英国のあるホテルで「義務隔離中」のアフリカ発入国者が公開したある食事の様子。[写真 フェイスブック]
5日、英国メディア「インディペンデント」によると、オーエン・ハンコックさん(35)とエミリー・メニーさん(30)の2人のカップルは先月休暇の折に南アフリカに行き、オミクロン株によって足止めを食らった。出国する時点では南アフリカは旅行が許可された「グリーンリスト」国家で、入国後の義務隔離が免除されていた。ところが帰国前日、南アフリカがレッドリストに入り、日程がめちゃくちゃになった。
2人は措置施行前に帰国して隔離措置を避けようとした。だが、すでに英国行きの飛行機券はすべて売れてなく、帰国後の隔離ホテルまで確保しないといけない二重苦を強いられた。やっとの思いで英国に戻ったが、10日間ホテルに隔離されて2人の隔離費用は4000ポンド(約60万円)という請求書まで受け取った。
2人は政府の突然かつ一方的な隔離措置は「不法な自由剥奪」としながらこれに対する法的検討が必要だというオンライン請願を提起した。2人は「私たちが英国を離れる時でさえホテル隔離は義務ではなかった。費用を自分たちで負担するのは不合理だ」とし「事前通報のない措置に追加費用が発生したのだから、政府が支援しろ」と主張した。この請願には4万人以上が賛同した状態だ。
特に入国者などの間では隔離費用がありえないほど高いという不満が噴出した。英国は新型コロナ拡大初期からレッドリスト国発の入国者をワクチン接種が済んでいるかどうかとは関係なく、決められた空港近くのホテルで10日間隔離してきた。成人1人あたり2285ポンドの費用は本人負担だ。この費用は当初1750ポンドだったが、政府はより良い福祉を提供するとして8月に価格を引き上げた。
問題はこのような高額な隔離費用にもかかわらず、隔離プロセスは不十分で、サービスは最悪だという。入国者によると、空港からホテルに入るまでには平均6時間待たなくてはならない。ある入国者は「空港から車で30秒あれば行ける距離を6時間待った」とし「換気もされていない満員バスに詰め込まれ、数時間無防備に放置された」と吐露した。出される劣悪な隔離職についても繰り返し論争の種になっている。ホテル隔離者がSNSに掲載した食事の内容を見ると、小さなマフィン、炒り豆、小さなリンゴがすべて。2日に帰国したケイト・フリッドさん夫婦はホテル隔離は「最悪の経験」としながら「政府の隔離措置に反対するわけではないが、費用と過程に対する調整が必要だ」と話した。
現在、国家を相手取った入国者義務隔離措置に対する法的訴訟が進められているが、英国政府は謝罪する意向がないという立場だ。英国政府は「国家を守るためのことだった。オミクロン株のような新しい変異株の危険を阻止するためにあらゆる必須の検査措置が強化されたもの」としながら「国境での厳格な措置とホテル義務隔離措置に対しては謝らない」と強い姿勢を維持している。
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