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【私は告発する】ウクライナ参戦したイ・グン元大尉に殺人罪を問うと?(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
この批判をひとつずつチェックしてみよう。イ・グンをはじめ世界から集まった2万人以上の外国人入隊志願者は全員戦争をしようとウクライナに到着した。ウクライナ政府は「ロシアの侵攻に対抗するためウクライナに入国した外国人ボランティアメンバーはウクライナ市民権を得られるだろう」と述べた。このように属性として市民権の発給を受けた外国人は「国際軍団」など別途の編成でまとめられウクライナ軍になるものとみられる。

このように法的・制度的手続きを備えれば上で言及した3種類の反論のうち最初と2番目の問題は自動で解決される。もともと韓国人でもウクライナ軍の服を着て作戦を遂行してロシア軍を射殺するならばそれは通常の交戦行為だけのことだ。

フランスには外国人で構成された「外人部隊」がある。これら外人部隊はたいていフランス国境の外側で作戦を遂行し、その過程で実際に戦闘を行ったりもする。韓国人の中にもこの外人部隊に志願入隊した人がたまにいた。フランス軍の一員として他国の人に向かって銃を向け、時には射殺したかもしれない。だがそうした理由で韓国と第三国の外交対立が発生したという話を聞いたことはない。


戦争中に敵軍を殺傷してくれば殺人罪を問わねばならないのではないかとの主張もやはり同様だ。軍人が作戦中に遂行した行為は通常的な法の枠組みの中では話せない。

分断国家という韓国の厳酷な現実があるのにこれを放っておいてあえて外国の戦争に参入するのは容認できないという主張はどうだろうか。兵役の義務を履行していない人には原則的にもっともな言葉だ。だがすでに服務を終えた人にまでそのような論理を適用するのは無理だ。韓国の男性は国の「兵役資源」である前に良心と意志を持った独立した人格体だ。本人が追求する価値のため命をかけて戦える権利を根本から否定する理由はどこにもない。

◇参戦に殺人罪を問うとは

問題は法律だ。韓国の法律は残念なことにそのような権利を認めていない。刑法第111条の私戦罪だ。これによると「外国に対し私戦した者は1年以上の有期禁固に処する」と規定している。義勇軍として外国の軍隊に入って参戦すれば外交上の問題を起こし国益を損ねる恐れがあるというのがこの条項が作られた主な理由だ。

ところがいまでも韓国人はフランス外人部隊、あるいは韓国籍を持ったまま米軍に入隊したりもする。これまでだれもそのような選択をするという理由で非難されたり、嘲弄されたり、社会的に排斥されたりしなかった。ウクライナの国際軍団をフランス外人部隊や米軍と異なる扱いをすべき理由や根拠は何か。

もう一度言うが、私は韓国人のウクライナ参戦に賛成しない。だれかが助言を求めるならば国内法を破らない別のやり方でウクライナの人たちを助けろと言う。だが自分の命をかけて戦争に飛び込んでウクライナを助けたいという人がいるならば、そのような意志を国が法で妨げるのは正しくないと考える。

小説家金英夏(キム・ヨンハ)の本の題名のように「私は私を破壊する権利がある」。もう少し正確に言えば、すべての人は自らを破壊する結果を甘受してでも本人が正しいと考えることを追求する権利がある。遠い土地、生まれて初めて見る人たちの間でその国の軍服を着て戦場に転がって命を失うこともまた同じだ。国が自国民の良心的兵役拒否まで尊重する時代に、良心的兵役遂行もやはり尊重すべきではないのか問いたい。私もわかっている。多くの人たちの呼応を受けにくい主張だ。しかし1人の自由主義者として韓国社会に小さな考えの亀裂を生み出したい。

イ・グンをはじめウクライナ軍に自ら入隊した彼らの無事帰還を祈る。

ノ・ジョンテ/作家


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