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【コラム】企業競争力のほかに頼れるものがなくなった韓日中3カ国の経済(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
中国経済に対し概ね楽観的な見方を表明してきたニューヨーク市立大学のポール・クルーグマン教授さえニューヨーク・タイムズのコラムで「悲観論者はいつも中国経済を心配するが、今回は本当にそうなるかも知れない」とした。中国経済危機論は新しいものではないが、成長率の急激な鈍化と恒大問題から見ると不動産市場のバブルが懸念されると分析される。クルーグマン教授は「所得増加より過度な住宅価格はこれ以上持続しなさそうだ」と指摘した。だからととても針小棒大に言うべきことではないとした。中国経済のバブルが消えてもそれにより世界経済が大きな衝撃を受けることはなさそうだとみた。

米国の投資業界もフォーリン・ポリシーの分析とは見方の違う診断を出している。ウォール街の大口投資家であるブラックロック、ゴールドマン・サックスなどは「いまは依然として中国に投資する時期」という立場だ。投資の見極めが鋭敏なジョージ・ソロスは「米国の利益を害し投資もやはり落ちぶれかねない」と警告したが、ウォール街の大手投資家は中国に対する立場を変えていない。特に世界最大のヘッジファンドを運営するブラックロックはフィナンシャル・タイムズとのインタビューで「グローバルポートフォリオ基準では中国経済が依然として過小代表されている。不安要素はあるが中国投資の割合を2~3倍に増やすべきタイミング」と話した。

どちらの観点が正しいのかはまだわからない。しかし電力難と恒大危機よりさらに注視すべきことは社会主義現代化を掲げた中国共産党の市場統制強化とみることができる。中国共産党はアリババやテンセントなどのビッグテックをはじめとする企業に対する統制力を急激に強化してきた。フィナンシャル・タイムズは「共産党の統制は結局企業の自律と創意を萎縮させ、中国企業の競争力低下につながる可能性が大きい」と指摘した。日本経済新聞は「中国の回帰で世界は再び資本主義と社会主義の対立構図に入ろうとしている」と解釈した。


3.成長動力急激に落ち込んだ韓国

韓国は状況がさらに暗鬱だ。この4年間に財政能力を大きく超過して政府支出を伸ばしたが韓国経済の活力は回復する兆しがみられない。経済成長率が1-3月期に1.7%だったが4-6月期には0.8%に落ち、7-9月期はさらに0.3%まで落ち込んだ。成長動力が弱まったためで、このように推移すれば1人当たりGDP潜在成長率は2030年以降0.8%にとどまるだろうという見通しが経済協力開発機構(OECD)から出た。国の債務増加速度は主要国で1位となり、現在のように財政を動員し続けるのは困難という点も問題だ。GDP比の家計負債は主要国で初めて100%を超えた。

結局韓国経済が這い出る穴は企業競争力強化しかない。中国では共産党が企業の自律と創意を固く締めつける可能性があるだけに韓国はそれだけ時間を稼ぐことになる。条件は容易ではない。唯一の支えだった半導体独占が揺らいでだ。米国は自国に半導体工場を誘致するだけでは足りず半導体生産資料を出すよう圧迫している。電気自動車と自動運転車のゲームチェンジャーとして浮上したバッテリーの場合もグローバル企業が新たな標準を作ったり直接製造を模索しており安心できなくなった。それこそ企業を前面に出した代理戦争の砲煙が立ち込める。

野火のように広がるインフレも韓国にはパーフェクトストームになりかねない。米国さえ世界的サプライチェーン大乱に直面して経済活動に打撃を受けており、成長率が期待値を下回り物価が6%台に上昇して厳しい状況になった。米国ではコロナ疲れのためか労働者の職場復帰が遅れ企業間で賃金引き上げ競争も触発されている。ニューヨーク・タイムズは「原油価格と原材料価格が急上昇し一部ブランドはサービスの質や量を減らしている。インフレは指標で現れるより深刻かもしれない」と警告した。ややもするとスタグフレーション(景気低迷中の物価上昇)が世界に広がりかねない様相だ。きわどい局面に違いない。

キム・ドンホ/論説委員


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