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<北京五輪>人工降雪機300基を動員…初の100%人工雪五輪に選手たちが「心配」する訳は

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

2022年北京冬季五輪のマスコット「氷(ビン)ドゥンドゥン」(左)とパラリンピックのマスコット「雪容融(シュエロンロン)」。

来月4日に開幕する北京冬季オリンピック(五輪)では「本物の雪」を見ることはできない見通しだ。北京五輪は100%人工雪を使用する最初の冬季五輪になるだろうとロイター通信が26日(現地時間)、伝えた。

ロイターは英国ラフバラー大学スポーツ生態学グループと「Protect Our Winters」キャンペーングループが共同作成した報告書を引用し、「今回の五輪は降水量不足と雪を維持するには暖かすぎる気温によって、冬季五輪としては初めてほぼ全面的に人工雪に頼ることになる」と展望した。

最近の気候変化で冬にも関わらず気温が上昇し、積雪量が多くない年が増えた。歴代冬季五輪開催地の2月の平均気温は1920~50年代は摂氏0.4度から1960~90年代には3.1度、21世紀に入ってからは7.8度へと急激に高まった。


2010年バンクーバー大会時には雪が溶けてしまった関係で急きょ他地域から雪を運び込んで急場をしのいだほか、2014年ソチ大会では温暖な日が続いたことからソチ近隣に降った雪をすべてかき集めた後て光を反射させる防水シートで覆って保護した。

最近の冬季五輪では人工雪を使う割合が増えてきたブルームバーグ通信は「2014年ソチ大会では人工雪を8割ほど使ったほか、2018年平昌(ピョンチャン)大会では人工雪の割合が9割まで上昇した」と伝えた。

今回五輪が開かれる北京と張家口地域はこれまでの開催地と比べて降水量が足りない。ブルームバーグによると、北京と張家口地域は過去40年間の冬の平均降水量が7.9ミリにすぎなかった。代表的なスキー観光地であるスイス・ダボスの12月降水量は北京地域の9倍になる。

北京五輪組織委員会は今回の大会期間中に競技場のスキースロープを人工雪で覆うために100基を越える人工造雪機と300基以上の人工降雪機を配置した。五輪期間中、雪に覆われたスキー場を作るためには大量の水が必要だ。組織委は200万立方メートルの水が必要だと推定している。これは五輪規格のプール800個分に相当する量だ。

組織委は「張家口の宗礼地域で消費される水の10%が雪を作るために使われる。スマート造雪システムを開発して従来の方式に比べて20%少ない水量で人工雪を作ることができる」と説明した。しかし、香港環境団体「チャイナ・ウォーターリスク」は「最近、張家口地域の住民たちの半分以上が水不足でストレスを受けている」と伝えた。

人工雪は環境汚染の原因になる場合もある。ラフバラー大学など研究グループは「溶解速度を最大限遅らせるために化学物質や生物学的添加剤を使用するが、このような雪は溶けて水に戻る際に環境を悪化させる場合がある」と懸念した。

100%人工雪は選手たちにとっても良くない。非常に硬いため転倒したときにケガをするリスクが増すためだ。2002年ソルトレークシティー大会フリースタイルスキーに出場したローラ・ドナルドソン氏は「人工雪でパイプ形のスロープを作れば壁と地面がとても硬い氷になってケガの危険があり、最悪の場合は死亡する場合もある」と警告した。



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