尹錫悦次期大統領が13日に韓東勲法務部長官候補を紹介している。[写真 政権引き継ぎ委員会写真記者団]
尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の誕生はこれを防いだことだけでも評価に値する。だが懸念も大きい。人事のせいだ。
人事の重要性は改めて付け加える必要はないが、新政権の最初の人選はより重要だ。国政運営の哲学を表わすだけではない。人材集団がどれだけ豊富なのか、そうした人材を選んで使う選球眼があるのか、味方でも時代と国民の目線に合わなければ果敢に捨てる検証能力や公的マインドがあるのか、ここに味方でない人でも起用して使う包容力があるのか。言い換えれば新政権の総体的実力をそのまま表わすものさしだからだ。
これまではとても失望的だ。韓悳洙(ハン・ドクス)首相候補から鄭鎬永(チョン・ホヨン)保健福祉部長官候補、李昌洋(イ・チャンヤン)産業通商資源部長官候補に至るまで、適合した人物起用はむしろさらに難しい状況だ。特に13日に発表した韓東勲(ハン・ドンフン)法務部長官候補はまた別の意味で不適切だ。側近を置いてはいけないのが大統領のポストなのに、あえて全国民が知っている側近の破格抜てきは自ら人材集団が狭く、視野は未来ではなく過去に向かっており、側近を捨てる断固さどころか側近だけ使うという我執を表わすからだ。
5年ぶりに政権を譲った文在寅政権の失敗は振り返れば最初の人事の時にすでにある程度予見された。チョ・グク青瓦台(チョンワデ、大統領府)民情首席秘書官に金尚祖(キム・サンジョ)公取委員長、法務部長官指名を辞退した安京煥(アン・ギョンファン)氏まで、参与連帯政権といえるほど狭い市民団体と386運動圏の人材プールに依存し、単にチョ・グク氏をめぐる問題だけでなく公と私を区分できず、自分側か相手側かにだけ分け、正しいかどうかという基準を無力化した不十分な公的マインドは文政権の負担になり続けた。ところが尹次期大統領のこれまでの人事はこうした文政権初期の不適切人事を思い起こさせる。
【コラム】失敗した大統領の道に進まないようにするには=韓国(2)
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