双竜自動車とエジソンモーターズが１０日に買収本契約を締結した。昨年１１月にエジソンモーターズが優先交渉対象者に選ばれ了解覚書を締結してから２カ月ぶりだ。契約まで曲折が多かったが最終買収までも難航が予想される。

エジソンモーターズのカン・ヨングォン代表は「買収代金（３０４８億ウォン）の１０％に当たる３０５億ウォンのうち了解覚書締結時に１５５億ウォンを納付しており、きょう残りの１５０億ウォンを納入した。契約金と別個に緊急な双竜自動車運営資金５００億ウォンも追加納入するだろう」と話した。残金２７４３億ウォンは３月の再建計画案提出後に払う。

本契約は締結したがエジソンモーターズが双竜自動車を最終的に手中に収めるためには今後さらに「大きな山」を越えなければならないというのが業界の大半の意見だ。双竜自動車とエジソンモーターズは３月１日までに再建計画案をソウル破産裁判所に提出しなければならず、産業銀行など債権団の３分の２以上の同意を受けなければならない。


現時点では債権団の同意を得ることが最も難しそうだ。エジソンモーターズは再建計画案で双竜自動車の債務弁済に向けた具体的な資金調達計画と会社正常化に向けた妥当な事業計画案を提示しなければならない。だがエジソンモーターズの資金調達案と未来事業計画をめぐり市場の疑問は大きい状況だ。

昨年９月末基準で双竜自動車の流動負債は１兆３０００億ウォンに達する。自動車業界ではエジソンモーターズが買収代金を含め１兆～１兆６０００億ウォンを確保しなければならないとみている。

だがエジソンモーターズは買収代金調達から難航していた。投資家として乗り出したキーストーンプライベートエクイティ（ＰＥ）が投資を撤回してだ。残りの投資家であるファンドのＫＣＧＩがキーストーンＰＥの穴を埋めることにしてどうにか収拾した。

エジソンモーターズとＫＣＧＩによると、今後は有償増資、海外投資家誘致、双竜自動車平沢（ピョンテク）工場敷地を担保にした借入などを通じて残り１兆ウォン以上の資金を調達する計画だ。このうち平沢工場の担保借入規模が７０００億～８０００億ウォンで最も多い。

市場の反応は懐疑的だ。エジソンモーターズが昨年主債権銀行である産業銀行に担保借入を要請したが拒絶された。産業銀行の李東傑（イ・ドンゴル）会長は当時「エジソンモーターズは独自の技術と事業計画に対し自信を見せるが、市場でさまざまな懸念が提起されている。エジソンモーターズの事業計画を第３の公信力ある機関で検証することが必要だ」と指摘した。これに先立ちカン・ヨングォン代表が「５００億ウォン程度あれば今年電気自動車１０種を発売できる。２０３０年まで３０種の新型電気自動車を開発する」と明らかにしたことに対する反応だった。

韓国自動車研究院のイ・ハング選任研究委員は「韓国１位である現代自動車も２０２５年までに１２種の電気自動車を発売する計画で、新車ひとつを開発するだけで３０００億ウォン以上かかる。果たしてエジソンモーターズが双竜自動車を正常化させられるか業界では疑問が大きい」と話した。エジソンモーターズが再建計画案に双竜自動車正常化案と細部的な資金調達計画をどれだけしっかり盛り込めるかにより最終的な買収の去就が分かれるものとみられる。

法務法人大陸亜州のチェ・ヒョジョン弁護士は「イースター航空の買収も本契約締結後に再建計画案認可まで６カ月かかった。双竜自動車の買収も再建計画案認可まで最小４カ月以上が必要とされるだろう」と予想した。