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尿素水大乱発生後も…韓国外相、中国外相と会っても問題切り出さず(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

先月29日にイタリアのローマで会った外交部の鄭義溶長官と中国の王毅外相。[写真 外交部]

中国発の「尿素ショック」が押し寄せてきた先月29日、イタリアのローマで外交部の鄭義溶(チョン・ウィヨン)長官が中国の王毅外相と会った。主要20国(G20)首脳会議を契機に開かれた韓中外相会談後に外交部が発表した報道資料の冒頭は「終戦宣言」だった。このほか両国間の協力案も議論したとした。

だが彼らが議論した協力案に尿素需給問題はなかった。30分ほどの会談で鄭長官は王外相に尿素問題を提起しなかった。

尿素水大乱は経済と安全保障を分離できない国際政治の現住所を見せる。特に尿素水不足は物流だけでなく路線バスなど公共交通、環境美化車両から保育施設の車まで生活のあちこちに影響を及ぼし、国民の「末梢神経」をまひさせる問題につながりかねない。


文在寅(ムン・ジェイン)大統領は8日、「使えるすべての方法を動員せよ」と指示したが、すでに被害は現実化する兆しだ。対応のタイミングを逃した韓国政府の「3無」政策失敗を探ってみた。

(1)積極的な問題提起なかった

まず問題を誘発した当事国である中国と外相会談をしながら尿素問題を切り出すこともなかったのは韓国政府の認識が安逸だったとの批判を受けることになりそうだ。

もちろん多国間会議の中で行われた短時間の会談で両国間すべての懸案を取り上げることはできない。だがそれでも「選択と集中」という側面から、尿素問題の優先順位は後回しにされていたとの解釈が可能だ。

元外交高官は「韓国国内でこうした尋常でない状況が続いているのに外相会談でこれを議題にも取り上げないのはあまりにも大きな外交的な隙を見せている」と指摘した。

さらにG20首脳会議を契機にバイデン米大統領が10月31日に主宰したサプライチェーンと関連した首脳会議は尿素問題を提起する良い機会だったが、やはりまともに活用できなかった。

バイデン政権が中国との戦略競争の中でサプライチェーン問題に集中する背景がいまの韓国で起きている尿素大乱のような状況を防ぐためだ。中国が国際的規範を無視して自国中心の輸出入措置によりサプライチェーン生態系を乱しかねないというのが米国の問題意識であるためだ。中国が尿素に対し一方的に輸出前検査を義務化したようにだ。

だがサプライチェーン首脳会議でバイデン大統領の隣の席に座り、2番目に発言した文大統領は尿素問題に言及しなかった。「さらに細かいサプライチェーンを構築できるよう開放的で公正な貿易秩序を復元しなければならない」という原則的発言をしただけだ。主要国首脳に尿素確保協力を要請したという話も聞かれなかった。

さらに中国では今回の事態で世界のサプライチェーンでの中国の優越的地位を誇示しようとする雰囲気まで感知される。中国共産党機関紙の人民日報系列メディアである人民資訊は8日「今回の供給危機を通じて欧州、韓国、米国のいずれもグローバルサプライチェーンで中国が持っている重要な地位をさらに明確に認識しなければならない」と書いた。

低姿勢という批判も甘受しながら韓中関係に力を入れてきた文在寅政権のため国民的失望感がより大きい側面もある。いまこそこれまでに投じた「対中外交的資本」を回収するタイミングであるためだ。

もちろん中国の措置はすべての国に一律的に適用されるものだが、そうした状況で例外を作り出すのが外交的能力だ。一例として財政が厳しい開発途上国にだけワクチンを支援するという原則にもかかわらず、バイデン大統領は5月21日の韓米首脳会談後に安全保障を名分にヤンセン製ワクチン100万回分を韓国に無償で提供した。

だが現在の中国は韓国政府の持続的要請にもすでに仮契約した尿素1万8000トンさえ固く握って放さずにいる。


尿素水大乱発生後も…韓国外相、中国外相と会っても問題切り出さず(2)

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