韓国政府が米国のロシア経済制裁に参加することを決定し、半導体など主要輸出企業の被害が予想される。また、エネルギー需給問題が長期化し、物価上昇が続くという懸念も提起される。
◆韓国政府「ロシア制裁に参加」
洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政部長官は25日、関係長官会議を開き、輸出統制など米国のロシア経済制裁に参加することを決定したと明らかにした。ただ、具体的な参加の程度・内容については追加の議論をする予定だ。
現在、米国が発表した輸出統制の内容は大きく3つある。まずロシア国防省を含む安保関連の取引先49件に対してすべての戦略物資輸出を制限する。また、軍事用として使用可能な電子(半導体)、コンピューター、情報通信、センサー・レーザー、航法・航空電子、海洋、航空宇宙など7分野・57品目と技術も追加で統制する。さらに特定米国産技術・ソフトウェアを活用した第3国の生産製品に対しても海外直接製品規則(FDPR=Foreign Direct Product)を適用し、ロシアに輸出する場合は米国の許可を要求する計画だ。
◆スマホ・自動車輸出に影響も
米国が発表した輸出統制方式にすべて参加する場合、半導体など一部の戦略品目は輸出に打撃を受ける見通しだ。ただ、ロシアは情報技術(IT)製品の製造国でないため、これら品目の輸入量は多くない。実際、昨年の韓国半導体のロシア輸出額は7400万ドル(885億ウォン)と、半導体輸出全体の0.06%にすぎない。
問題はスマートフォンや自動車など一部の完成品消費財の輸出制限だ。原則的に米商務省が統制リスト(CCL)に載せていない一般消費財は輸出統制に含まれない。ただ、米国が米国産技術・ソフトウェアを活用した生産製品は第3国生産でも米国産と見なして輸出を制限できるという海外直接製品規制(FDPR)を今回の経済制裁に含めた。
したがって状況によって米国の技術を使用した製品も輸出できない可能性がある。例えば、米国の半導体技術で製造されたスマートフォンや自動車も、米国政府の決定しだいでは輸出が制限されるということだ。政府関係者は「米国が中国ファーウェイ(華為)に加えた経済制裁と似ている」とし「消費財品目がどこまで制限されるかはまだグレーゾーンであり、関連の議論が進んでこそ分かる」と話した。
韓国の輸出全体でロシアが占める比率は1.5%と大きくないので、消費財品目まで輸出が制限されるとしても莫大な被害にはつながらない。ただ、被害規模が予想をやや上回る可能性はある。実際、サムスン電子は昨年、ロシアのスマートフォン市場でシェア(約30%)1位だった。乗用車と自動車部品も韓国のロシア輸出全体に占める比率が25.5%と15.1%と高い方だ。現地の生産・部品企業も打撃を受ける可能性がある。
◆エネルギーサプライチェーン問題が長期化か
エネルギーなど原材料分野は構造的なサプライチェーン問題につながる可能性が高い。ロシア-ウクライナ事態で天然ガスの供給に困難がある欧州がロシア以外の国に輸入国を多角化すれば、天然ガスの価格上昇が長期化する可能性がある。欧州域内の天然ガスの約30%はパイプラインを通じてロシアから供給されている。
天然ガスの価格が上がれば、代替エネルギー源の原油の価格にも影響を及ぼす。さらにロシア-ウクライナ事態でロシアの石油輸出が制限される場合、価格が急激に上がる可能性がある。ロシアは世界の原油の約11%を供給している。実際、エネルギー経済研究院は最近の報告書で、ロシア産石油・ガスの大規模供給中断状況が発生すれば、ドバイ原油基準で最大1バレルあたり150ドルまで価格が上昇すると予想した。
国際エネルギー価格の上昇は自動車のガソリン価格はもちろん、電気料金など公共料金にも影響を及ぼし、全般的な物価上昇を誘発する。実際、電気料金引き上げを決定する際に基準となる電力卸売価格(SMP)は22日基準で1キロワット時(kWh)あたり216.31ウォンと、関連統計を集計し始めた2001年以降3番目の高値水準となった。国内ガソリンスタンドのレギュラーガソリン平均価格も24日基準で1リットルあたり1746.20ウォン(約167円)と、昨年11月の油類税引き下げ前水準に近づいた。
韓国政府は非常タスクフォース(TF)を毎日開催し、ウクライナ事態の関連動向を点検することにした。経済制裁で被害を受ける企業を支援するために輸出信用保証を無減額延長し、保険金迅速補償および仮支給をする。また、ロシア制裁で被害が生じた輸出入企業のために必要なら最大2兆ウォン規模の緊急金融支援プログラムを用意する計画だ。エネルギー分野も輸入国を多角化し、輸入ラインを拡大する。また、国際社会の石油備蓄共同放出に参加するなど需給対応体系を稼働する方針だ。
◆韓国政府「ロシア制裁に参加」
洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政部長官は25日、関係長官会議を開き、輸出統制など米国のロシア経済制裁に参加することを決定したと明らかにした。ただ、具体的な参加の程度・内容については追加の議論をする予定だ。
現在、米国が発表した輸出統制の内容は大きく3つある。まずロシア国防省を含む安保関連の取引先49件に対してすべての戦略物資輸出を制限する。また、軍事用として使用可能な電子(半導体)、コンピューター、情報通信、センサー・レーザー、航法・航空電子、海洋、航空宇宙など7分野・57品目と技術も追加で統制する。さらに特定米国産技術・ソフトウェアを活用した第3国の生産製品に対しても海外直接製品規則(FDPR=Foreign Direct Product)を適用し、ロシアに輸出する場合は米国の許可を要求する計画だ。
◆スマホ・自動車輸出に影響も
米国が発表した輸出統制方式にすべて参加する場合、半導体など一部の戦略品目は輸出に打撃を受ける見通しだ。ただ、ロシアは情報技術(IT)製品の製造国でないため、これら品目の輸入量は多くない。実際、昨年の韓国半導体のロシア輸出額は7400万ドル(885億ウォン)と、半導体輸出全体の0.06%にすぎない。
問題はスマートフォンや自動車など一部の完成品消費財の輸出制限だ。原則的に米商務省が統制リスト(CCL)に載せていない一般消費財は輸出統制に含まれない。ただ、米国が米国産技術・ソフトウェアを活用した生産製品は第3国生産でも米国産と見なして輸出を制限できるという海外直接製品規制(FDPR)を今回の経済制裁に含めた。
したがって状況によって米国の技術を使用した製品も輸出できない可能性がある。例えば、米国の半導体技術で製造されたスマートフォンや自動車も、米国政府の決定しだいでは輸出が制限されるということだ。政府関係者は「米国が中国ファーウェイ(華為)に加えた経済制裁と似ている」とし「消費財品目がどこまで制限されるかはまだグレーゾーンであり、関連の議論が進んでこそ分かる」と話した。
韓国の輸出全体でロシアが占める比率は1.5%と大きくないので、消費財品目まで輸出が制限されるとしても莫大な被害にはつながらない。ただ、被害規模が予想をやや上回る可能性はある。実際、サムスン電子は昨年、ロシアのスマートフォン市場でシェア(約30%)1位だった。乗用車と自動車部品も韓国のロシア輸出全体に占める比率が25.5%と15.1%と高い方だ。現地の生産・部品企業も打撃を受ける可能性がある。
◆エネルギーサプライチェーン問題が長期化か
エネルギーなど原材料分野は構造的なサプライチェーン問題につながる可能性が高い。ロシア-ウクライナ事態で天然ガスの供給に困難がある欧州がロシア以外の国に輸入国を多角化すれば、天然ガスの価格上昇が長期化する可能性がある。欧州域内の天然ガスの約30%はパイプラインを通じてロシアから供給されている。
天然ガスの価格が上がれば、代替エネルギー源の原油の価格にも影響を及ぼす。さらにロシア-ウクライナ事態でロシアの石油輸出が制限される場合、価格が急激に上がる可能性がある。ロシアは世界の原油の約11%を供給している。実際、エネルギー経済研究院は最近の報告書で、ロシア産石油・ガスの大規模供給中断状況が発生すれば、ドバイ原油基準で最大1バレルあたり150ドルまで価格が上昇すると予想した。
国際エネルギー価格の上昇は自動車のガソリン価格はもちろん、電気料金など公共料金にも影響を及ぼし、全般的な物価上昇を誘発する。実際、電気料金引き上げを決定する際に基準となる電力卸売価格(SMP)は22日基準で1キロワット時(kWh)あたり216.31ウォンと、関連統計を集計し始めた2001年以降3番目の高値水準となった。国内ガソリンスタンドのレギュラーガソリン平均価格も24日基準で1リットルあたり1746.20ウォン(約167円)と、昨年11月の油類税引き下げ前水準に近づいた。
韓国政府は非常タスクフォース(TF)を毎日開催し、ウクライナ事態の関連動向を点検することにした。経済制裁で被害を受ける企業を支援するために輸出信用保証を無減額延長し、保険金迅速補償および仮支給をする。また、ロシア制裁で被害が生じた輸出入企業のために必要なら最大2兆ウォン規模の緊急金融支援プログラムを用意する計画だ。エネルギー分野も輸入国を多角化し、輸入ラインを拡大する。また、国際社会の石油備蓄共同放出に参加するなど需給対応体系を稼働する方針だ。
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