ロシア軍が18日(現地時間)、ウクライナ東部地域ドンバスに対する本格的な攻勢を開始し、戦争が「第2段階」の局面に入った。バイデン米大統領は19日、同盟・協力国とオンライン対策会議を開き、ウクライナへの追加支援とロシアに対する報復を議論した。
欧米の官僚らはドンバス戦闘について「これまで50日間以上続いた戦闘を大きく上回る大規模な攻勢が続き、限りなく死傷者が発生する長期間の消耗戦になるだろう」と予想した。また、西側がロシアに対する追加制裁をする場合、ロシアのプーチン大統領が自国内の支持基盤を失って追放される可能性が高まるという分析も出ている。
◆「安保エリートのシロビキ、クーデターの可能性低い」
海外メディアの報道を総合すると、専門家らは「プーチンは少なくとも軍と情報機関、警察出身の安保エリートのクーデターは心配しなくてもよいと信じているはず」と分析している。しかし「高位層の離脱と国民の大規模な反乱によるプーチンの失脚の可能性」はあるという見方だ。プーチン大統領のインナーサークル主導でクーデターが起き、政権が転覆してウクライナ戦争が終わるという期待については「行き過ぎた幻想」と口をそろえた。
ロシア安全保障専門家アンドレイ・ソルダトフ氏は11日、米外交専門誌フォーリンアフェアーズへの寄稿で「シロビキ(Siloviki)がプーチンに反旗を翻してクーデターを起こす可能性は非常に低い」と強調した。シロビキとは「制服を着た男たち」という意味のロシア語で、プーチン政権を支える軍部・情報機関・軍産複合体など武力部処関連の政治官僚をいう。ロシアの新興財閥オリガルヒと共にプーチンの権力を支える核心軸だ。
プーチン政権でシロビキはロシア正規軍と防衛軍、ソ連国家保安委員会(KGB)の後身の連邦保安局(FSB)を挙げることができる。しかしソルダトフ氏は「プーチンはFSBの秘密要員を軍内部に投入して内部の勢力を監視し、FSBの中でもお互い信頼できない体制を構築した」と述べた。また、アパート提供、一般人よりはるかに高い給与など「新興貴族」と呼ばれる破格的な待遇をし、反乱の動機を事前に除去した、と説明した。
ロシアのエネルギー次官を務めたミロフ氏は米CNBCのインタビューで「プーチンは内部クーデターから自身を保護するために障壁を構築した」とし「バラ色の希望を抱くべきではない」と話した。米シンクタンク「アトランティック・カウンシル」のメリンダ・ハーリング副局長も「プーチンのインナーサークルでクーデターが起きてプーチンを追い出す可能性は事実上ない」という見方を示した。
またロシアの歴史で軍隊が統治者に対抗したことはほとんどない。ロシア軍が反乱を起こした最後の事例は、1825年のデカブリスト(Decabrist、12月党員)と呼ばれる若い将校らがニコライ1世皇帝の廃位を進めた事件だ。将校らは立憲君主制と農奴解放などを主張して反乱を図ったが、事前に謀議が発覚し、当日現場で逮捕された後、ほとんどが処刑された。
◆「経済難が続けばプーチン政権は危機」
専門家らはクーデターの可能性は低いが、経済難によるプーチン政権の転覆の可能性はいつよりも高いと見なした。西側の制裁とグローバル企業の撤収でロシア経済が悪化する場合、プーチンの権力の座が揺らぐと分析した。18日、モスクワのソビャニン市長はブログに「外国企業の撤収で約20人が失職の危機を迎えた」と明らかにした。
英経済分析機関キャピタル・エコノミクス(CE)は西側の制裁とデフォルト(債務不履行)リスクなどで今年はロシア経済が沈滞する可能性が高いと診断した。ゴールドマンサックスは今年のロシア経済が10%、国際金融研究所は15%萎縮すると予想した。
米コロンビア大のティモシー・フライ教授は米ポリティコへの寄稿で「ロシア政府に対する国民の長期間の支持は経済的成果と関係がある」とし「請求書を支払えない政府は政治的不安を起こす」と述べた。
独マーシャルファンドの研究員もフォーリンアフェアーズに「ロシア経済の漸進的な悪化、孤立の増加、富を創出できない無能力が累積すれば、プーチンは大衆とエリートの支持を失うだろう」と主張した。また、歴史家ポール・ケネディの『大国の興亡』を引用し、「間違った戦争を選択した国は財政的負担から強大国の命綱である経済成長を自ら剥奪するように、ウクライナ征服の可能性が薄い状況でロシアも自らを亡ぼす可能性がある」と強調した。
◆「プーチン転覆が始まればシロビキも参加」
ロシアの世論調査機関レバダセンターによると、ロシア国民のプーチン大統領に対する支持率は83%(先月31日基準)と依然として高い。これはウクライナ侵攻前の2月初め(71%)より12ポイント高い数値であり、昨年12月(65%)と今年1月(69%)に続いて上昇中だ。
しかしフライ教授は「独裁国家でエリートと大衆は政権に真意を表さない」とし「実際に反対する政権に対して公開的には支持を表明するケースが多い」と説明した。続いて「大衆が本当に感情を表す瞬間は徐々に、そして突然到来する」と述べた。
ソルダトフ氏は経済難がシロビキを動かす可能性があると主張した。ソルダトフ氏は「シロビキは国家とプーチンの安危より自身の経済的利益を守ることに血眼になっている」とし「20年以上も自身の経済的基盤を守ってくれていたプーチンの安保体系に亀裂が生じれば、政権が崩れるよう放置したり、それを後押しすることもあるだろう」と予想した。
ユーラシアグループのヘンリー・ローマ研究員も「ロシアのエリートはプーチンが自身の経済的災難を招く危険があると確信すれば、転覆の流れに従うはず」と話した。
欧米の官僚らはドンバス戦闘について「これまで50日間以上続いた戦闘を大きく上回る大規模な攻勢が続き、限りなく死傷者が発生する長期間の消耗戦になるだろう」と予想した。また、西側がロシアに対する追加制裁をする場合、ロシアのプーチン大統領が自国内の支持基盤を失って追放される可能性が高まるという分析も出ている。
◆「安保エリートのシロビキ、クーデターの可能性低い」
海外メディアの報道を総合すると、専門家らは「プーチンは少なくとも軍と情報機関、警察出身の安保エリートのクーデターは心配しなくてもよいと信じているはず」と分析している。しかし「高位層の離脱と国民の大規模な反乱によるプーチンの失脚の可能性」はあるという見方だ。プーチン大統領のインナーサークル主導でクーデターが起き、政権が転覆してウクライナ戦争が終わるという期待については「行き過ぎた幻想」と口をそろえた。
ロシア安全保障専門家アンドレイ・ソルダトフ氏は11日、米外交専門誌フォーリンアフェアーズへの寄稿で「シロビキ(Siloviki)がプーチンに反旗を翻してクーデターを起こす可能性は非常に低い」と強調した。シロビキとは「制服を着た男たち」という意味のロシア語で、プーチン政権を支える軍部・情報機関・軍産複合体など武力部処関連の政治官僚をいう。ロシアの新興財閥オリガルヒと共にプーチンの権力を支える核心軸だ。
プーチン政権でシロビキはロシア正規軍と防衛軍、ソ連国家保安委員会(KGB)の後身の連邦保安局(FSB)を挙げることができる。しかしソルダトフ氏は「プーチンはFSBの秘密要員を軍内部に投入して内部の勢力を監視し、FSBの中でもお互い信頼できない体制を構築した」と述べた。また、アパート提供、一般人よりはるかに高い給与など「新興貴族」と呼ばれる破格的な待遇をし、反乱の動機を事前に除去した、と説明した。
ロシアのエネルギー次官を務めたミロフ氏は米CNBCのインタビューで「プーチンは内部クーデターから自身を保護するために障壁を構築した」とし「バラ色の希望を抱くべきではない」と話した。米シンクタンク「アトランティック・カウンシル」のメリンダ・ハーリング副局長も「プーチンのインナーサークルでクーデターが起きてプーチンを追い出す可能性は事実上ない」という見方を示した。
またロシアの歴史で軍隊が統治者に対抗したことはほとんどない。ロシア軍が反乱を起こした最後の事例は、1825年のデカブリスト(Decabrist、12月党員)と呼ばれる若い将校らがニコライ1世皇帝の廃位を進めた事件だ。将校らは立憲君主制と農奴解放などを主張して反乱を図ったが、事前に謀議が発覚し、当日現場で逮捕された後、ほとんどが処刑された。
◆「経済難が続けばプーチン政権は危機」
専門家らはクーデターの可能性は低いが、経済難によるプーチン政権の転覆の可能性はいつよりも高いと見なした。西側の制裁とグローバル企業の撤収でロシア経済が悪化する場合、プーチンの権力の座が揺らぐと分析した。18日、モスクワのソビャニン市長はブログに「外国企業の撤収で約20人が失職の危機を迎えた」と明らかにした。
英経済分析機関キャピタル・エコノミクス(CE)は西側の制裁とデフォルト(債務不履行)リスクなどで今年はロシア経済が沈滞する可能性が高いと診断した。ゴールドマンサックスは今年のロシア経済が10%、国際金融研究所は15%萎縮すると予想した。
米コロンビア大のティモシー・フライ教授は米ポリティコへの寄稿で「ロシア政府に対する国民の長期間の支持は経済的成果と関係がある」とし「請求書を支払えない政府は政治的不安を起こす」と述べた。
独マーシャルファンドの研究員もフォーリンアフェアーズに「ロシア経済の漸進的な悪化、孤立の増加、富を創出できない無能力が累積すれば、プーチンは大衆とエリートの支持を失うだろう」と主張した。また、歴史家ポール・ケネディの『大国の興亡』を引用し、「間違った戦争を選択した国は財政的負担から強大国の命綱である経済成長を自ら剥奪するように、ウクライナ征服の可能性が薄い状況でロシアも自らを亡ぼす可能性がある」と強調した。
◆「プーチン転覆が始まればシロビキも参加」
ロシアの世論調査機関レバダセンターによると、ロシア国民のプーチン大統領に対する支持率は83%(先月31日基準)と依然として高い。これはウクライナ侵攻前の2月初め(71%)より12ポイント高い数値であり、昨年12月(65%)と今年1月(69%)に続いて上昇中だ。
しかしフライ教授は「独裁国家でエリートと大衆は政権に真意を表さない」とし「実際に反対する政権に対して公開的には支持を表明するケースが多い」と説明した。続いて「大衆が本当に感情を表す瞬間は徐々に、そして突然到来する」と述べた。
ソルダトフ氏は経済難がシロビキを動かす可能性があると主張した。ソルダトフ氏は「シロビキは国家とプーチンの安危より自身の経済的利益を守ることに血眼になっている」とし「20年以上も自身の経済的基盤を守ってくれていたプーチンの安保体系に亀裂が生じれば、政権が崩れるよう放置したり、それを後押しすることもあるだろう」と予想した。
ユーラシアグループのヘンリー・ローマ研究員も「ロシアのエリートはプーチンが自身の経済的災難を招く危険があると確信すれば、転覆の流れに従うはず」と話した。
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