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防疫危機の韓国政府、ワクチン3回目接種間隔を3カ月に短縮

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版

慶北大学病院陰圧集中治療室の重症者診療。[写真 大邱広域市]

政府が新型コロナワクチンの追加接種(ブースターショット)間隔を3カ月に一括短縮した。強力な社会的距離などを含む特段の防疫対策を施行する可能性があると明らかにした。

金富謙(キム・ブギョム)首相は10日、中央災難安全対策本部会議を開き、「今週から防疫強化措置が施行されているが、その効果が可視化していない」とし「我々の共同体が直面している危機局面の早期反転が難しいと判断される場合、政府は強力な社会的距離などを含む特段の防疫対策を決定するしかない」と述べた。続いて「3日連続で7000人台の感染者が発生した中、60代以上の高齢層が35%ほどを占め、医療対応余力が速いペースで消耗している」とし「政府は専門家の意見に基づき18歳以上の成人は基本接種後3カ月が経過すれば誰でも3回目の接種ができるよう接種間隔を短縮することにした」と話した。

当局が最初に勧告した追加接種の間隔は6カ月だった。先月、接種間隔を4-5カ月に短縮したが、1カ月も経たないうちにさらに短縮したのだ。政府は防疫状況が悪化し、避けられない決定だと主張する。中央災難安全対策本部のイ・ギイル第1統制官は「(中央災難安全対策本部の論議の末)3回目の(追加)接種をより迅速にしようと(接種間隔を)3カ月に統合短縮して適用することにした」と明らかにした。2回目の基本接種から3カ月が経過した18歳以上の成人は13日から事前予約が可能だ。接種は15日からとなる。


政府は少し無理をしてでも防疫危険度を低めるのが至急だと判断している。10日0時基準で一日の新型コロナ新規感染者数は7022人。3日連続で7000人以上の患者が出ている。重症者は852人で、死者は53人増えた。通常、新規感染者が増えれば、一定の時差を置いて重症者・死者数も増加する。流行規模が7000人台に増えただけに、今後、重症者などの指標がさらに悪化すると予想される。さらに国内優勢株のデルタ株に比べて感染力が4倍ほど高いオミクロン株までが広がっている。

すでに国内医療対応体系は限界直前の状況だ。9日午後5時基準で人口が密集した首都圏の重患者病床稼働率は85.4%。医療陣不足などで事実上の飽和状態となっている。病床を一日以上待つ患者は1258人にのぼる。新型コロナ高危険群の70歳以上が503人で、高血圧・糖尿など基礎疾患がある患者も755人だ。最近5週間に在宅待機中に死亡した新型コロナ患者は29人にのぼる。政府は追加接種を加速し、高齢層の重症化率を低め、医療対応体系を安定させる計画だ。一般成人は基本接種回数を満たしても新型コロナに感染する突破型感染(ブレイクスルー感染)を減らすことができると期待する。

しかし相対的に致命率が低い一般成人の接種間隔まで短縮した点をめぐり論争もある。専門家らは判断の根拠が十分でない状況で政府の決定は性急だったと指摘する。関連研究の結果が十分でないからだ。大韓ワクチン学会のマ・サンヒョク副会長は「追加接種間隔を3カ月に短縮した場合、副作用はないのか、予防効果が具体的にどの程度かなどに関する研究資料がほとんどない」とし「感染者の急増に対応できないために出した決定のようだ」と指摘した。

韓国のように3カ月に短縮した国は英国とギリシャほどだ。ただ、欧州医薬品庁(EMA)は最近の記者会見で「基本接種の3カ月後に追加接種するのが安全で効果的」という立場を明らかにした。新型コロナ予防接種対応推進団のホン・ジョンイク予防接種管理チーム長は「追加接種を3カ月に短縮した場合、異常反応が増えたという報告はない」とし、安全性を強調した。続いて「接種間隔の短縮で望む効果が得られるのかという疑問を持つかもしれないが、現在はワクチン予防効果を引き上げて感染拡大を防がなければいけない」と話した。

一方、政府は10日、また病床動員行政命令を出した。「ウィズコロナ」施行以降すでに4回目だ。今回の行政命令で、全国総合病院28カ所(500-700病床規模)から重症および準重症病床241床、非首都圏医療機関137カ所(200-299病床規模)から中等症病床1658床など計1899床を追加で確保する計画だ。



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