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金正男氏を暗殺した「致命的化学兵器」…北朝鮮が密かに使用してもハエは知る(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

2016年7月、ソウル瑞草区内谷洞の国軍化学兵器防護司令部練兵場で行われた化学兵器禁止機関(OPCW)の国際化学防護教育に参加した化学兵器禁止条約(CWC)加盟国の化学防護分野関係者が身体除毒実習の前に教育を受けている。 [中央フォト]

化学兵器は人を殺したり被害を与えるために化学物質をまいたり炸裂させたりする武器をいう。人の神経の均衡を崩す神経作用剤や皮膚がただれる水疱形成剤などが代表的な化学兵器だ。

世界193カ国が参加した化学兵器禁止条約(CWC)が1997年に発効したが、北朝鮮、エジプト、南スーダンはまだ加入していない。韓国国防部は「2020国防白書」で「北朝鮮は1980年代から化学兵器を生産し、2500-5000トンの化学兵器を保有していると推定される」と明らかにした。

このように韓半島(朝鮮半島)でも有事の際、北朝鮮が化学兵器を使用する可能性があるだけに、化学兵器イシューには無関心になれない状況だ。


最近、米インディアナ大学研究チームは「環境科学技術(Environmental Science and Technology)」国際ジャーナルに発表した論文で、「ハエを利用すれば人が試料を直接採取する危険の負担なく化学兵器使用の痕跡を確認することができる」と明らかにした。化学兵器は使用後に自然に分解されるため、適時に試料を採取できなければ使用の証拠を確保するのが難しい。

研究チームは「ハエはどこにでも存在し、周辺環境で味をみるため、試料を採取するうえで非常に優れていて、その情報は内臓に保存される」と説明した。ハエを利用して化学兵器使用の有無を探知できれば、危険な戦争地域に人が直接入ることなく、危険な化学物質に直接露出することもなく、調査が可能ということだ。

◆14日後にも化学兵器の痕跡を保つ

研究チームは都市の公園に腐ったにおいがする鶏の肝を置いてハエを集めた後、捕虫網でハエを捕まえた。

この方法でクロキンバエ(Phormia regina)、ヒロズキンバエ(Lucilia sericata)、クロバエの一種コクリオミイヤ(Cochliomyia macellaria)の3種を捕まえ、産卵させて繁殖させた。

研究チームはこれらのハエを含む5種のハエを化学兵器と似た化学物質ジメチルメチルホスホナート(DMMP)とイソプロピルメチルホスホナート(IMPA)などに4時間露出した。有機リン系の殺虫剤マラチオンなどにも同じく4時間露出した後、他の場所に移した。研究チームは露出直後から1、3、5、7、10、14日後にハエをマイナス20度に凍結させた後、死んだハエの腸にこれら化学物質の成分がどれほど残っているかを分析した。

分析の結果、時間が経過するほどハエの体内の化学物質濃度は低下したが、露出から比較的長い時間が過ぎても検出された。

研究チームは「化学兵器の成分に露出する場合、ハエも死ぬかもしれず探知するのは難しいが、化学兵器が使われた後に加水分解を通じて変形された物質はハエが吸収しても死なない」とし「化学兵器成分と共に加水分解された状態の物質まで分析すれば、化学兵器を使用したかどうかを探知できる」と強調した。

例えば、毒ガスのサリンの場合、水素イオン濃度(pH)7.4で、温度25度の条件ならIMPAで加水分解される半減期が24時間だ。実際にこの物質を使用して実験した結果、露出から14日後にもハエから検出された。


金正男氏を暗殺した「致命的化学兵器」…北朝鮮が密かに使用してもハエは知る(2)

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