処理期間(2年)が今年12月31日までという点だ。このため通常数年かかる大法院(最高裁)確定判決が出る前に期限が過ぎると予想される。キム所長は「該当事業の契約特殊条件に、不法・不正行為で不当利得を得る場合、該当金額はもちろん法定利子まで支払うよう明示されている」と説明した。そして「陸軍が裁判を理由に動かないのは、軍納を主導した部署が責任を負わないための典型的なやり方」とし「不当利得を回収する時、関係者の懲戒があるため、これを避けるために何もしない」と指摘した。

前例もある。軍は納品業者が60億ウォンの不当利得を得た2018年の「対北朝鮮拡声器納品不正」事件当時も、瑕疵処理および不当利得金回収措置を取らなかった。軍内関係者の懲戒もなかった。拡声器は倉庫にそのまま放置されている。

このため軍内では「納品業者の立場では不法をしても刑さえ受ければよい」という批判が出ている。匿名を求めた軍関係者は「拡声器納品不正事件を見ても、当時3年刑を言い渡された業者について『懲役1年あたり20億ウォン』という笑い話まで出るほど、あきれるような状況が続いている」と話した。

キム所長は「軍納とは違い、防衛事業庁が主管する防衛産業契約の場合、検察の起訴はもちろん監査院の監査の結果さえ出れば防衛事業法令に基づき徹底的に不当利得金を回収して加算金まで支払わせることになっている」とし「軍納は関連法規がなく不正があっても国民の税金が使われるだけ」と指摘した。



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