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【私は告発する】韓国政治、軍隊を口実にBTSを利用することはやめよ(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

文在寅大統領は2020年映画『パラサイト 半地下の家族』のアカデミー受賞を励ます午餐会を行った。[写真 青瓦台写真記者団]

先に強調した10年間大衆文化の地位の変化がこのような認識に決定的な役割を果たした。スマートフォンの普及でメディアの破片化傾向が強くなり、すべての有名人の「ファンダム化」傾向は逆らうことのできない大勢になった。そして、ファンダム化の必然的な結果として、お互いに相手より優位ということを証明しようとするファンたちの「ファンダム戦争」は急速に日常化した。ファンダム戦争で勝利するためには、もちろん成果をあげるのも大事だが、ファンダムの結束力を害するような弱点をつかまれないことがはるかに重要だ。ファンたちがデビュー前に学校暴力やメンバー間の不和説などを極度に恐れる理由はこのような論議がファンダム戦争で後れをとる結果につながるためだ。特定陣営の政界がある特定グループを特別優遇することも、ファンダム戦争では本当に良い攻撃のネタになりかねない。とにかく、政治的取り引きを通じて不公正な優遇を得たという口実さえあれば勝利に向けた激しい戦闘を繰り広げる戦線が形成される。ファンの立場では優遇という名前で不要な弱点のせいで足元を見られるよりはいっそ放っておけと求めるのが当然だ。

政治・社会問題に活発に声をあげる「ポリテイナー(Politainer)」に対する認識が否定的に変わったのも一つの要因だ。進歩派のポリテイナーは保守政権時期によどみない社会批判で良いイメージを形成した。陣営でない社会的常識に対する問題提起として受け止めたため。だが、多くのポリテイナーが文在寅政権になってから口を閉じ、または政権の顔色を伺う発言を繰り返したところ、「政派と関係なく社会的常識を擁護する」というポリテイナーのイメージは早くも崩れた。代わりに、芸能人もいくらでも私的な利益追求のために政派性に服務するという冷笑がまん延するようになった。このような冷笑は政治的反対派が政治と大衆文化の結託を非難できる重要な情緒的な源になった。

そこで、政治と大衆文化間の雑音は当分おさまりそうでない。世論の地形は大きく変わったが、これが理解できない政界の無知が思ったより大きい。政界では依然として芸能界のスターさえ参加させれば国民的な支持や応援を得られるだろうという甘い考えが普遍的にあるようだ。だが、現実ではいくら「良い趣旨」からといっても大衆文化を政治的に活用するという考えは大衆文化の中では傷を作るだけで、政治的にも損になるだけだ。


BTSの兵役問題が代表的だ。民主党と国民の力いずれも韓国の栄誉をより高めたBTSに兵役免除ないしは特例を与えるべきだという兵役法改正案を国会に発議した。実際に、当事者は「時が来れば入隊する」という意向を絶えず明らかにしたにもかかわらず、政界がなぜか兵役特例を先に与えると出たわけだ。BTSに兵役特例を提供すれば、ARMY(BTSのファンクラブ)をはじめとするアイドルファンダムが政治的に歓呼することでも期待したのだろうか。だが、今は過去のように「国の品格を高めた人々にそれに見合った補償をしなければならない」という国家主義的な発想が通じる時代ではない。また、芸能人自らも「国連総会や大統領就任式のような大きな行事に大統領とともに参加できる栄誉」に感服する時代でもない。政治が大衆文化に何かの特別優遇を「下賜」するという考えでアプローチした発議した兵役法改正案は、本来発議者らは全く責任を負えない状態で係留され、むしろBTSメンバーの兵役遂行を不確実で不透明にした。このため、政治が兵役という弱点を持っている大衆文化を握り揺さぶって何かを得ようとするという批判の声が上がるしかなく、また逆にエンターテインメント産業界が政界にロビーをして特別優遇を得ようとするという陰謀説も度々猛威を振るうしかない。

故金大中元大統領は歌手ソ・テジのファンクラブが「ソ・テジの引退を阻止してほしい」と請願すると、「私もソ・テジの成就に感心するが、政治が文化を思うがままにする時代ではないので支援はしても干渉はしない」という新しいパラダイムをすでに提示したことがある。だが、このように大衆文化の影響力が巨大になった時代に、果たしてどこまでが干渉でどこまでが支援なのか曖昧にならざるを得ない。だが、一つ確かなのは少なくとも政治が大衆文化の変わった地位をしっかりと理解する必要があるということだ。


【私は告発する】韓国政治、軍隊を口実にBTSを利用することはやめよ(1)

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