#会社員シム・ジヘさん(41)は3月に自家用車をそれまでのディーゼル車からテスラの電気自動車「モデル3」に変えた。現在まで結果は大満足だ。シムさんは「ディーゼル車は燃費がガソリン車より良いが毎月通勤しながら12万ウォン以上の燃料費がかかった。いまは毎月3万ウォン以下の電気料金がかかるだけ」と話す。また、既存の自家用車は走行距離1万キロメートルごとにエンジンオイルを交換しなければならず、これだけでも4カ月に15万ウォンの費用がかかった。しかし電気自動車にはこうした維持費がかからず満足だ。
#弁護士のムンさん(38)は最近ジェネシスの電気自動車「GV60」購入契約をした。待機需要が多く出庫まで1年以上待たなければならないが迷いはなかった。この車が搭載したV2L機能に対する期待感が大きいからだ。車内の高電圧大型バッテリーの電力を外部に供給できる機能だ。ムンさんは「V2Lでキャンプと車中泊、釣りなど多様な野外活動を楽しむことができる。電気自動車はいまのような時にさらに有用な、タイヤが付いた巨大なスマートフォン」と話した。
世界をさらった電気自動車熱風が韓国にも勢いよく押し寄せている。数年前には珍しかった道路を走る電気自動車がいまでは普通に見られるほどだ。6年前の2015年には韓国の電気自動車普及台数は5712台にとどまっていた。昨年は13万4962台で、わずか5年で23.6倍になった。毎年4~5倍ずつ増加した格好だ。同じ期間に世界の電気自動車普及台数が72万8217台から685万327台に9.4倍になったのと比べても急成長だ。内燃機関を持っているハイブリッド自動車ではなく100%バッテリーで動く純電気自動車だけ集計した数値だ。今年に入ってからも急増し、9月末基準で電気自動車の累積登録台数は20万2000台に達する。
世界的な人気もやはり統計で簡単にわかる。国際エネルギー機関(IEA)は4月の報告書で、全自動車に対し昨年4%だった純電気自動車のシェアが2025年には最大17%、2030年には最大34%まで急増すると予想した。概ね10年後には道路上の自動車の5台に2台は電気自動車になる可能性があるという話だ。ところでこうした見通しが出るほど電気自動車が2010年代を過ぎ2020年代に入ってさらに売れている理由は何か。専門家らは大きく3つの背景を挙げる。
1.各国の親環境ドライブ=各国政府の脱炭素など親環境政策強化が作用した。特に主要国は媒煙を電気自動車よりはるかに多く排出するエンジン車の電気自動車転換を急いでいる。韓国自動車研究院によると昨年の世界の全電気自動車のうち約94%は北米(米国、カナダ)と欧州(ドイツ、フランス、英国、イタリア、ノルウェー、スウェーデン、オランダ)、東アジア(韓国、中国、日本)の12カ国で販売された。そしてこれらの国は共通してこの数年間電気自動車転換に死活をかけてきた。
自動車の本場ながらも環境関連規制に積極的な欧州が代表的だ。ノルウェーとオランダは2025年、ドイツは2030年、英国は2035年、フランスは2040年からそれぞれエンジン車の販売を禁止することにした。エンジン車製造技術に対する自負心が強いドイツ、産業革命の発源地である英国までエンジン車追放を宣言したのだ。2016~2019年に集中的にこうした政策があふれた。
米国もカリフォルニア州が2035年からエンジン車の販売を禁止するなど欧州に劣らず積極的だ。最近米国議会は電気自動車充電所拡充などに75億ドルの予算を配分したりもした。欧州とともに世界2大電気自動車市場を形成した中国もやはり2035年から自国内のエンジン車生産を中断することにした。中国の習近平国家主席は昨年の国連総会演説で「2060年までに炭素中立を実現する」と明らかにしている。これまで韓国も電気自動車充電所の拡充と補助金支給などで足並みをそろえた。
特に補助金支給は消費者の立場では魅力的な価格と直結する。電気自動車市場活性化を率いる核心政策に挙げられる理由だ。例えばドイツの電気自動車販売台数は2019年の11万台から昨年は39万台と1年で3倍以上に増えた。エンジン車に対する国民的愛着が非常に強い国であることを考慮すれば驚くべき成長だ。これは昨年6月からドイツ政府が補助金をこれまでの2倍に増やしたためと分析される。昨年6月基準で欧州の電気自動車補助金は1台当たり平均1万100ドルに達した。韓国は今年これより多い1400万~1500万ウォン台の補助金を支給している。
2.企業の素早い変身=各国のこうした政策は企業にそのまま影響を及ぼした。通常自動車産業は思うより変化に消極的な「保守業種」とされる。安全性が何より重要な製品を作っていることに加え、エンジン車の場合、部品が約3万個に上るほど複雑で協力会社も多く、管理・供給を円滑にするには変化の試みより安定を図るのが優先だからだ。だが各国が早ければ数年後からエンジン車販売を禁止することになり話が変わった。
電気自動車普及、世界が9倍増える時に韓国は24倍に増える急加速成長(2)
#弁護士のムンさん(38)は最近ジェネシスの電気自動車「GV60」購入契約をした。待機需要が多く出庫まで1年以上待たなければならないが迷いはなかった。この車が搭載したV2L機能に対する期待感が大きいからだ。車内の高電圧大型バッテリーの電力を外部に供給できる機能だ。ムンさんは「V2Lでキャンプと車中泊、釣りなど多様な野外活動を楽しむことができる。電気自動車はいまのような時にさらに有用な、タイヤが付いた巨大なスマートフォン」と話した。
世界をさらった電気自動車熱風が韓国にも勢いよく押し寄せている。数年前には珍しかった道路を走る電気自動車がいまでは普通に見られるほどだ。6年前の2015年には韓国の電気自動車普及台数は5712台にとどまっていた。昨年は13万4962台で、わずか5年で23.6倍になった。毎年4~5倍ずつ増加した格好だ。同じ期間に世界の電気自動車普及台数が72万8217台から685万327台に9.4倍になったのと比べても急成長だ。内燃機関を持っているハイブリッド自動車ではなく100%バッテリーで動く純電気自動車だけ集計した数値だ。今年に入ってからも急増し、9月末基準で電気自動車の累積登録台数は20万2000台に達する。
世界的な人気もやはり統計で簡単にわかる。国際エネルギー機関(IEA)は4月の報告書で、全自動車に対し昨年4%だった純電気自動車のシェアが2025年には最大17%、2030年には最大34%まで急増すると予想した。概ね10年後には道路上の自動車の5台に2台は電気自動車になる可能性があるという話だ。ところでこうした見通しが出るほど電気自動車が2010年代を過ぎ2020年代に入ってさらに売れている理由は何か。専門家らは大きく3つの背景を挙げる。
1.各国の親環境ドライブ=各国政府の脱炭素など親環境政策強化が作用した。特に主要国は媒煙を電気自動車よりはるかに多く排出するエンジン車の電気自動車転換を急いでいる。韓国自動車研究院によると昨年の世界の全電気自動車のうち約94%は北米(米国、カナダ)と欧州(ドイツ、フランス、英国、イタリア、ノルウェー、スウェーデン、オランダ)、東アジア(韓国、中国、日本)の12カ国で販売された。そしてこれらの国は共通してこの数年間電気自動車転換に死活をかけてきた。
自動車の本場ながらも環境関連規制に積極的な欧州が代表的だ。ノルウェーとオランダは2025年、ドイツは2030年、英国は2035年、フランスは2040年からそれぞれエンジン車の販売を禁止することにした。エンジン車製造技術に対する自負心が強いドイツ、産業革命の発源地である英国までエンジン車追放を宣言したのだ。2016~2019年に集中的にこうした政策があふれた。
米国もカリフォルニア州が2035年からエンジン車の販売を禁止するなど欧州に劣らず積極的だ。最近米国議会は電気自動車充電所拡充などに75億ドルの予算を配分したりもした。欧州とともに世界2大電気自動車市場を形成した中国もやはり2035年から自国内のエンジン車生産を中断することにした。中国の習近平国家主席は昨年の国連総会演説で「2060年までに炭素中立を実現する」と明らかにしている。これまで韓国も電気自動車充電所の拡充と補助金支給などで足並みをそろえた。
特に補助金支給は消費者の立場では魅力的な価格と直結する。電気自動車市場活性化を率いる核心政策に挙げられる理由だ。例えばドイツの電気自動車販売台数は2019年の11万台から昨年は39万台と1年で3倍以上に増えた。エンジン車に対する国民的愛着が非常に強い国であることを考慮すれば驚くべき成長だ。これは昨年6月からドイツ政府が補助金をこれまでの2倍に増やしたためと分析される。昨年6月基準で欧州の電気自動車補助金は1台当たり平均1万100ドルに達した。韓国は今年これより多い1400万~1500万ウォン台の補助金を支給している。
2.企業の素早い変身=各国のこうした政策は企業にそのまま影響を及ぼした。通常自動車産業は思うより変化に消極的な「保守業種」とされる。安全性が何より重要な製品を作っていることに加え、エンジン車の場合、部品が約3万個に上るほど複雑で協力会社も多く、管理・供給を円滑にするには変化の試みより安定を図るのが優先だからだ。だが各国が早ければ数年後からエンジン車販売を禁止することになり話が変わった。
電気自動車普及、世界が9倍増える時に韓国は24倍に増える急加速成長(2)
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