来月1日から段階的な日常回復(ウィズコロナ)が本格的に始まる。私的な集まりや営業時間の制限が大幅に緩和され、全面登校授業が再開される。2年近く続いた新型コロナとの戦争を終え、コロナと共存する道を進むことになった。専門家らは日常の回復を先延ばしできないと強調しながらも、政府の準備不足を心配している。突然の防疫緩和で感染者が急増する場合の対策がないという指摘が多い。中央災難安全対策本部は29日、「段階的な日常回復履行計画」を発表した。
中央災難安全対策本部の権徳チョル(クォン・ドクチョル)第1次長(保健福祉部長官)はこの日の会見で、「新しい日常の回復のために社会的距離体系を全面的に改編する」とし「これまでは感染者発生を抑えるための普遍的な規制を重視してきたが、これからは重症・死亡発生を抑制する方向に転換し、予防接種率の向上と未接種者、脆弱階層への伝播を遮断することに注力する」と明らかにした。
日常回復は3段階で進められる。政府は生業施設→大規模行事→私的な集まりの順で防疫措置を緩和する計画だ。ひとまず11月末までに第1段階を進行し、予防接種完了率、医療体系余力および重症患者・死亡者発生、流行規模など推移を眺めながら第2段階への転換を検討する計画だ。2週間の評価期間は状況によって調整可能で、日常回復支援委員会への諮問を経て中央災難安全対策本部で次の段階への移行を決める。
第1段階では遊興施設(24時まで)を除いてカラオケボックス、室内体育、入浴場などすべての施設は時間制限なく営業できる。首都圏では10人、非首都圏では12人まで私的な集まりも可能だ。マスクを外すことになる飲食店では未接種者は最大4人まで含めることができる。ワクチン接種・新型コロナ陰性証明書「防疫パス」は1週ほどの試験期間を置いて適用し、第2次改編からは廃止する。状況が悪化する場合は非常計画(サーキットブレーカー)を発動する。集中治療室の病床稼働率が75%以上または週7日移動平均70%以上である場合に検討する。その前に予備警報も出す。
しかしウィズコロナで防疫措置を緩和すれば初期感染者が急増する可能性があるが、これに対応する準備が不足しているという指摘が出ている。接種率が高まっても初期接種者の防御効果は日々低下する。ウィズコロナの適用を控え、7月から続いてきた第4波が10月に入って落ち着き始めたが、最近また増加している。新型コロナの伝播力が高まる冬季が近づいている点も日常回復の進行に不利な点に挙げられる。
政府は最近の感染者増加について「18日に私的な集まりの規制などを一部緩和した影響」と分析した。しかしソウル大のキム・ユン医大教授は「防疫緩和が理由なら飲食店やネットカフェのような大衆利用施設で多くの感染者が出るはずだが、そうではない。最近の感染者の大部分は療養型病院・療養院、病院、学校、職場で出ている」とし「現在の感染傾向をみると、接種で得た効果が落ちた高齢者や脆弱階層がいる施設で大規模な突破感染が発生したり、まだ接種していない生徒が集まった学校で出ている」と説明した。実際、この日、昌原(チャンウォン)のある精神科病棟で121人の集団感染が確認された。ほとんどが突破感染と推定される。
高麗大九老病院の金宇柱(キム・ウジュ)感染内科教授は「ワクチン接種後に時間が経過すれば防御効果が落ちるが、デルタ株が流行して突破感染が増えている。2-5月の接種者、ヤンセン接種者の防御効果が落ち、感染者が最近増えているとみられる」と分析した。
キム・ユン教授は「疫学調査人員を増やして医療体系を整備すべきだが、政府は準備をせず防疫緩和ばかりを話している」とし「このままでは12月ごろに第5波がくることも考えられ、サーキットブレーカーが発動されるかもしれない」と批判した。
専門家らが最も憂慮するのは感染者急増による医療崩壊だ。感染者が増えれば重症患者も増え、十分な治療を受けることができなければ死者も増えるしかない。大韓医師協会新型コロナ対策専門委員会のヨム・ホギ委員長は27日のウィズコロナ懇談会で「国内の一日の感染者が2万人まで増える可能性もある」という見方を示した。大韓医師協会は29日、「第5波のシナリオと対策を出して、大規模な患者発生による重症患者診療体系と在宅治療に対する準備を徹底する必要がある」という声明書を出した。
金宇柱教授は「在宅治療がうまくいくか心配だ」とし「状態が悪化した人が死亡につながるケースも排除できず、隔離が生活治療センターのように徹底されないケースも懸念される」と話した。
梨大木洞病院のチョン・ウンミ呼吸器内科教授は「在宅治療対象者をあまりにも幅広く設定した」とし「海外のように50歳未満、無症状者、基礎疾患がない患者だけを在宅治療させ、50歳以上は突破感染者に限り抗体治療剤を注射して在宅治療をするようにすれば80%近くが入院しないはず」と話した。続いて「ウィズコロナ以降、感染者が増えても入院率を減らして重症患者にならないよう予防することが重要」とし「高齢者は接種しても抗体が十分にできないため、療養施設、病院にいる80代以上は追加接種を急ぐ必要がある」と提案した。
順天郷大富川病院のキム・タク感染内科教授は「ウィズコロナは良い面ばかりではないことを把握し、リスクを負わなければいけない。ところがリスクに対応できるのかという疑問が依然として残る」と指摘した。キム教授は「今のように医療の一部の領域を動員する形では、患者数が急増した場合、対応に限界がある」とし「4000人、病床70%程度になれば一時停止するというのは基準が低いが、我々の医療力量ではその程度しかできない」と説明した。また「この基準を高めるには医療体系を変えるべきだと(専門家らは)繰り返し話しているが、その部分は準備せず防疫緩和ばかりを強調して進行している状態であり、心配される」と話した。
キム教授は「短期的には医院を含むすべての病院がコロナ患者に対応できるようにすべきだが、その部分の議論は進展せず、従来のように重症患者病床を動員するような接近では限界がある」とし「このためウィズコロナに入ればすぐに基準に到達して一時停止し、再調整の過程に入ることも考えられる。そうなれば国民をどう説得するのか心配だ」と警告した。
中央災難安全対策本部の権徳チョル(クォン・ドクチョル)第1次長(保健福祉部長官)はこの日の会見で、「新しい日常の回復のために社会的距離体系を全面的に改編する」とし「これまでは感染者発生を抑えるための普遍的な規制を重視してきたが、これからは重症・死亡発生を抑制する方向に転換し、予防接種率の向上と未接種者、脆弱階層への伝播を遮断することに注力する」と明らかにした。
日常回復は3段階で進められる。政府は生業施設→大規模行事→私的な集まりの順で防疫措置を緩和する計画だ。ひとまず11月末までに第1段階を進行し、予防接種完了率、医療体系余力および重症患者・死亡者発生、流行規模など推移を眺めながら第2段階への転換を検討する計画だ。2週間の評価期間は状況によって調整可能で、日常回復支援委員会への諮問を経て中央災難安全対策本部で次の段階への移行を決める。
第1段階では遊興施設(24時まで)を除いてカラオケボックス、室内体育、入浴場などすべての施設は時間制限なく営業できる。首都圏では10人、非首都圏では12人まで私的な集まりも可能だ。マスクを外すことになる飲食店では未接種者は最大4人まで含めることができる。ワクチン接種・新型コロナ陰性証明書「防疫パス」は1週ほどの試験期間を置いて適用し、第2次改編からは廃止する。状況が悪化する場合は非常計画(サーキットブレーカー)を発動する。集中治療室の病床稼働率が75%以上または週7日移動平均70%以上である場合に検討する。その前に予備警報も出す。
しかしウィズコロナで防疫措置を緩和すれば初期感染者が急増する可能性があるが、これに対応する準備が不足しているという指摘が出ている。接種率が高まっても初期接種者の防御効果は日々低下する。ウィズコロナの適用を控え、7月から続いてきた第4波が10月に入って落ち着き始めたが、最近また増加している。新型コロナの伝播力が高まる冬季が近づいている点も日常回復の進行に不利な点に挙げられる。
政府は最近の感染者増加について「18日に私的な集まりの規制などを一部緩和した影響」と分析した。しかしソウル大のキム・ユン医大教授は「防疫緩和が理由なら飲食店やネットカフェのような大衆利用施設で多くの感染者が出るはずだが、そうではない。最近の感染者の大部分は療養型病院・療養院、病院、学校、職場で出ている」とし「現在の感染傾向をみると、接種で得た効果が落ちた高齢者や脆弱階層がいる施設で大規模な突破感染が発生したり、まだ接種していない生徒が集まった学校で出ている」と説明した。実際、この日、昌原(チャンウォン)のある精神科病棟で121人の集団感染が確認された。ほとんどが突破感染と推定される。
高麗大九老病院の金宇柱(キム・ウジュ)感染内科教授は「ワクチン接種後に時間が経過すれば防御効果が落ちるが、デルタ株が流行して突破感染が増えている。2-5月の接種者、ヤンセン接種者の防御効果が落ち、感染者が最近増えているとみられる」と分析した。
キム・ユン教授は「疫学調査人員を増やして医療体系を整備すべきだが、政府は準備をせず防疫緩和ばかりを話している」とし「このままでは12月ごろに第5波がくることも考えられ、サーキットブレーカーが発動されるかもしれない」と批判した。
専門家らが最も憂慮するのは感染者急増による医療崩壊だ。感染者が増えれば重症患者も増え、十分な治療を受けることができなければ死者も増えるしかない。大韓医師協会新型コロナ対策専門委員会のヨム・ホギ委員長は27日のウィズコロナ懇談会で「国内の一日の感染者が2万人まで増える可能性もある」という見方を示した。大韓医師協会は29日、「第5波のシナリオと対策を出して、大規模な患者発生による重症患者診療体系と在宅治療に対する準備を徹底する必要がある」という声明書を出した。
金宇柱教授は「在宅治療がうまくいくか心配だ」とし「状態が悪化した人が死亡につながるケースも排除できず、隔離が生活治療センターのように徹底されないケースも懸念される」と話した。
梨大木洞病院のチョン・ウンミ呼吸器内科教授は「在宅治療対象者をあまりにも幅広く設定した」とし「海外のように50歳未満、無症状者、基礎疾患がない患者だけを在宅治療させ、50歳以上は突破感染者に限り抗体治療剤を注射して在宅治療をするようにすれば80%近くが入院しないはず」と話した。続いて「ウィズコロナ以降、感染者が増えても入院率を減らして重症患者にならないよう予防することが重要」とし「高齢者は接種しても抗体が十分にできないため、療養施設、病院にいる80代以上は追加接種を急ぐ必要がある」と提案した。
順天郷大富川病院のキム・タク感染内科教授は「ウィズコロナは良い面ばかりではないことを把握し、リスクを負わなければいけない。ところがリスクに対応できるのかという疑問が依然として残る」と指摘した。キム教授は「今のように医療の一部の領域を動員する形では、患者数が急増した場合、対応に限界がある」とし「4000人、病床70%程度になれば一時停止するというのは基準が低いが、我々の医療力量ではその程度しかできない」と説明した。また「この基準を高めるには医療体系を変えるべきだと(専門家らは)繰り返し話しているが、その部分は準備せず防疫緩和ばかりを強調して進行している状態であり、心配される」と話した。
キム教授は「短期的には医院を含むすべての病院がコロナ患者に対応できるようにすべきだが、その部分の議論は進展せず、従来のように重症患者病床を動員するような接近では限界がある」とし「このためウィズコロナに入ればすぐに基準に到達して一時停止し、再調整の過程に入ることも考えられる。そうなれば国民をどう説得するのか心配だ」と警告した。
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