◆米国、中産層雇用創出も急務
バイデン大統領には中国と第2段階交渉に臨む考えがない。また、植物化した世界貿易機関(WTO)多国間体制を復元して中国の構造的・形態的問題を扱う考えもない。そうするにはバイデン大統領に与えられた時間があまりにも短い。トランプ前大統領は始終一貫して米国のパワーに依存しながら米国単独で中国に圧力を加えることに熱中したが、バイデン大統領は価値同盟を旗を掲げて反中国連合戦線を構成しようとする。反中国連合が中国を交渉の場に引き込むための戦略かもしれないが、中国はこうした方式の協議に応じる名分を探せないだろう。
執権初年度に半導体・バッテリーなど核心素材の中国依存的グローバルサプライチェーンの再編に着手したバイデン大統領だ。執権2年目には米国中心のサプライチェーンに参加する連合国家を物色し、連携を本格化する構想だ。欧州連合(EU)と連携する貿易技術委員会(TTC)、インド太平洋経済協議体が具体化する見通しだ。米国議会から交渉権限を受けなければならず、交渉妥結後に議会表決手続きを踏まなければならない従来の交渉方式では、デジタル覇権競争とコロナパンデミック(大流行)が同時に進行する状況で中国を十分に牽制できないというのがバイデン大統領の判断だ。
EUおよびインド太平洋同盟国と半導体・バッテリーなど戦略品目サプライチェーンを構築する時、中国を排除する中国包囲戦略だけでは足りない。米国の自国力量強化はバイデン大統領がさらに注力している分野だ。「BBB(Build Back Better)」と命名された米国のインフラ・人的資産に対する投資拡大構想がそれだ。「米国をさらに強く建設する」と解釈されるBBBは、米国の革新力強化と中産層の雇用創出を同時に狙ったバイデン大統領の会心のカードだ。
2022年に米国と中国は共に重要な国内政治日程を控えている。中国は秋に習近平主席の3期目を決める。11月には米国議会選挙(中間選挙)がある。下院全体と上院の3分の1が選出対象だ。中間選挙の結果とは関係なく中国に対する米国の圧力は続くだろう。
◆揺れるグローバル化時代、韓国の選択は?
冷戦終息後30年間続いた「国境のないグローバル化」が揺らいでいる。基礎技術開発-核心素材-組立の全過程にわたりコスト最小化の原理が支配するグローバルサプライチェーンに亀裂が生じている。いわゆる覇権競争時代だ。経済運営で効率性が至高至善の時代から安定性がさらに重要な時代に移っている。
コロナパンデミックで最も重要な点に浮上したのは、主権国家が統制可能領域内に生産基盤を確保することだ。体制が異なる国が技術-安保の結びつきが強い品目のグローバルサプライチェーンを共有した時代に終焉を告げている。その分裂の断層線上に韓国が立っている。
経済学の教科書を新しく書き直すほどの状況だ。効率性だけが経済運営の究極的な基準だった脱冷戦時代の観念と経験では、米中新冷戦時代に生存と繁栄を模索することはできない。効率性の論理に基づいて世界に展開された核心部品のサプライチェーン再編を先送りできると考えれば錯覚だ。効率性から安全性に経済運営のパラダイムが変化し、国家の政策力量と想像力が試されることになった。
外生的な衝撃は避けられないが、どれほど早く回復できるかは国家の実力にかかっている。明確な混沌の時代に協力と共存を叫ぶのは、衝撃は来ないと信じるように愚かだ。年末に見た映画『ドント・ルック・アップ(Don’t Look Up)』のぞっとする結末は映画でのみ存在することを希望する。
チェ・ビョンイル/韓国高等教育財団事務総長
【コラム】米国、EU・インドなどと連携で中国への圧力加速(1)
バイデン大統領には中国と第2段階交渉に臨む考えがない。また、植物化した世界貿易機関(WTO)多国間体制を復元して中国の構造的・形態的問題を扱う考えもない。そうするにはバイデン大統領に与えられた時間があまりにも短い。トランプ前大統領は始終一貫して米国のパワーに依存しながら米国単独で中国に圧力を加えることに熱中したが、バイデン大統領は価値同盟を旗を掲げて反中国連合戦線を構成しようとする。反中国連合が中国を交渉の場に引き込むための戦略かもしれないが、中国はこうした方式の協議に応じる名分を探せないだろう。
執権初年度に半導体・バッテリーなど核心素材の中国依存的グローバルサプライチェーンの再編に着手したバイデン大統領だ。執権2年目には米国中心のサプライチェーンに参加する連合国家を物色し、連携を本格化する構想だ。欧州連合(EU)と連携する貿易技術委員会(TTC)、インド太平洋経済協議体が具体化する見通しだ。米国議会から交渉権限を受けなければならず、交渉妥結後に議会表決手続きを踏まなければならない従来の交渉方式では、デジタル覇権競争とコロナパンデミック(大流行)が同時に進行する状況で中国を十分に牽制できないというのがバイデン大統領の判断だ。
EUおよびインド太平洋同盟国と半導体・バッテリーなど戦略品目サプライチェーンを構築する時、中国を排除する中国包囲戦略だけでは足りない。米国の自国力量強化はバイデン大統領がさらに注力している分野だ。「BBB(Build Back Better)」と命名された米国のインフラ・人的資産に対する投資拡大構想がそれだ。「米国をさらに強く建設する」と解釈されるBBBは、米国の革新力強化と中産層の雇用創出を同時に狙ったバイデン大統領の会心のカードだ。
2022年に米国と中国は共に重要な国内政治日程を控えている。中国は秋に習近平主席の3期目を決める。11月には米国議会選挙(中間選挙)がある。下院全体と上院の3分の1が選出対象だ。中間選挙の結果とは関係なく中国に対する米国の圧力は続くだろう。
◆揺れるグローバル化時代、韓国の選択は?
冷戦終息後30年間続いた「国境のないグローバル化」が揺らいでいる。基礎技術開発-核心素材-組立の全過程にわたりコスト最小化の原理が支配するグローバルサプライチェーンに亀裂が生じている。いわゆる覇権競争時代だ。経済運営で効率性が至高至善の時代から安定性がさらに重要な時代に移っている。
コロナパンデミックで最も重要な点に浮上したのは、主権国家が統制可能領域内に生産基盤を確保することだ。体制が異なる国が技術-安保の結びつきが強い品目のグローバルサプライチェーンを共有した時代に終焉を告げている。その分裂の断層線上に韓国が立っている。
経済学の教科書を新しく書き直すほどの状況だ。効率性だけが経済運営の究極的な基準だった脱冷戦時代の観念と経験では、米中新冷戦時代に生存と繁栄を模索することはできない。効率性の論理に基づいて世界に展開された核心部品のサプライチェーン再編を先送りできると考えれば錯覚だ。効率性から安全性に経済運営のパラダイムが変化し、国家の政策力量と想像力が試されることになった。
外生的な衝撃は避けられないが、どれほど早く回復できるかは国家の実力にかかっている。明確な混沌の時代に協力と共存を叫ぶのは、衝撃は来ないと信じるように愚かだ。年末に見た映画『ドント・ルック・アップ(Don’t Look Up)』のぞっとする結末は映画でのみ存在することを希望する。
チェ・ビョンイル/韓国高等教育財団事務総長
【コラム】米国、EU・インドなどと連携で中国への圧力加速(1)
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