ロシア軍がウクライナのドンバス〔ドネツィク(ドネツク)・ルハンシク(ルガンスク)各州)をはじめとする東部戦線で大々的な攻勢を始めて10日が経過したが、進撃速度が予想よりも遅いという分析が出ている。西側の分析によると、ロシアは当初5月頭までにドンバスを掌握した後、来月9日の「第2次世界大戦勝利記念日」に合わせて勝利を宣言する計画だったという。
しかしウクライナ国防省がドネツィク・ルハンシクだけでロシア軍の攻撃を9回撃退したことが明らかにするなどロシア軍はこれといった成果があげられていない。ニューヨーク・タイムズ(NYT)は米国戦争研究所の分析を引用して「ロシア軍はウクライナ東部で遅々とした進展を見せている」と27日(現地時間)、伝えた。
英国日刊紙タイムズなどによると、西側政府の官僚や専門家はロシアの進撃速度が落ちた理由について「悪天候とロシア軍の慢性的な疲労感、西側の武器支援とウクライナ軍の反撃」など大きく5つの要素が作用していると分析した。ロシア軍は東部戦線で北・東・南側の3方向から攻撃を加えていて、今後数週間が峠になるだろうとの見通しが出ている。
(1)悪天候
27日、タイムズは「現在ドンバスに大雨が降っている」と伝えた。ロシア軍がドンバスで大きな成果を出せずにいる原因の一つが「天気」という説明だ。英国政府関係者は「ドンバスの天気はロシア軍を助けてやろうとはしていない。ロシア兵士は雨の中で戦うのが好きではない」としながら「このような点が進撃を遅らせている」と話した。また他の官僚も「ロシア軍が大雨によって進撃を止めている」と伝えた。
元英国海軍将校のクリス・パリー氏は「天気が暖かくなってドンバス地域の地面が泥に変わったうえ、雨が降ってこのような現象がさらにひどくなった。このため軍用車両の移動が容易ではない」と話した。
(2)ロシア軍の慢性的な疲労感
軍事分析家であり米国外交政策研究所上級研究員ロブ・リー氏は最近エコノミストへの寄稿文で「ロシア軍は退却したキーウ(キエフ)等の戦闘ですでに相当な人的・物的損失を受けており、ドンバス戦闘は消耗戦に直面した」とした。特に戦争経験が豊富な精鋭部隊の損失が大きい点がロシア軍の弱点として働くだろうと付け加えた。
2月24日の開戦以来、死亡したロシア兵士は約1万5000人と推算される。ある西側の官僚は「ロシア軍がイジウムの一部と東部の小さな村を占領したが、十分な能力を発揮できず戦死者数が増え続けている」と伝えた。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が来月9日の勝利宣言のために進撃を急ぐ場合、ロシア兵士数千人がさらに死亡するかもしれないという見方も出ている。
(3)西側の武器支援による力関係の変化
米海軍分析センターの上級研究員マイケル・コフマン氏は「ウクライナに対する西側の持続的な武器供与でロシアとウクライナの力関係が均衡を取り始めた」という分析を出した。西側はドンバス戦闘に備えて先を争ってウクライナに武器支援を強化した。
ロイド・オースティン国防長官は今まで米国を含む約30余カ国がウクライナに支援した軍事支援規模は50億ドル(約6兆3500億ウォン)に達し、このうち米国の支援額は37億ドル(約4兆7000億ウォン)と明らかにした。
一方、西側では今回の戦争の目標が「ウクライナの勝利」という趣旨の発言が出てきた。英国のリズ・トラス外相はこの日「ロシアをウクライナ全域から押し出すために、我々は今後もさらに遠く、速やかに進んでいく」としながら「ウクライナの勝利は我々全員にとって戦略的に重要だ」と述べた。
(4)ウクライナ軍の反撃能力と地理的利点
ウクライナ軍はロシア軍が占領した村にテントを張る時間を与えないほど優れた反撃能力を見せていると専門家たちは話した。特にウクライナ特殊部隊はロシア軍後方でかく乱作戦を行い、ウクライナ軍が戦力を増強し、追加装備を確保する時間を稼いでいる。
リー氏は「ウクライナ軍は知略と立派な指導力を備えている」とした。また、ウクライナ軍は2014年ドンバスで親露分離主義勢力に対抗して防御陣地を構築してきたのでロシア軍が攻略するのは難しいという分析もある。
(5)ロシア軍の戦術変更
NYTによると、米戦争研究所はロシア軍の東部での進撃の遅さが戦略変化のためであるかもしれないと分析した。キーウの戦いで急な侵攻を試みて失敗した経験を基に、戦闘力備蓄レベルで速度を調整しているという説明だ。英国防省はロシア軍がさらなる進撃のために空中砲撃に依存して兵力と武器を集結させているとみている。
ただし、米戦争研究所は「ロシア軍がウクライナ中心部の戦闘敗北で疲労が蓄積して志気が落ちた状態なので、任務を遂行できるかは不確かだ」と指摘した。しかし、ロシア軍が今も兵力と武器の面で優位にあり、速断するのは早いという声もある。
しかしウクライナ国防省がドネツィク・ルハンシクだけでロシア軍の攻撃を9回撃退したことが明らかにするなどロシア軍はこれといった成果があげられていない。ニューヨーク・タイムズ(NYT)は米国戦争研究所の分析を引用して「ロシア軍はウクライナ東部で遅々とした進展を見せている」と27日(現地時間)、伝えた。
英国日刊紙タイムズなどによると、西側政府の官僚や専門家はロシアの進撃速度が落ちた理由について「悪天候とロシア軍の慢性的な疲労感、西側の武器支援とウクライナ軍の反撃」など大きく5つの要素が作用していると分析した。ロシア軍は東部戦線で北・東・南側の3方向から攻撃を加えていて、今後数週間が峠になるだろうとの見通しが出ている。
(1)悪天候
27日、タイムズは「現在ドンバスに大雨が降っている」と伝えた。ロシア軍がドンバスで大きな成果を出せずにいる原因の一つが「天気」という説明だ。英国政府関係者は「ドンバスの天気はロシア軍を助けてやろうとはしていない。ロシア兵士は雨の中で戦うのが好きではない」としながら「このような点が進撃を遅らせている」と話した。また他の官僚も「ロシア軍が大雨によって進撃を止めている」と伝えた。
元英国海軍将校のクリス・パリー氏は「天気が暖かくなってドンバス地域の地面が泥に変わったうえ、雨が降ってこのような現象がさらにひどくなった。このため軍用車両の移動が容易ではない」と話した。
(2)ロシア軍の慢性的な疲労感
軍事分析家であり米国外交政策研究所上級研究員ロブ・リー氏は最近エコノミストへの寄稿文で「ロシア軍は退却したキーウ(キエフ)等の戦闘ですでに相当な人的・物的損失を受けており、ドンバス戦闘は消耗戦に直面した」とした。特に戦争経験が豊富な精鋭部隊の損失が大きい点がロシア軍の弱点として働くだろうと付け加えた。
2月24日の開戦以来、死亡したロシア兵士は約1万5000人と推算される。ある西側の官僚は「ロシア軍がイジウムの一部と東部の小さな村を占領したが、十分な能力を発揮できず戦死者数が増え続けている」と伝えた。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が来月9日の勝利宣言のために進撃を急ぐ場合、ロシア兵士数千人がさらに死亡するかもしれないという見方も出ている。
(3)西側の武器支援による力関係の変化
米海軍分析センターの上級研究員マイケル・コフマン氏は「ウクライナに対する西側の持続的な武器供与でロシアとウクライナの力関係が均衡を取り始めた」という分析を出した。西側はドンバス戦闘に備えて先を争ってウクライナに武器支援を強化した。
ロイド・オースティン国防長官は今まで米国を含む約30余カ国がウクライナに支援した軍事支援規模は50億ドル(約6兆3500億ウォン)に達し、このうち米国の支援額は37億ドル(約4兆7000億ウォン)と明らかにした。
一方、西側では今回の戦争の目標が「ウクライナの勝利」という趣旨の発言が出てきた。英国のリズ・トラス外相はこの日「ロシアをウクライナ全域から押し出すために、我々は今後もさらに遠く、速やかに進んでいく」としながら「ウクライナの勝利は我々全員にとって戦略的に重要だ」と述べた。
(4)ウクライナ軍の反撃能力と地理的利点
ウクライナ軍はロシア軍が占領した村にテントを張る時間を与えないほど優れた反撃能力を見せていると専門家たちは話した。特にウクライナ特殊部隊はロシア軍後方でかく乱作戦を行い、ウクライナ軍が戦力を増強し、追加装備を確保する時間を稼いでいる。
リー氏は「ウクライナ軍は知略と立派な指導力を備えている」とした。また、ウクライナ軍は2014年ドンバスで親露分離主義勢力に対抗して防御陣地を構築してきたのでロシア軍が攻略するのは難しいという分析もある。
(5)ロシア軍の戦術変更
NYTによると、米戦争研究所はロシア軍の東部での進撃の遅さが戦略変化のためであるかもしれないと分析した。キーウの戦いで急な侵攻を試みて失敗した経験を基に、戦闘力備蓄レベルで速度を調整しているという説明だ。英国防省はロシア軍がさらなる進撃のために空中砲撃に依存して兵力と武器を集結させているとみている。
ただし、米戦争研究所は「ロシア軍がウクライナ中心部の戦闘敗北で疲労が蓄積して志気が落ちた状態なので、任務を遂行できるかは不確かだ」と指摘した。しかし、ロシア軍が今も兵力と武器の面で優位にあり、速断するのは早いという声もある。
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