寝て起きれば新しい大統領選挙公約があふれる。きのう1日だけでもソウルに住宅48万戸が生じ(「共に民主党」李在明候補)、女性が育児休職と在宅勤務を並行するという(「国民の力」尹錫悦候補)。
2人の有力候補が連日幻想的な贈り物の風呂敷包みをほどくのに感興はない。彼らの話を信じる人は特に見られない。50兆ウォンを放出して全国が金の嵐を迎える様相だ。脱毛の悩みは健康保険が解決し、兵士の月給は200万ウォンに上がる。お金を湯水のごとく使えば租税負担が大きくならないか心配になるが、総合不動産税と譲渡所得税をはじめとする各種税金はむしろ減る。莫大な費用がどこから湧き出るのか不思議だ。
◇寝て起きればあふれるばらまき公約
空からお金が降ってくるような公約は縮地法を使って空中浮遊をするという国家革命党の許京寧(ホ・ギョンヨン)候補の創作物だ。だが今回の大統領選挙では許候補が小さく見えるほどだ。常識の枠組みの中で全力を振り絞る正義党の沈相ジョン(シム・サンジョン)
候補と国民の党の安哲秀(アン・チョルス)候補の公約がつまらないものに見える。
2人の有力候補の言葉の信頼は地に落ちた。彼らが所属する政党ですら耳を傾けない雰囲気だ。大庄洞問題疑惑に対する特検捜査が一例だ。李候補が「強力に特検を要求する」として立ち上がり、尹候補が調子を合わせてすぐにでも特検が行われるようだったが、与野党ともにとぼけている。検察と高位公職者犯罪捜査処捜査に対する不信が極に達しているのに言葉ばかりだ。
◇ばらまき政策乱発で信頼失う
国の指導者の発言の価値が落ちたのは、これまでの大統領選挙をやってきた元大統領の責任も大きい。盧武鉉(ノ・ムヒョン)、李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)元大統領の就任の辞を見ると、任期5年の間に実践しようとするさまざまな約束が目に付く。盧元大統領は就任時の約束を履行しようと努力したと評価できる。「北東アジア時代の中心国として雄飛する機会」というなど方向性をめぐる異論はあるが、国民にした話を守ろうとしたという真正性は認められる。
経済大統領を自認した李元大統領は成長と雇用を強調した。しかし年7%成長で10年以内に国民所得4万ドルを達成し世界7位になるという「747公約」は初年度から外れた。彼は「公務員数を徐々に減らす」と公言して任期序盤に縮小を断行したが徐々に増やし始め、退任するころには1万人以上増加した。
朴前大統領の就任の辞で前任者と差別化した部分は「国民の生命と安全を守る」という意志を繰り返したところだ。しかし任期中に過去最悪の惨事であるセウォル号事故が発生した。船舶の安全を確保できなかった部分も過ちだが救助過程で明らかになった関連当局の無能と無責任は国民を憤怒させた。海洋警察解体を発表しておきながら時期が遅れ当時のキム・ソクキュン海洋警察庁長は7カ月間席を守って長寿庁長の隊列に上り退任式まで挙行した。大統領の言葉はこうした過程を経て価値が失われた。
◇元大統領・現大統領の責任も小さくない
21日に曹渓寺(チョゲサ)大雄殿前で開かれた曹渓宗全国僧侶大会で総務院長のウォンヘン僧侶は文在寅政権の宗教偏向を主張し、「機会は不公平で、過程も不公正で、結果も正しくなかった」と話した。主要宗教指導者が大統領の就任の辞をパロディにする国は一度も経験したことがなかった。
任期が4カ月も残っていない時点で文大統領の就任の辞を振り返ると最初の部分からひっかかる。
「いま私の頭は統合と共存の新しい社会を開いていく青写真でぎっしり埋まっています」。
保守政権の2人の元大統領は文大統領の任期中に監獄と病院を行き来して過ごした。与党所属である呉巨敦(オ・ゴドン)前市長のセクハラで行うことになった昨年4月の釜山(プサン)市長補欠選挙を40日余り控えて船に乗り加徳島(カドクト)空港予定地を視察して選挙介入議論を触発した。
3日の最後の新年の辞では「敵対と憎悪と分裂ではなく国民の希望を盛り込んだ統合の選挙になってほしい」と話した。だがチョ・ヘジュ選管委常任委員の辞表差し戻し問題で選挙中立の意志を疑わせた。
就任の辞だけで見れば文大統領は初心から最も遠ざかった指導者だ。いま大統領候補が罪悪感もなく即興公約を乱発する背景に、約束は守らないでもそれまでという誤った先例がないだろうか。
まだ時間はある。過去の大統領選挙は12月に行われ、退任する大統領は新しい大統領が考えを繰り広げられるよう無理な人事を控えた。文大統領は人事シーズンが過ぎた3月に次期大統領が選ばれる初の事例だ。新大統領にあちこち凝り固まった国を譲り渡すのか新しい政策を力強く押し進める空間を十分に確保するのかの先例を残すことになる。いまからでも4年8カ月間守れなかった約束リストを出して最後に誠意を尽くすならば大統領公約の価値が墜落するのを少しでも防ぐことができないだろうか。
カン・ジュアン/論説委員
2人の有力候補が連日幻想的な贈り物の風呂敷包みをほどくのに感興はない。彼らの話を信じる人は特に見られない。50兆ウォンを放出して全国が金の嵐を迎える様相だ。脱毛の悩みは健康保険が解決し、兵士の月給は200万ウォンに上がる。お金を湯水のごとく使えば租税負担が大きくならないか心配になるが、総合不動産税と譲渡所得税をはじめとする各種税金はむしろ減る。莫大な費用がどこから湧き出るのか不思議だ。
◇寝て起きればあふれるばらまき公約
空からお金が降ってくるような公約は縮地法を使って空中浮遊をするという国家革命党の許京寧(ホ・ギョンヨン)候補の創作物だ。だが今回の大統領選挙では許候補が小さく見えるほどだ。常識の枠組みの中で全力を振り絞る正義党の沈相ジョン(シム・サンジョン)
候補と国民の党の安哲秀(アン・チョルス)候補の公約がつまらないものに見える。
2人の有力候補の言葉の信頼は地に落ちた。彼らが所属する政党ですら耳を傾けない雰囲気だ。大庄洞問題疑惑に対する特検捜査が一例だ。李候補が「強力に特検を要求する」として立ち上がり、尹候補が調子を合わせてすぐにでも特検が行われるようだったが、与野党ともにとぼけている。検察と高位公職者犯罪捜査処捜査に対する不信が極に達しているのに言葉ばかりだ。
◇ばらまき政策乱発で信頼失う
国の指導者の発言の価値が落ちたのは、これまでの大統領選挙をやってきた元大統領の責任も大きい。盧武鉉(ノ・ムヒョン)、李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)元大統領の就任の辞を見ると、任期5年の間に実践しようとするさまざまな約束が目に付く。盧元大統領は就任時の約束を履行しようと努力したと評価できる。「北東アジア時代の中心国として雄飛する機会」というなど方向性をめぐる異論はあるが、国民にした話を守ろうとしたという真正性は認められる。
経済大統領を自認した李元大統領は成長と雇用を強調した。しかし年7%成長で10年以内に国民所得4万ドルを達成し世界7位になるという「747公約」は初年度から外れた。彼は「公務員数を徐々に減らす」と公言して任期序盤に縮小を断行したが徐々に増やし始め、退任するころには1万人以上増加した。
朴前大統領の就任の辞で前任者と差別化した部分は「国民の生命と安全を守る」という意志を繰り返したところだ。しかし任期中に過去最悪の惨事であるセウォル号事故が発生した。船舶の安全を確保できなかった部分も過ちだが救助過程で明らかになった関連当局の無能と無責任は国民を憤怒させた。海洋警察解体を発表しておきながら時期が遅れ当時のキム・ソクキュン海洋警察庁長は7カ月間席を守って長寿庁長の隊列に上り退任式まで挙行した。大統領の言葉はこうした過程を経て価値が失われた。
◇元大統領・現大統領の責任も小さくない
21日に曹渓寺(チョゲサ)大雄殿前で開かれた曹渓宗全国僧侶大会で総務院長のウォンヘン僧侶は文在寅政権の宗教偏向を主張し、「機会は不公平で、過程も不公正で、結果も正しくなかった」と話した。主要宗教指導者が大統領の就任の辞をパロディにする国は一度も経験したことがなかった。
任期が4カ月も残っていない時点で文大統領の就任の辞を振り返ると最初の部分からひっかかる。
「いま私の頭は統合と共存の新しい社会を開いていく青写真でぎっしり埋まっています」。
保守政権の2人の元大統領は文大統領の任期中に監獄と病院を行き来して過ごした。与党所属である呉巨敦(オ・ゴドン)前市長のセクハラで行うことになった昨年4月の釜山(プサン)市長補欠選挙を40日余り控えて船に乗り加徳島(カドクト)空港予定地を視察して選挙介入議論を触発した。
3日の最後の新年の辞では「敵対と憎悪と分裂ではなく国民の希望を盛り込んだ統合の選挙になってほしい」と話した。だがチョ・ヘジュ選管委常任委員の辞表差し戻し問題で選挙中立の意志を疑わせた。
就任の辞だけで見れば文大統領は初心から最も遠ざかった指導者だ。いま大統領候補が罪悪感もなく即興公約を乱発する背景に、約束は守らないでもそれまでという誤った先例がないだろうか。
まだ時間はある。過去の大統領選挙は12月に行われ、退任する大統領は新しい大統領が考えを繰り広げられるよう無理な人事を控えた。文大統領は人事シーズンが過ぎた3月に次期大統領が選ばれる初の事例だ。新大統領にあちこち凝り固まった国を譲り渡すのか新しい政策を力強く押し進める空間を十分に確保するのかの先例を残すことになる。いまからでも4年8カ月間守れなかった約束リストを出して最後に誠意を尽くすならば大統領公約の価値が墜落するのを少しでも防ぐことができないだろうか。
カン・ジュアン/論説委員
この記事を読んで…