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世界を魅了させた韓国コンテンツ「物足りない好況」…ネットフリックスが収益・人材を「暴風吸入」(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

ネットフリックス

昨年『イカゲーム』と『地獄が呼んでいる』、今年『今、私たちの学校は...』。グローバルOTTネットフリックスを強打した「コリアンメイド」ドラマだ。ネットフリックスが制作費を全額支援したオリジナルドラマで、全世界で「K映像」の価値を高めた。課題も残した。収益の一人占めが問題だ。ネットフリックスなどが制作費を十分に支給するというが、興行で収益が急増しても韓国制作会社に対する「インセンティブ」はないといえる。業界ではIP(Intellectual Property・知識財産権)を海外OTTに譲り渡す契約自体も問題だと指摘する。昨年、この問題は国会国政監査にも飛び火しした。国会文化体育観光委員会のイム・オギョン議員は「『イカゲーム』に200億ウォン(約19億円)を支援したネットフリックスは3週間で時価総額が28兆ウォン増えた」と指摘した。

Kドラマの成功は歓迎することだ。だが、収益一人占めをめぐる論議やIPを譲り渡す契約は考えるべき問題だ。望ましい市場秩序は何だろうか。現場の声に耳を傾けてみた。

昨年末、緑ヘビメディアやキム・ジョンハクプロダクションなどドラマ制作会社9社は「クリエーターアライアンス」を結成した。資金と制作人材などを共有してネットフリックスのドラマに対抗する高品質のコンテンツを作るためだ。彼らは「一つの私的なネットワークを作り、IPを保有するように努める」とした。IPはあるコンテンツを他のジャンルに変形したり、付加事業を展開したりすることができる権利だ。魅力的なドラマを作ってネットフリックスとは放映権のみ契約し、収益一人占めを防ぐだけでなく、ドラマから派生した第2・3次コンテンツの知的財産権を確保するということだ。『イカゲーム』成功の学習効果だ。


ネットフリックスドラマは増えるものとみられる。2016年韓国に上陸した以降、今まで映画・ドラマ31編の制作を支援した。2017年ポン・ジュノ監督の映画『オクジャ/okja』、2019年ドラマ『キングダム』、昨年ドラマ『静かなる海』などだ。ブルームバーグによると、今までネットフリックスの韓国ドラマへの投資総額は10億ドル(約1155億円)だ。昨年には5500億ウォンだ。米国の他に、最も多い金額を投資した市場が韓国だ。ネットフリックス韓国事業の損益計算書は分かりにくい。ネットフリックスは具体的な契約内容については明らかにしない。

ネットフリックスの韓国コンテンツを総括するカン・ドンハンVP(Vice President)は先月「昨年15編を作り、今年25編を作る」と明らかにした。韓国制作会社に適正な追加収益と著作権を保障する問題に対して「毎日悩んでいる」とした。ネットフリックス事務室の外にはドラマプロデューサーが列を並ぶような状況だ。制作費が多くかかるためだ。

ネットフリックス発「収益の実り」は広がっている。映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』、ドラマ『地獄が呼んでいる』を作ったヨン・サンホ監督は「(ネットフリックスのおかげで)制作環境は確かにますます良くなっている。ドラマ予算もネットフリックスが大きく引き上げておいた」といった。2016年16話で構成されたドラマ『太陽の末裔』は一編当たり制作費が7億5000万ウォン程度だった。全体9話からなる『イカゲーム』は1編当たり20億ウォンを超える。法務法人「セジョン」のイム・サンヒョク弁護士(韓国著作権委員会副委員長)は「表現の自由の側面で柔軟なドラマを作ることもでき、国内監督・俳優の海外知名度を高めるのもメリット」といった。


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