こうした中、プーチン大統領がウクライナを侵攻したことで、西側国家はまた戦列を整えることになった。ロシアに対する経済制裁に同じ声を出しながらだ。バイデン米大統領は「この戦争はプーチン大統領が選択した。ロシアの侵攻は黙過できない」と強く非難した。米政府もロシアの経済と国際競争力に打撃を与えるための措置を取った。ロシアの主要４銀行を制裁するため西側金融機関との取引を禁止し、米国内の資産を凍結することにした。それだけでない。

米政府が統制対象に決めたソフトウェアや装備を使用した先端製品のロシア輸出も禁止した。輸出制限でロシアの産業を締めつけるという狙いだ。ＥＵと英国もロシア主要銀行とロシア財閥の資産凍結および取引禁止を発表した。

しかし制裁の効果は大きくないという見方も少なくない。ＣＮＮも「現在まで発表した制裁でロシアが軍事作戦を中断する可能性はない」と評価した。ロシアの外貨準備高が６３５０億ドルにのぼるうえ、昨年の国家債務比率は１８％にすぎず、ロシア経済に深刻な打撃を与えるのは難しいという分析も出ている。このため米国政府は国際銀行間通信協会（ＳＷＩＦＴ）決済網からの排除など強力な制裁カードに触れている。西側とロシアの全面的な衝突が予告されている。
＜ウクライナ事態＞欧州は無気力、米国は隙…プーチン大統領の戦略に後手（１）