--ロシアは結局、ウクライナを侵攻したが、韓国の政界は我田引水の解釈で政争の素材にしている。ウクライナ事態からどんな教訓を得るべきか。
「冷戦が終わって世界は前に進んだ。これから戦争はなく、自由な世界秩序の中で自由貿易で繁栄を追求できると考えた。ところが過去に戻った人がいる。プーチンや北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)のような人物だ。ロシアは旧ソ連時代の強大国に戻ることを望んでいるが、他の能力はないため手段は軍事力だけだ。軍事力の時代は過ぎたと考えなければいけない。第1次世界大戦は残酷だったため二度と戦争はしないと反省もしたが、なぜ第2次世界大戦が起きたのか。世界はいつも後ろに戻り得るという点を認識しなければいけない。南北間も同じだ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領はもう南北体制競争は終わったと述べたが、金正恩に尋ねれば『誰が勝手に決めたのか』と言うだろう」
--なら、次期政権は北朝鮮政策をどうすべきか。
「太陽政策は続けなければいけない。私がいう太陽政策はイソップ童話のように相手の服を脱がせるのではなく、聖書に出てくるように人が暮らせるように支援することだ。できるだけ交流の協力はしなければいけない。しかしそれよりも重要なことがある。対話もよく、平和も重要だが、これを維持できる力がなければいけない。ウクライナの戦争への対応が十分にできていれば、プーチンは攻撃する考えを容易にはしなかっただろう。金大中政権の太陽政策の第1原則は軍事的挑発は絶対に容認できないというものだった」
--北朝鮮の核能力が太陽政策を始める当時とは比較できないほど高まったが、どう備えるのか。
「旧ソ連のシェワルナゼ外相が平壌(ピョンヤン)で金日成(キム・イルソン)主席に会い、韓国との修交を通知した。すると金日成主席は怒って『核を保有するしかない』と話した。シェワルナゼ外相は『我々は数千個の核を保有しながらも崩壊した』と述べた。この言葉に答えがある。核を保有しても滅びることがあるという点を悟らせなければいけない。いくら核で脅威を与えても、我々がその脅威に負けない、望むものを核武力で成し遂げることはできないということを気づかせることだ。核攻撃をすれば我々も被害はあるが、自分たちは必ず滅びると言うべきだ。それが相互確証破壊(MAD)ではないのか。その前提で核交渉が可能だ。政府高官は爆弾が落ちても平和を叫ぶといったが、そのような姿勢ではいけない。ノーベル平和賞の発言としてはよいかもしれないが、そのような指導者の下では国民は苦しむ」
--ハノイ会談を分析した本を出した理由は。
「最初から核問題は米国と北朝鮮が妥協すればよいという誤った前提から出発したようだが、これは大きな間違いだ。それは、金正恩の核は韓国を威嚇するのではなく、米国のために作ったという金正恩の論理に基づく。実際は我々が最も重要な当事者だ。運転者を自負するのなら、どこまでどのように導くのかという明確な計画と戦略があるべきではないのか。ハノイ会談が失敗した後、文在寅大統領がトランプに提案した。南北米3者会談をしようと言って『米国の空母ですることも可能』と話した。ところがボルトン元大統領安保補佐官が回顧録に、会おうという話ばかりで会って何をしようという話がなかったとし、『実質的な内容よりも会う形式に執着していた』と書いた。この部分を見て胸が痛んだ。政府はこれについて言葉がない。それで、まだ全体の内幕はすべて明らかになったわけではないが、私は執筆するしかなかった」
『韓国の不幸な大統領』著者が次期大統領に呈する苦言(1)
「冷戦が終わって世界は前に進んだ。これから戦争はなく、自由な世界秩序の中で自由貿易で繁栄を追求できると考えた。ところが過去に戻った人がいる。プーチンや北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)のような人物だ。ロシアは旧ソ連時代の強大国に戻ることを望んでいるが、他の能力はないため手段は軍事力だけだ。軍事力の時代は過ぎたと考えなければいけない。第1次世界大戦は残酷だったため二度と戦争はしないと反省もしたが、なぜ第2次世界大戦が起きたのか。世界はいつも後ろに戻り得るという点を認識しなければいけない。南北間も同じだ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領はもう南北体制競争は終わったと述べたが、金正恩に尋ねれば『誰が勝手に決めたのか』と言うだろう」
--なら、次期政権は北朝鮮政策をどうすべきか。
「太陽政策は続けなければいけない。私がいう太陽政策はイソップ童話のように相手の服を脱がせるのではなく、聖書に出てくるように人が暮らせるように支援することだ。できるだけ交流の協力はしなければいけない。しかしそれよりも重要なことがある。対話もよく、平和も重要だが、これを維持できる力がなければいけない。ウクライナの戦争への対応が十分にできていれば、プーチンは攻撃する考えを容易にはしなかっただろう。金大中政権の太陽政策の第1原則は軍事的挑発は絶対に容認できないというものだった」
--北朝鮮の核能力が太陽政策を始める当時とは比較できないほど高まったが、どう備えるのか。
「旧ソ連のシェワルナゼ外相が平壌(ピョンヤン)で金日成(キム・イルソン)主席に会い、韓国との修交を通知した。すると金日成主席は怒って『核を保有するしかない』と話した。シェワルナゼ外相は『我々は数千個の核を保有しながらも崩壊した』と述べた。この言葉に答えがある。核を保有しても滅びることがあるという点を悟らせなければいけない。いくら核で脅威を与えても、我々がその脅威に負けない、望むものを核武力で成し遂げることはできないということを気づかせることだ。核攻撃をすれば我々も被害はあるが、自分たちは必ず滅びると言うべきだ。それが相互確証破壊(MAD)ではないのか。その前提で核交渉が可能だ。政府高官は爆弾が落ちても平和を叫ぶといったが、そのような姿勢ではいけない。ノーベル平和賞の発言としてはよいかもしれないが、そのような指導者の下では国民は苦しむ」
--ハノイ会談を分析した本を出した理由は。
「最初から核問題は米国と北朝鮮が妥協すればよいという誤った前提から出発したようだが、これは大きな間違いだ。それは、金正恩の核は韓国を威嚇するのではなく、米国のために作ったという金正恩の論理に基づく。実際は我々が最も重要な当事者だ。運転者を自負するのなら、どこまでどのように導くのかという明確な計画と戦略があるべきではないのか。ハノイ会談が失敗した後、文在寅大統領がトランプに提案した。南北米3者会談をしようと言って『米国の空母ですることも可能』と話した。ところがボルトン元大統領安保補佐官が回顧録に、会おうという話ばかりで会って何をしようという話がなかったとし、『実質的な内容よりも会う形式に執着していた』と書いた。この部分を見て胸が痛んだ。政府はこれについて言葉がない。それで、まだ全体の内幕はすべて明らかになったわけではないが、私は執筆するしかなかった」
『韓国の不幸な大統領』著者が次期大統領に呈する苦言(1)
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