ウクライナのゼレンスキー大統領が22日(現地時間)、ロシアのプーチン大統領が前日に「平和維持」名目でウクライナのドンバス地域への兵力進入を命令したことを「主権侵害」と糾弾し、西側パートナーに「確実な支援を待つ」と述べた。しかしゼレンスキー大統領が述べた西側パートナーの米国と西欧国家は、軍事介入よりも外交と貿易・金融制裁カードに言及している。
韓国から7000キロ以上も離れているが、ウクライナの戦雲は昨年の米軍のアフガニスタン撤収当時のように韓半島(朝鮮半島)の安全保障に大きな質問を投げかけている。「ジョー・バイデンの米国」が同盟と友邦を守ろうとする意志はどの程度か、韓国がウクライナのような地政学的安保危機を避けるには韓米同盟の「進化」のためにどんな協力をすべきなのかがそれだ。
1991年に修交した米国とウクライナは同盟ではない。しかし米国は「戦略的パートナーシップに関する憲章」に基づきウクライナの主権と領土保全について「揺るぎない(unwavering)」支持を数回にわたり表明してきた。しかしこうした約束が制裁まで覚悟するという冷酷な国際安保秩序の現実の中でどれほど履行されるかは未知数だ。
友好国のウクライナがロシアに侵攻されても米国が実効的に対応できなければ、同盟国の韓国が危機を迎えた場合にはどう動くだろうかという質問が出てくる。もちろん韓国はウクライナとは状況が異なる。韓米相互防衛条約は、一方が武力攻撃を受ける場合、別の一方にも自国の安全を脅かすと見なして対処する。米国はこれを「強固(ironclad)な防衛公約」と表現してきた。ウクライナ事態は米国がこうした公約をどのように実際の行動に移すのかを眺める間接的な機会になる得る。
ウクライナ事態は韓国にも新しい同盟の時代を迎える準備ができているかを見るリトマス紙となる。5月に発足する新政権に韓米同盟進化イシューが最初の課題にならざるを得ない理由だ。バイデン政権の発足後、韓国は軍事安保を越えるグローバル同盟関係に拡大しようという米国発イニシアチブに呼応する姿を見せてきた。昨年5月の韓米首脳会談の共同声明で「韓国と米国は規範に基づく国際秩序を阻害、不安定または脅かす行為に反対する」とし「我々は韓米同盟が国際的な役割を拡大することで重大な挑戦に対処できることを認識する」と宣言した。問題はその誠意だ。
◆北朝鮮と中国も米国のウクライナ事態対処に注目
韓国政府はこの日、慎重な態度を見せた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は午前、国家安全保障会議を開き、「米国と西側諸国は(ロシアに向けて)ウクライナの主権と領土に対する侵害であり国際法違反だとして強く糾弾し、制裁を準備している」と動向だけを紹介した。制裁についても「ロシアに対して強力な制裁措置を取ることになれば、我々の経済にも大きな影響を及ぼしかねない」と述べた。岸田文雄首相がこの日、「ロシアの国際法違反を強く非難する」として制裁の検討を明らかにしたのとは対照的だ。
ロシアの侵攻が現実化すれば、直ちに韓国のロシア制裁参加が問われるしかない。国立外交院のコ・ジェナム名誉教授は「ロシアは重要なエネルギー資源供給国であり、ユーラシア大陸に進出するためにも極めて重要な国」とし「米国主導の制裁に参加する場合、韓国企業の競争力低下も憂慮される」と述べた。
峨山政策研究院のコ・ミョンヒョン研究委員は「米国が推進するロシア制裁の核心は同盟を総動員した包括的な履行にあり、特に韓国と日本にかける期待が大きい」とし「今回のロシア制裁にどんな立場を見せるかが同盟を評価する基準になるかもしれない」という見方を示した。
中国と北朝鮮も米国の動きを注視している。韓国外大国際地域大学院の康ジュン栄(カン・ジュンヨン)教授は「米国が今回リーダーシップを発揮できなければ、中国としては米国が中国牽制の大きな原則として叫んできた同盟と友邦糾合が実際にはまともに作動しないと認識する可能性がある」とし「台湾問題でも言葉とは違って積極的に対応しないと見る余地がある」と分析した。
ウクライナ事態が北朝鮮に誤ったシグナルを与えることも懸念される。ウクライナの現在の危機は1994年のブダペスト覚書で核を放棄したためだと判断し、核兵器執着のさらなる根拠になる可能性があるからだ。文大統領もこの日、「ウクライナ情勢が韓半島平和プロセスの努力に否定的な影響を及ぼさないように努力すべき」と強調した。
ニューヨークタイムズは5日、「ウクライナは30年前、巨大な核兵器を放棄したことを後悔する」と題した記事で、「ソ連が崩壊した当時、ウクライナはロシアと米国の国家安全保障で数千個の核兵器を放棄した」とし「しかしプーチン大統領のようなリーダーの急浮上を予想できず、現在は核兵器を保有していた過去がむしろよかったという世論もある」と伝えた。
韓国から7000キロ以上も離れているが、ウクライナの戦雲は昨年の米軍のアフガニスタン撤収当時のように韓半島(朝鮮半島)の安全保障に大きな質問を投げかけている。「ジョー・バイデンの米国」が同盟と友邦を守ろうとする意志はどの程度か、韓国がウクライナのような地政学的安保危機を避けるには韓米同盟の「進化」のためにどんな協力をすべきなのかがそれだ。
1991年に修交した米国とウクライナは同盟ではない。しかし米国は「戦略的パートナーシップに関する憲章」に基づきウクライナの主権と領土保全について「揺るぎない(unwavering)」支持を数回にわたり表明してきた。しかしこうした約束が制裁まで覚悟するという冷酷な国際安保秩序の現実の中でどれほど履行されるかは未知数だ。
友好国のウクライナがロシアに侵攻されても米国が実効的に対応できなければ、同盟国の韓国が危機を迎えた場合にはどう動くだろうかという質問が出てくる。もちろん韓国はウクライナとは状況が異なる。韓米相互防衛条約は、一方が武力攻撃を受ける場合、別の一方にも自国の安全を脅かすと見なして対処する。米国はこれを「強固(ironclad)な防衛公約」と表現してきた。ウクライナ事態は米国がこうした公約をどのように実際の行動に移すのかを眺める間接的な機会になる得る。
ウクライナ事態は韓国にも新しい同盟の時代を迎える準備ができているかを見るリトマス紙となる。5月に発足する新政権に韓米同盟進化イシューが最初の課題にならざるを得ない理由だ。バイデン政権の発足後、韓国は軍事安保を越えるグローバル同盟関係に拡大しようという米国発イニシアチブに呼応する姿を見せてきた。昨年5月の韓米首脳会談の共同声明で「韓国と米国は規範に基づく国際秩序を阻害、不安定または脅かす行為に反対する」とし「我々は韓米同盟が国際的な役割を拡大することで重大な挑戦に対処できることを認識する」と宣言した。問題はその誠意だ。
◆北朝鮮と中国も米国のウクライナ事態対処に注目
韓国政府はこの日、慎重な態度を見せた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は午前、国家安全保障会議を開き、「米国と西側諸国は(ロシアに向けて)ウクライナの主権と領土に対する侵害であり国際法違反だとして強く糾弾し、制裁を準備している」と動向だけを紹介した。制裁についても「ロシアに対して強力な制裁措置を取ることになれば、我々の経済にも大きな影響を及ぼしかねない」と述べた。岸田文雄首相がこの日、「ロシアの国際法違反を強く非難する」として制裁の検討を明らかにしたのとは対照的だ。
ロシアの侵攻が現実化すれば、直ちに韓国のロシア制裁参加が問われるしかない。国立外交院のコ・ジェナム名誉教授は「ロシアは重要なエネルギー資源供給国であり、ユーラシア大陸に進出するためにも極めて重要な国」とし「米国主導の制裁に参加する場合、韓国企業の競争力低下も憂慮される」と述べた。
峨山政策研究院のコ・ミョンヒョン研究委員は「米国が推進するロシア制裁の核心は同盟を総動員した包括的な履行にあり、特に韓国と日本にかける期待が大きい」とし「今回のロシア制裁にどんな立場を見せるかが同盟を評価する基準になるかもしれない」という見方を示した。
中国と北朝鮮も米国の動きを注視している。韓国外大国際地域大学院の康ジュン栄(カン・ジュンヨン)教授は「米国が今回リーダーシップを発揮できなければ、中国としては米国が中国牽制の大きな原則として叫んできた同盟と友邦糾合が実際にはまともに作動しないと認識する可能性がある」とし「台湾問題でも言葉とは違って積極的に対応しないと見る余地がある」と分析した。
ウクライナ事態が北朝鮮に誤ったシグナルを与えることも懸念される。ウクライナの現在の危機は1994年のブダペスト覚書で核を放棄したためだと判断し、核兵器執着のさらなる根拠になる可能性があるからだ。文大統領もこの日、「ウクライナ情勢が韓半島平和プロセスの努力に否定的な影響を及ぼさないように努力すべき」と強調した。
ニューヨークタイムズは5日、「ウクライナは30年前、巨大な核兵器を放棄したことを後悔する」と題した記事で、「ソ連が崩壊した当時、ウクライナはロシアと米国の国家安全保障で数千個の核兵器を放棄した」とし「しかしプーチン大統領のようなリーダーの急浮上を予想できず、現在は核兵器を保有していた過去がむしろよかったという世論もある」と伝えた。
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