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帝国の復活を狙った「エネルギー皇帝」プーチン…ロシア経済、一気に30年後退(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
◆30年後退したロシア経済、エネルギー覇権も揺らぐ

それ以上に苦痛なのは西側の経済制裁だ。国際銀行間通信協会(SWIFT)決済網の遮断、プーチンとオリガルヒ(新興財閥)の個人資産凍結などに加え、主要企業のロシア市場からの撤退でルーブル価値は暴落し、国家信用格付けは国家不渡りの一歩手前だ。16日にかろうじて乗り切ったデフォルト(債務償還不履行)危機がいつ再来するか分からない。

米経済メディアCNBCは「プーチンは旧ソ連崩壊以降、30余年間にわたって築いてきたロシアの市場経済発展を一気に崩壊させるだろう」と伝えた。国際社会の強力な制裁は少なくとも5年は継続し、その余波は数十年間続くと見通した。CNNは「グローバル企業の撤退はロシア市場開放時代の終末を意味する」とし「衝撃波が近くロシアを強打する」と伝えた。


ロシアの「エネルギー覇権」も揺らいでいる。ロシアは世界3大石油生産国であり世界最大の天然ガス輸出国だ。国家予算の40%をエネルギー輸出で稼いでいる。プーチン大統領は西側の対ロシア制裁に対する報復として原油供給を減らして「エネルギーツァー(皇帝)」としての地位を自ら崩壊させた。ドイツは20日、カタールと液化天然ガス(LNG)供給契約を締結した。英国エネルギー会社のBP、オランダのシェル、フランスのトタルエナジーズなどは今年の年末に終了するロシアとの軽油・原油供給契約を更新しないことを決めた。IHS Markit(マークイット)副会長で石油専門家のダニエル・ヤーギン氏は英国エコノミストの寄稿文を通じて「ロシアが20年以上安定したエネルギー供給者として築いてきた名声をわずか数週で崩壊させた」と語った。

◆「ロシア帝国死亡診断書にプーチンの名前書くべき」

ロシアがウクライナに対する影響力とロシア帝国復活の可能性を同時に失ったという評価もある。英国歴史学者のサイモン・シャーマ氏はフィナンシャルタイムズ(FT)のコラムで「ウクライナ人は戦争中、肉と血と涙でアイデンティティを刻印させた」とし「プーチンは完全に失敗した」と評価した。イスラエル・ヘブライ大学のユヴァル・ハラリ教授は「ロシア帝国の死亡診断書にはミハイル・ゴルバチョフではなくプーチンの名前が書かれるだろう」と話した。

米国ホワイトハウスは「ロシアがウクライナ侵攻当時に立てた3つの目標が『ウクライナ隷属』『ロシアの国力および威信向上』『西側の分裂および同盟弱化』だった」としながら「現在までのところすべて失敗している」と22日、評価した。反面、ロシアは「事前に設定した計画と目的に正確に沿う形で進んでいる」という立場だ。

ロシアは今回の戦争の目標を明示してはいないが、ウクライナのNATO(北大西洋条約機構)加入阻止が一次的であることは明らかだ。ロシアはまたウクライナと4回の休戦交渉で▼ウクライナの「中立国化」と「脱ナチス化」▼クリミア半島でのロシア主権▼ドネツク・ルハンシク(ルガンスク)人民共和国の独立認定--などを主張してきた。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はこれに対して「領土問題で1インチの譲歩もない」という立場を繰り返している。一部ではゼレンスキー大統領とプーチン大統領の間の首脳会談が戦争の「出口戦略」に挙げられているが展望は明るくない。


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