若い人だけでなく全体的に政治に関する関心は日本より韓国がはるかに高い。上の質問のほかにも日本の憲法改正や韓日関係に対して質問をする生徒は数人いた。政治に対する関心が高いのは大統領選挙があるためでかもしれない。日本は首相を直接選挙で選ぶことはできない。私に今回の大統領候補に対する考えや周辺の意見を伝えてくれた韓国の知人が「日本がこうしたおもしろい政治イベントをしないとはかわいそうだ」と話した。知人は「5年に一度韓国が大きく変わることができるビッグイベント」と言った。大きな変化を望まない日本人には合わないイベントかも知れない。
しかし与党を長く務めているからと自民党が巧みな政治をしているのかといえばそれは疑問だ。自主隔離中に最も驚いたのは新型コロナウイルスの新たな変異株のオミクロン株に関する対応だ。私が日本に帰国したのは11月28日だったが、日本政府は30日からすべての外国人の新規入国を禁止した。このニュースを見て「韓国に戻れないのではないか」と心配して連絡してきた人もいた。韓国が日本と同じ措置を取れば私は韓国に戻れない。私のように長期滞在資格を持って一時的に自国に帰国した外国人が韓国に入国できなくなれば当事者は本当に困る。韓国は新型コロナウイルス流行後の新規ビザ発給は難しくなったが長期滞在資格を持っている外国人の入国を拒否したことはなかったと記憶する。日本の措置は厳しいと考えたが、朝日新聞の社説でも「国内に住居や仕事、家族、社会保障などの生活基盤をもつ人にまで障壁を設けるのはおかしい」と批判するのを見て少し安心した。
◇韓国のコロナ対策、日本より安定的
しかしそれで終わりではなかった。さらに驚くことが起きた。国土交通省が日本に到着する国際航空便の新規予約受付中断を航空会社に要請したのだ。私はこのニュースを見た瞬間「話にならない」という言葉が口から飛び出した。海外で危険な状況が起きれば専用機を飛ばしてでも自国民を帰国できるようにするのが政府がすることだと考えていた。日本人も含め海外にいるすべての人が日本行きの飛行機を予約できなくなったのだ。まさか韓国も同じ措置を取りはしないだろうと考えながらもすばやく韓国に戻る飛行機を予約した。
新規予約中断に対しては非難の声があふれて撤回した。12月2日付の新聞朝刊には予約中断要請の記事が出て、夕刊には予約中断要請取り消しの記事が出た。「朝令暮改」そのものだ。あきれるがそれでも非難を受けて撤回したのは幸いだ。
韓国は全般的に新型コロナウイルスに関する対策は日本より安定的にしっかりしている方だと考える。だが外国人に関することでは時々あきれる時がある。比較的最近私が実際に体験したことを例に挙げよう。韓国で運転しようと日本の運転免許証を韓国の免許証に変更する手続きを踏んだ時だ。提出書類には当然日本の免許証があったが韓国の免許証を発給し日本の免許証は返してくれなかった。「保管する」ということだ。次に日本に出国する時に飛行機のチケットを持ってくれば返すというが、なぜか人質にとられたような不便さを感じた。外国人労働者のパスポートを事業主が保管する問題は聞いたことはあるが、これはちょっと激しいのではないかと思う。こうした話を周辺の韓国の知人たちにすればほとんどが「あきれる」と怒る。実際に請願したりもした。日本の知人はほとんどが「出国前に返してくれるじゃない」と受け入れる人が多い。韓国の人々は不合理なことは不合理だと声を出す人が多い。ところが外国人に関することには声を出す人が少なく改善されない部分が多いようだ。
新型コロナウイルスのパンデミック後に韓国で外国人としての不安な立場を感じて暮らし少しの間自国に休みにきたが、日本でも不安なのは同じだ。新たに発足した岸田政権の右往左往で乱れたオミクロン株対策に地震まで経験しながら不便な毎日を送っている。
成川彩/元朝日新聞記者
【コラム】年末休みに来た日本、オミクロン株防疫混乱に地震重なり不安(1)
しかし与党を長く務めているからと自民党が巧みな政治をしているのかといえばそれは疑問だ。自主隔離中に最も驚いたのは新型コロナウイルスの新たな変異株のオミクロン株に関する対応だ。私が日本に帰国したのは11月28日だったが、日本政府は30日からすべての外国人の新規入国を禁止した。このニュースを見て「韓国に戻れないのではないか」と心配して連絡してきた人もいた。韓国が日本と同じ措置を取れば私は韓国に戻れない。私のように長期滞在資格を持って一時的に自国に帰国した外国人が韓国に入国できなくなれば当事者は本当に困る。韓国は新型コロナウイルス流行後の新規ビザ発給は難しくなったが長期滞在資格を持っている外国人の入国を拒否したことはなかったと記憶する。日本の措置は厳しいと考えたが、朝日新聞の社説でも「国内に住居や仕事、家族、社会保障などの生活基盤をもつ人にまで障壁を設けるのはおかしい」と批判するのを見て少し安心した。
◇韓国のコロナ対策、日本より安定的
しかしそれで終わりではなかった。さらに驚くことが起きた。国土交通省が日本に到着する国際航空便の新規予約受付中断を航空会社に要請したのだ。私はこのニュースを見た瞬間「話にならない」という言葉が口から飛び出した。海外で危険な状況が起きれば専用機を飛ばしてでも自国民を帰国できるようにするのが政府がすることだと考えていた。日本人も含め海外にいるすべての人が日本行きの飛行機を予約できなくなったのだ。まさか韓国も同じ措置を取りはしないだろうと考えながらもすばやく韓国に戻る飛行機を予約した。
新規予約中断に対しては非難の声があふれて撤回した。12月2日付の新聞朝刊には予約中断要請の記事が出て、夕刊には予約中断要請取り消しの記事が出た。「朝令暮改」そのものだ。あきれるがそれでも非難を受けて撤回したのは幸いだ。
韓国は全般的に新型コロナウイルスに関する対策は日本より安定的にしっかりしている方だと考える。だが外国人に関することでは時々あきれる時がある。比較的最近私が実際に体験したことを例に挙げよう。韓国で運転しようと日本の運転免許証を韓国の免許証に変更する手続きを踏んだ時だ。提出書類には当然日本の免許証があったが韓国の免許証を発給し日本の免許証は返してくれなかった。「保管する」ということだ。次に日本に出国する時に飛行機のチケットを持ってくれば返すというが、なぜか人質にとられたような不便さを感じた。外国人労働者のパスポートを事業主が保管する問題は聞いたことはあるが、これはちょっと激しいのではないかと思う。こうした話を周辺の韓国の知人たちにすればほとんどが「あきれる」と怒る。実際に請願したりもした。日本の知人はほとんどが「出国前に返してくれるじゃない」と受け入れる人が多い。韓国の人々は不合理なことは不合理だと声を出す人が多い。ところが外国人に関することには声を出す人が少なく改善されない部分が多いようだ。
新型コロナウイルスのパンデミック後に韓国で外国人としての不安な立場を感じて暮らし少しの間自国に休みにきたが、日本でも不安なのは同じだ。新たに発足した岸田政権の右往左往で乱れたオミクロン株対策に地震まで経験しながら不便な毎日を送っている。
成川彩/元朝日新聞記者
【コラム】年末休みに来た日本、オミクロン株防疫混乱に地震重なり不安(1)
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