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「韓国大統領選挙控えてポピュリズム公約が飛び交う、日本式長期沈滞に陥りかねない」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

地上波3局合同招請の「2022大統領選候補討論」が3日午後、ソウル汝矣島(ヨイド)KBS(韓国放送公社)公開ホールで行われた。左から正義党の沈相ジョン(シム・サンジョン)候補、共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)候補、国民の力の尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補、国民の党の安哲秀(アン・チョルス)候補。 [国会写真記者団]

韓国では大統領選挙を控えた政界のポピュリズム公約で国家の蔵が揺れている。韓国経済が物価が急激に上昇し、景気は沈むスタグフレーションに陥る。10~11日に開かれている「2022経済学共同学術大会」で経済学者はこのような懸念を一様ににじませた。

ソウル大学のキム・インジュン名誉教授は10日に公開した基調演説文で「大統領選挙政局の政界の財源と公平性を考慮しない損失補償、選別と普遍同時災難支援金支給、企業間の利益共有制などポピュリズム政策が飛び交っている」とし「(ばらまき政策で負債比率が急激に上昇すれば)有事の際、国家信任度が深く疑われることになるだろう」と明らかにした。キム教授は「ポピュリズム政策が現実化すれば韓国経済は今後速いスピードで悪化するか、日本の『失われた30年』のような長期沈滞に陥りかねない」とし「未来世代のためにも政府が負債管理に対する青写真を示さなければならない」と注文した。

忠南(チュンナム)大学のヨム・ミョンベ名誉教授は文在寅(ムン・ジェイン)政府5年間の経済・財政政策を評価して「財政中毒、財政万能主義に陥っている。政府が主張する『先行投資』『優しい借金』論理は虚構」と指摘した。ヨム教授は「GDP規模を利用して補正予算の経済成長効果を計算した結果、2019年1兆9000億ウォン(約1835億円)、2020年9兆6000億ウォンに達したが、ここから赤字国債発行額を差し引いた純損益はどちらの年もマイナスだった」とし「金を借りて投資して追加で稼いだお金が追加で借りたお金より少ないという意味」と説明した。ヨム教授は「借金を増やしながら政府支出を拡大する場合、金利上昇とインフレ圧力が高まって経済成長を阻害し、国民の苦痛を加重するいわゆる『借金の復しゅう』現象が本格化する可能性もある」と話した。


延世(ヨンセ)大学のハム・ジュノ教授によると、政府負債に民間負債を加えると(マクロレバレッジ)その規模は最近GDPの254%まで拡大した。ハム教授は「潜在的に不健全化の可能性がある民間負債規模は民間負債全体に対して約20%、GDPに対しては40%規模に達し、金融部門の不動産エクスポージャー(危険露出額)はGDPに対して120%まで増加した」とし「これに伴い、不動産景気鈍化時、住宅価格および負債調整にともなう金融不安定の危険が高まった」と診断した。

新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)対応などのためにこれまで金融緩和を進めてきたことを受けて、趨勢的な物価上昇率は韓銀の物価目標値である2%を超えた。高麗(コリョ)大学のオ・ユンジョン教授は「昨年10-12月期の消費者物価指数に基づいたインフレーションは3.48%で、趨勢インフレーションは2.4%と推定される」と診断した。

これに伴い、失業率と物価が同時に上昇し、景気が沈滞局面に入る「スタグフレーション」を警告する声も出てきた。ソウル大学のチャン・ヨンソン教授は「物価と失業率が反対に動く伝統的な相反関係が弱まり、短期『フィリップス曲線』(失業率が高ければ賃金上昇率は低いという反比例関係)も統計的に有意ではない」とした。「インフレ→賃金上昇→雇用減少・製品値上昇→インフレ」という悪循環が現れる可能性があるということだ。チャン教授は「インフレが帰還してフィリップス曲線の逆転現象が持続する場合、スタグフレーションの可能性がある」とした。

成長率を回復するための方案として、西江(ソガン)大学のチョン・ヒョンベ教授は「短期的には落ちた主力製造業の生産性を回復し、サービス業生産性を高める政策を併行しなければならない」と助言した。



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