尿素水不足が長期化する兆候が表れている。7日午後、忠清北道のガソリンスタンドに大型トラックの運転手が預けた少量の尿素水が保管されている。尿素水は軽油車で発生する発がん性物質の窒素酸化物(NOx)を水と窒素に変える成分で、トラックなどに義務的に装着される窒素酸化物低減装置(SCR)に入る必須品目。 キム・ソンテ
国防部によると、軍当局はこうした措置のため、各級部隊が現在保有する備蓄分の把握に入った。具体的な貸与分量は決まっていないという立場だ。国防部の関係者は「有事の際、1、2カ月間使用する分量を除いて、民間が要請すれば貸与する分量を把握している」とし「政府部処から要請があったのではなく、国防部が自主的に検討中」と明らかにした。
これが伝えられると、軍内部では「戦時備蓄分に手をつけるのは適切でない」という批判が出ている。匿名を求めた軍関係者は「戦時に備えて蓄積しておいた備蓄分にはオーバー(過剰分量)などあり得ない。韓米の戦時計画に基づき油類などの備蓄分は日時と目標量が定められている」とし「他の政府部処もこうした事実を知っているためむやみに要請することはできない」と話した。
別の軍関係者は「たとえ現在軍が保有する運営物資を供給するとしてもどれほどの分量になるだろうか」とし「2016年以降に生産された軍用トラックだけが使用する尿素水の一部を供給するとしても、実質的に市場に与える効果は極めて少ないはず」と指摘した。続いて「尿素水不足事態で民心が悪化する兆候が表れると、政府が努力しているというショーをするために軍を動員する姿だ」と批判した。
国防部がオーストラリアから尿素水2万リットルを輸入するのに空軍の多目的空中給油輸送機KC-300を急派することを検討している点にも、軍内では反発が出ている。ある軍関係者は「普通、トラックで使用する尿素水1缶が20リットルだが、オーストラリアから運ぶ分量は1000缶ほどで一日分にもならない」とし「空軍機まで動員することなのか分からない」と話した。
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