高位公職者犯罪捜査処長(公捜処)が記者や国会議員に続いて最大野党の大統領候補に対しても数回にわたり通信資料を照会したことが明らかになり、大統領選挙政局が揺れている。文在寅(ムン・ジェイン)政権の最大の国政課題に挙げられる「検察改革」の象徴の公捜処が査察で物議を醸し、残り2カ月余りとなった大統領選挙にどんな影響を及ぼすかが注目される。
30日基準で公捜処は国民の力の国会議員84人、報道機関の記者140人以上を対象に通信資料を照会したことが分かった。尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補に対しては9月8日と23日、10月1日の3回、配偶者の金建希(キム・ゴンヒ)氏に対しては10月13日に通信資料を照会した。30日には朝日新聞ソウル支局所属の韓国人記者が7-8月に2回にわたり公捜処の通信資料照会を受けたことが明らかになった。朝日新聞が公開釈明を要求するなど公捜処の大量通信照会は国際的に注目を集めている。
誰を対象に通信事実確認資料(通話・文字など内訳)まで照会したのか、通信資料(加入者情報照会)だけを確認した人は誰か、公捜処は明らかにしていない。この日、国会法制司法委員会に出席した金鎮ウク(キム・ジンウク)公捜処長は「電気通信事業法に基づく適法な通信資料提供要請だ。検警もするのになぜ我々に対してのみ査察というのか」と抗弁した。
2016年から捜査機関の通信資料照会関連の憲法訴訟を進めているヤン・ホンソク弁護士(元参与連帯公益法センター所長)は金処長の「法手続き遵守」発言に対し、「公捜処が作られた理由を理解していない主張」と指摘した。「法手続きを問うのではなく、捜査の必要性・相当性、捜査比例の原則に反する捜査(通信資料照会)をしたかが争点だが、的外れなことを言う」という理由だ。ヤン弁護士は「告発教唆疑惑の捜査をしながら数百人が加入する刑事訴訟法学会のチャットルームを調べたというが、そこで何の犯罪を謀議するのか」とも話した。さらに公捜処は李盛潤(イ・ソンユン)検事長関連の報道をした記者に対して通話内訳まで追跡したと推定される。取材源捜査という批判が出ているが、公捜処はこれにも答えていない。
照会の対象が大半が現政権に批判的な人物という点で査察疑惑は強まるしかない。与党・共に民主党の李在明大統領候補もこの日、韓国新聞放送編集人協会の討論で「法令に基づく行為を査察ということはできない」としながらも「野党だけを(照会)したとすれば十分に疑わしく、問題を提起するほどのことだ」と述べた。
尹錫悦候補はこの日、フェイスブックに「ひざまずいて生きるより、むしろ立って死ぬ」と書いた。大邱(テグ)選挙対策委員会の発足式では「私と妻、私の妻の友人、妹にまで通信査察をした。狂った人たちではないのか」と公捜処を強く批判した。「尹候補が政治活動を開始する前の5月に検察が通信資料の照会をしたのをみると、広範囲な査察があったのではないのか」(国民の力議員)という見方も出ている。
党レベルでは「公捜処が1970年代の維新時代の中央情報部と似た形態の民間人査察をした」(金鍾仁総括選挙対策委員長)として青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)に圧力を加えた。2018年に民情首席秘書官室の特別監査班査察疑惑が提起された当時、「文在寅政権の遺伝子には査察は存在しない」(当時の金宜謙報道官)と述べた青瓦台としては困惑するしかない状況だ。青瓦台はこの日、「公捜処は独立機構」とし「青瓦台がこの問題に言及するのは適切でない」と一歩退いた。
9日に査察の問題が初めて浮上してから20日間ほど沈黙していた与党は防御ラインの構築に入った。立件された容疑者の通話相手を把握するために加入者情報を確認するレベルで資料照会をしたため査察でないという論理だ。「電話番号を探したところ野党議員80人ほど出てきたというのがファクト」(朴省俊議員)、「尹錫悦候補の検察総長在職時期だけでも280万人の国民が査察の対象になった」(金永培議員)という反論も出ている。
専門家らは「野党結集のモメンタムになる可能性がある」(ザ・モアのユン・テゴン政治分析室長)、「公捜処が資料照会の背景を具体的に説明しなければ収まりにくいイシュー」(シン・ユル明知大政治外交学科教授)と予想した。「政治中立」をモットーとする公捜処が発足から1年も経たないうちに自ら政治の真ん中に入っている。「拘束・起訴件数ゼロ」という成績表でアマチュアという声も出ていた公捜処だ。
30日基準で公捜処は国民の力の国会議員84人、報道機関の記者140人以上を対象に通信資料を照会したことが分かった。尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補に対しては9月8日と23日、10月1日の3回、配偶者の金建希(キム・ゴンヒ)氏に対しては10月13日に通信資料を照会した。30日には朝日新聞ソウル支局所属の韓国人記者が7-8月に2回にわたり公捜処の通信資料照会を受けたことが明らかになった。朝日新聞が公開釈明を要求するなど公捜処の大量通信照会は国際的に注目を集めている。
誰を対象に通信事実確認資料(通話・文字など内訳)まで照会したのか、通信資料(加入者情報照会)だけを確認した人は誰か、公捜処は明らかにしていない。この日、国会法制司法委員会に出席した金鎮ウク(キム・ジンウク)公捜処長は「電気通信事業法に基づく適法な通信資料提供要請だ。検警もするのになぜ我々に対してのみ査察というのか」と抗弁した。
2016年から捜査機関の通信資料照会関連の憲法訴訟を進めているヤン・ホンソク弁護士(元参与連帯公益法センター所長)は金処長の「法手続き遵守」発言に対し、「公捜処が作られた理由を理解していない主張」と指摘した。「法手続きを問うのではなく、捜査の必要性・相当性、捜査比例の原則に反する捜査(通信資料照会)をしたかが争点だが、的外れなことを言う」という理由だ。ヤン弁護士は「告発教唆疑惑の捜査をしながら数百人が加入する刑事訴訟法学会のチャットルームを調べたというが、そこで何の犯罪を謀議するのか」とも話した。さらに公捜処は李盛潤(イ・ソンユン)検事長関連の報道をした記者に対して通話内訳まで追跡したと推定される。取材源捜査という批判が出ているが、公捜処はこれにも答えていない。
照会の対象が大半が現政権に批判的な人物という点で査察疑惑は強まるしかない。与党・共に民主党の李在明大統領候補もこの日、韓国新聞放送編集人協会の討論で「法令に基づく行為を査察ということはできない」としながらも「野党だけを(照会)したとすれば十分に疑わしく、問題を提起するほどのことだ」と述べた。
尹錫悦候補はこの日、フェイスブックに「ひざまずいて生きるより、むしろ立って死ぬ」と書いた。大邱(テグ)選挙対策委員会の発足式では「私と妻、私の妻の友人、妹にまで通信査察をした。狂った人たちではないのか」と公捜処を強く批判した。「尹候補が政治活動を開始する前の5月に検察が通信資料の照会をしたのをみると、広範囲な査察があったのではないのか」(国民の力議員)という見方も出ている。
党レベルでは「公捜処が1970年代の維新時代の中央情報部と似た形態の民間人査察をした」(金鍾仁総括選挙対策委員長)として青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)に圧力を加えた。2018年に民情首席秘書官室の特別監査班査察疑惑が提起された当時、「文在寅政権の遺伝子には査察は存在しない」(当時の金宜謙報道官)と述べた青瓦台としては困惑するしかない状況だ。青瓦台はこの日、「公捜処は独立機構」とし「青瓦台がこの問題に言及するのは適切でない」と一歩退いた。
9日に査察の問題が初めて浮上してから20日間ほど沈黙していた与党は防御ラインの構築に入った。立件された容疑者の通話相手を把握するために加入者情報を確認するレベルで資料照会をしたため査察でないという論理だ。「電話番号を探したところ野党議員80人ほど出てきたというのがファクト」(朴省俊議員)、「尹錫悦候補の検察総長在職時期だけでも280万人の国民が査察の対象になった」(金永培議員)という反論も出ている。
専門家らは「野党結集のモメンタムになる可能性がある」(ザ・モアのユン・テゴン政治分析室長)、「公捜処が資料照会の背景を具体的に説明しなければ収まりにくいイシュー」(シン・ユル明知大政治外交学科教授)と予想した。「政治中立」をモットーとする公捜処が発足から1年も経たないうちに自ら政治の真ん中に入っている。「拘束・起訴件数ゼロ」という成績表でアマチュアという声も出ていた公捜処だ。
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