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【コラム】「KAIST50周年ロケット」が失敗した理由3つ=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

科学ロケット「ブルーホエール0.1が先月29日、済州(チェジュ)海岸で打ち上げを控えている。[写真 KAIST(韓国科学技術院)]

暮れも押し迫る先月29日午前、済州島(チェジュド)最西端の翰京面龍水里(ハンギョンミョン・ヨンスリ)の海岸に秒速11メートルを超える強い風が吹きつけていた。小さな防波堤の中で小さな養殖場を営んでいる漁村に外地の人々が殺到した。麺料理店の店先に縦7メートル横4メートルの液晶表示装置(LED)を背景にした舞台が設置され、灰色のプラスチック椅子30脚余りが用意された。「KAIST(韓国科学技術院)開校50周年記念民間科学ロケット試験打ち上げ行事」が始まった。KAIST航空宇宙工学科4年生のシン・ドンユン(25)さんが創業した宇宙ロケットスタートアップ「ペリジーエアロスペース(Perigee Aerospace)」とKAISTが共同で製作した科学ロケット「ブルーホエール0.1」を打ち上げる日だ。

行事の進行を担当した司会者の紹介に合わせて済州道知事代行と道議会議長が祝辞を述べた。午前11時53分。議長に続きKAIST副総長の祝辞が予定されていたが、司会者が行事進行を中断してカウントダウンに入った。「5・4・3・2・1、発射」。行事場所から300メートル余り離れたビーチの幅3メートルの防波堤に用意された発射場から、全長3.2メートル、直径19センチ、重さ51キロの小型液体ロケットがふわりと浮いた。防波堤(発射場)から100メートル離れた海女待合室に臨時で用意された統制室ではペリジーエアロスペースの研究員5人がモニターでロケットの軌跡を追い始めた。

「わぁ~」。行事に出席した人々の歓声も束の間だった。20メートルほど打ち上げられたロケットが突然90度曲がると、水面と平行に1キロほどふらつきながら飛んで海に落ちた。飛行時間はたったの5秒。打ち上げ失敗だった。当初ブルーホエール0.1は少なくとも5キロメートル上空まで打ち上がる予定だった。


◆当初から失敗の可能性高かった試験打ち上げ

シン・ドンユン代表は淡々とした表情で舞台に上がり、「今日のロケット打ち上げは予想した通り飛行できなかった。打ち上げの瞬間に突然突風が吹き、ロケットが風が吹く方向に傾いてルートを離脱した。内蔵されていた自動飛行終端システムがエンジンを停止させて海に着水させた」と話した。

なぜ宇宙ロケットを開発するという企業が旅客機の高度より低く飛行する科学ロケット一つもまともに打ち上げることができなかったのだろうか。事実、この日の打ち上げは最悪の条件の中で進められた。当初から失敗する可能性が高かったということだ。

1つ目は風とVIP。済州気象庁によると、12月29日龍水里一帯の一日の平均風速は秒速12.5メートルで、済州島の12月平均風速(秒速4.6メートル)よりもはるかに強かった。先月29日の龍水里は風の多い済州でも格別に風が強かった日だった。ペリジーエアロスペース側は前日、「風が強いので打ち上げを延期するかもしれない」と心配した。

だが、KAIST50周年行事の一環であるうえ、済州島やKAISTの高位関係者まで出席しているため、打ち上げの延期は難しかったというのがペリジーエアロスペース側の説明だった。


【コラム】「KAIST50周年ロケット」が失敗した理由3つ=韓国(2)

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