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プーチンにだけ食らわされたのではない、米国を最後まで怒らせた「ロシアの古だぬき」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

プーチン大統領

24日に予定された米ロ外相会談を米国がキャンセルした意味は大きい。外交はこれ以上ウクライナ問題の最優先の解決手段ではないと米国が判断を下したという意味だからだ。ブリンケン米国務長官は22日、「ロシアのラブロフ外相と会うことにしたのはロシアがウクライナを侵攻していない時。もう米国は侵攻が始まったとみている」と明らかにし会談の中止を宣言した。

ブリンケン長官は続けて「ロシアが外交的努力を完全に蹴ったという確実なシグナルを送ったと判断した」ということを会談キャンセルの理由と説明した。米国外交の顔でベテラン外交官であるブリンケン氏としては果敢に線を引いたとのジェスチャーだ。しかし相手は侮れない。ロシア外交の顔であるラブロフ氏は18年にわたり外相を務めている人物だ。職業が外相という形だ。ロシアのプーチン大統領は2020年に彼に「ロシア連邦英雄」の称号まで与えた。ブリンケン長官が外交のベテランならばラブロフ外相は外交の古だぬきといえるほどだ。

ラブロフ外相が今回のウクライナ問題で務める役割は明確だ。ロシアはそれなりに外交的解決策を最大限見いだそうと努力したというシグナルを送ることだ。プーチン大統領が「ウクライナはロシアの植民地だった」という要旨で激しい感情を見せた会見は22日。その前にプーチン大統領はラブロフ外相を活用して外交的解決策を探すジェスチャーをした。14日にロシア政府が公開したプーチン大統領とラブロフ外相との対話が代表的事例だ。


ロイター通信によると、この日ラブロフ外相はプーチン大統領に「まだ外交的解決策に時間をもう少しほしい」というメッセージを伝える。プーチン大統領がラブロフ外相に「(ウクライナ情勢において)ロシアの安全保障問題を(外交的)合意で解決する方法があるのか」と尋ね、これに対しラブロフ外相が出した答だ。ロシアなりに外交的努力をしたということ示そうとしたものとみることができる。

ラブロフ外相はプーチン大統領の古くからの腹心だ。モスクワ国際関係大学を卒業後に外交官となったラブロフ氏は英語とフランス語が堪能で、国際社会で早くから頭角を表わした。外相就任前には国連代表部でロシアを代弁する大使を数年間務めた。

韓半島(朝鮮半島)との縁も深い。2019年4月に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長がロシアのウラジオストクを訪問しプーチン大統領との首脳会談後にシャンパンで乾杯する時も後の席にラブロフ氏が微笑を浮かべて立っていた。6カ国協議のロシア代表としても長く活躍した。6カ国協議の北朝鮮側通訳だった崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官とも数回会った。2018年に崔氏が自身の新たな米国側カウンターパートであるビーガン北朝鮮政策特別代表が北朝鮮を訪問すると、突然ロシアに出張しラブロフ氏らと会談したりもした。ラブロフ氏は2018年のシンガポール、2019年のハノイでの2回の米朝首脳会談が決裂で終わった後の2019年11月に崔氏と会い、「すべてを一度に解決しようとする米国が問題」と北朝鮮の肩を持ったりもした。

一方、ラブロフ外相は米国との交渉決裂に対しては23日まで特別な反応を出していない。彼はこの数日間米国と敵対的関係にある国の外交トップらと会うなど、忙しいなりの動きを継続している。21日にはシリアと外相会談を開催した。これ見よがしに米国をいらだたせる動きだ。彼は同日「ウクライナが主権国家だと主張する権利があるのか疑問」と話し、翌日のプーチン大統領の会見に向けた雰囲気作りに出たりもした。ウクライナは主権国ではないので外相として関与できるところはないという、外相を20年近く務めてきた人物の論理だ。



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