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オーストラリアも北京五輪「外交的ボイコット」検討…米国の友好国足並みそろえるか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
オーストラリア政府が来年2月に北京で開催される冬季五輪に政府関係者らを派遣しない「外交的ボイコット」を検討していると現地紙シドニー・モーニング・ヘラルドが25日に伝えた。

これに先立ち米国政府が中国の人権を問題にして北京冬季五輪に対する「外交的ボイコット」を示唆すると、英国、フランス、カナダが相次いで同調の動きを見せており、これにオーストラリアまで加勢した形だ。米英豪3カ国は9月に安全保障の枠組みとなる「AUKUS」を結成している。米国の同盟国と友好国を中心に、北京冬季五輪ボイコットの気流が拡散する様相だ。

◇オーストラリア政界、彭師問題で「北京五輪ボイコット」


シドニー・モーニング・ヘラルドによると、オーストラリア政界は政派を超えて彭師さんの問題を理由に、自国政府に北京冬季五輪に対する外交的ボイコットを強く促している状況だ。これに対しオーストラリア政府もこれを考慮中だ。五輪に対する外交的ボイコットは、選手団は派遣するが、開会式・閉会式に政府・政界関係者などの使節団の派遣は見合わせる措置だ。

中国のテニススター彭師さんは張高麗元中国副首相から性的に暴行されたという暴露文を投稿した直後から行方がわからなくなり身辺に対する懸念が出てきた。21日に国際オリンピック委員会(IOC)は彭師さんがトーマス・バッハIOC会長とのビデオ通話で安全に過ごしていると話した事実を公開したが、IOCの措置をめぐり24日に世界選手協会も批判声明を出した。

世界選手協会は彭師さんの性暴行被害の主張を取り上げなかったIOCのビデオ通話に対し、「人権団体が提起した疑問点は解消されていない」と指摘した。これに先立ち国際人権団体のヒューマンライツウォッチ(HRW)は「IOCは中国の人権侵害に共犯の役割をした」と批判した。

さらに24日にはウォール・ストリート・ジャーナルが、張高麗元副首相が在任時に北京冬季五輪の招致と準備に深く関与していたと報道した。彭師さんとIOCのビデオ通話に中国当局が影響力を及ぼしたのではないかとの疑惑が出ている中で、同紙は張高麗元副首相が2022年冬季五輪運営団を率いてバッハ会長を含むIOCの幹部クラスらと接触したと伝えた。

◇米国の決定を待って…「独裁政権に話す契機を」

オーストラリアの現地メディアはオーストラリア政府が外交的ボイコットと関連して米バイデン政権の決定を待っていると伝えた。米国の決定がオーストラリアの選択に影響を及ぼすという意味だ。また、現地メディアはコルベック・スポーツ相とペイン外相はすでに不参加の確率が高いものとみている。コルベック・スポーツ相は「北京冬季五輪使節団の派遣についてはまだ決まっていない」としながらも、「多くの人たちが彭師さんの安全に深刻な懸念を表明していることを理解する」という立場を明らかにした。

オーストラリア政府は北京に一切の政府関係者も送らないながらも、「外交的ボイコット」と公式な宣言はしないことを選択肢のひとつとして考慮中だ。

オーストラリア政界では外交的ボイコットを要求する声が大きくなっている。同国のモリソン首相に関連要求書簡を送った与党自由党のエリック・アベッツ上院議員は「オーストラリアが先に立てば他の国々も前例に従うと思う。自由を愛する国々がこの独裁政権(中国)に対して十分に話せるモメンタムになるように望む」と話した。労働党のピーター・カリル下院議員は「スポーツと政治を混同してはならないが、(中国と)線を引かなければならない時がきたようだ」とした。

ウェールズ自由党のコンセッタ・フィエラバンティ上院議員は「南シナ海での好戦的で不法な行動、相次ぐ人権じゅうりん、サイバー攻撃、香港と台湾に対する処置など、中国のこの数年間の行動は北京が良い国際市民ではないということを示してくれる。彭師さんと関連した最近の状況は国際的な懸念を増している」として外交的ボイコット支持の意思を明らかにした。

◇外交的緊張関係も影響

ロイター通信は、オーストラリアの今回のボイコット検討は中国との外交的緊張関係も影響を及ぼしたと分析した。オーストラリアは中国と最大の貿易相手国だったが、2018年に第5世代移動通信(5G)広帯域網構築事業で国家安全保障を理由に中国ファーウェイを排除し関係がこじれていった。その後オーストラリアが新型コロナウイルスの起源に対する独立的な調査を促して両国の関係が悪化し、中国は複数のオーストラリア商品に関税を課して正面対抗したとメディアは伝えた。

これに対しオーストラリア国内では北京冬季五輪に対する外交的ボイコットに反対する声もある。テニス選手出身の自由党のジョン・アレクサンダー下院議員は「スポーツは善意を拡散するもの」としながら外交的ボイコットに反対すると話した。また、英国政府が外交的ボイコットを検討するという報道が出た後に英国首相室報道官は「来年の北京冬季五輪でだれが英国政府を代表するのかまだ決まっていないが、ジョンソン首相はボイコットを支持しはしない」というあいまいな立場を明らかにしたとロイター通信が22日に伝えた。



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