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「ロシア市民ではない」捕虜交換拒否…見捨てられた「プーチンの友人」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「彼はロシア市民ではなく外国の政治家だ」。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は13日の記者会見で、ロシアのプーチン大統領と親しいとされるウクライナの政治家ビクトル・メドベチュク氏についてこのように話した。前日の「ロシアに拘束されたウクライナの子どもたちとメドベチュク氏を交換しよう」というウクライナのゼレンスキー大統領の提案を拒否しながらだ。ペスコフ報道官は「彼は特別軍事作戦と関係なく、彼がわれわれに何を望んでいるかもわからない」とした。

◇休暇もともに…プーチン氏は娘の代父


ガーディアンは13日、「メドベチュク氏はプーチンの最も親しいウクライナの友人だったがロシア大統領府は彼の自由を保障するための取引に出なかった」と伝えた。メドベチュク氏は2014年のロシアのクリミア併合とドンバス戦争後もウクライナの親ロシア派政党「野党プラットフォーム―生活党」を率いてプーチン氏との忠実な同盟関係を20年間続けてきた。ウクライナ政界では「闇の王子」とも呼ばれる。

彼らはしかし「政治的同盟よりはるかに深い関係」とガーディアンは伝えた。2人は黒海沿岸ソチにあるプーチン氏のリゾートとクリミア半島にあるメドベチュク氏の別荘を行き来してともに休暇を過ごすほど親しかった。プーチン氏はメドベチュク氏の二女ダリアの代父だ。プーチン氏のウクライナ侵攻には「ウクライナ当局のメドベチュク氏弾圧に対する個人的な復讐心も作用した」という分析まで出ているほどだ。

ウクライナ政府は昨年2月にテロ資金調達容疑で彼を制裁したのに続き、昨年5月には反逆罪で起訴して自宅軟禁下に置いた。ロシアに軍事機密を売りクリミア半島の天然資源を搾取した容疑だ。米国も1月にメドベチュク氏と他のウクライナの政治家3人を親ロシア政府樹立を企てた容疑で制裁に出ており、ゼレンスキー大統領は3月に「野党プラットフォーム」を含む親ロシア派政党の活動を中断させた。

◇「反逆罪」での自宅軟禁にプーチン氏憤怒

ガーディアンは「プーチン氏はメドベチュク氏の逮捕と起訴に怒り、これを『政治的迫害』と見なして対応すると威嚇した」と明らかにした。メドベチュク氏はロシア侵攻3日目の2月27日に脱出したという。ロシアが彼を救出したものという推測が出ていたが、12日にウクライナ軍の軍服姿で捕まった。ゼレンスキー大統領は翌日手錠をかけた彼の姿を公開し、「軍人に偽装して脱出を試みるとはすごい戦士であり愛国者」と皮肉った。

メドベチュク氏は弁護士出身で、1997年にウクライナ国会議員に選出された。2002~2005年にクチマ大統領秘書室長を務めた。プーチン氏に初めて会ったのもこの時(2003年)だ。その後2018年に「野党プラットフォーム」議長として政界に復帰し、翌年国会議員に選出された。2016年に「プーチン氏との関係がウクライナの国益につながる」と話し、プーチン氏もやはりメドベチュク氏なくしてウクライナ問題を扱うことはできないと信じたという。プーチン氏が戦後のウクライナ指導者としてメドベチュク氏を内定していたとの分析も出ている。

彼はプーチン氏との関係を基にロシアのエネルギー事業とメディアなどに投資して財産を蓄積した。2008年にウクライナ誌「フォーカス」は彼の資産を4億6000万ドルと伝えたが、現在は数十倍に増えたと推定される。昨年の逮捕当時、自宅では彼が妻から誕生日プレゼントに贈られた超豪華客車のレプリカが見つかり、先月には彼が所有する2億ドルのヨット「ロイヤルロマンス」がクロアチアで押収された。



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