今年もノーベル賞の季節がやってきました。
ノーベル生理学・医学賞はデービッド・ジュリアス氏とアーデム・パタプティアン氏(以上、米国)、化学賞はベンジャミン・リスト氏(ドイツ)、デビッド・マクミラン(米国)、物理学賞は真鍋淑郎氏(米国)とクラウス・ハッセルマン氏(ドイツ)、ジョルジョ・パリージ氏(イタリア)が受賞しました。
特に真鍋淑郎プリンストン大学教授は日系米国人で日本でもお祝いムードでした。これで日本(日系含む)は25人目のノーベル科学賞受賞者を輩出することになりました。
◇韓国、ノーベル賞クラスの学者はいるが受賞はまだ
ノーベル賞の季節がくるたびに、韓国では日本など周辺国をうらやむと同時に「韓国はなぜ受賞できないのか」という自省の声が出てきます。だが韓国もまだノーベル科学賞受賞者がいないだけで近付いているという評価を受ける学者がいないのではありません。
毎年ノーベル賞受賞者を予測するグローバル学術分析企業クラリベイト・アナリティクスは9月に今年のノーベル賞級研究者16人のリストを発表したが、ここには李鎬汪(イ・ホワン)高麗(コリョ)大学名誉教授が生理医学賞候補に含まれました。昨年はソウル大学の玄沢煥(ヒョン・テクファン)客員教授がこのリストに含まれたりもしました。
ノーベル賞の受賞トレンドは徐々に変わっています。過去には欧州の国が主に受賞し、次第に米国に中心が移っていき、最近では協業の重要性が高まりさまざまな国の学者が共同受賞する傾向が強いです。韓国も卓越した研究者がいないのではなく、遠からず受賞者が出てくるでしょう。
◇研究の質と影響力がノーベル賞の条件
国家的に見れば、1人2人の卓越した研究者がノーベル賞を受賞するかより重要なのは、そうしたノーベル賞級研究者が着実に輩出されるかということです。クラリベイト・アナリティクスが受賞者を予測する方法は核心論文の被引用を分析するものです。1000回以上被引用された論文は全体の0.01%にすぎないが、こうした高被引用論文を発表した研究者がノーベル賞に近いということです。それだけ重要な研究結果なので他の学者が参考(引用)せざるを得ないという意味です。
実際に昨年韓国研究財団が2008~2018年のノーベル賞受賞者の論文を分析した結果、物理学賞受賞者の核心論文は1本あたり平均2330回被引用されました。しかし受賞者ごとに発表した論文件数はまちまちです。数百本発表した研究者もいるが数十本だけ出したケースも少なくありません。多作がそのまま研究の質を意味しないためです。
◇ソウル大学の論文量は世界最上位、高被引用の割合は遅れ
しかし韓国は論文の量を重視する風土が相変わらずです。
オランダのライデン大学が発表する「2021ライデンランキング」によると、2016~2019年の4年間のソウル大学の論文量は1万7289本で世界13位です。米スタンフォード大学の1万6454本、英オックスフォード大学の1万6088本より多いです。延世(ヨンセ)大学が55位、成均館(ソンギュングァン)大学が85位、高麗大学が97位と上位に入りました。
これに対し論文の質といえる分野別被引用上位10%の論文の割合を見ると、ソウル大学が7.5%で世界828位にとどまります。スタンフォード大学の21.7%・5位、オックスフォード大学の18.6%・13位とは大きな差を見せます。
もちろんこうした断片的な数値がノーベル賞を受賞できない理由と断定するのは難しいです。しかし世界的な研究中心大学といわれる所はほとんどが論文量よりは高被引用を記録する論文の割合が高いというのが共通点です。
韓国研究財団の分析によると、研究者が核心研究を始めてからノーベル賞を受賞するまで平均31.9年がかかったといいます。結局長期的観点から研究者を支援できる土台が重要です。研究費を得るため短期間で結果を出さなければならない支援体制では限界は明らかです。
ノーベル生理学・医学賞はデービッド・ジュリアス氏とアーデム・パタプティアン氏(以上、米国)、化学賞はベンジャミン・リスト氏(ドイツ)、デビッド・マクミラン(米国)、物理学賞は真鍋淑郎氏(米国)とクラウス・ハッセルマン氏(ドイツ)、ジョルジョ・パリージ氏(イタリア)が受賞しました。
特に真鍋淑郎プリンストン大学教授は日系米国人で日本でもお祝いムードでした。これで日本(日系含む)は25人目のノーベル科学賞受賞者を輩出することになりました。
◇韓国、ノーベル賞クラスの学者はいるが受賞はまだ
ノーベル賞の季節がくるたびに、韓国では日本など周辺国をうらやむと同時に「韓国はなぜ受賞できないのか」という自省の声が出てきます。だが韓国もまだノーベル科学賞受賞者がいないだけで近付いているという評価を受ける学者がいないのではありません。
毎年ノーベル賞受賞者を予測するグローバル学術分析企業クラリベイト・アナリティクスは9月に今年のノーベル賞級研究者16人のリストを発表したが、ここには李鎬汪(イ・ホワン)高麗(コリョ)大学名誉教授が生理医学賞候補に含まれました。昨年はソウル大学の玄沢煥(ヒョン・テクファン)客員教授がこのリストに含まれたりもしました。
ノーベル賞の受賞トレンドは徐々に変わっています。過去には欧州の国が主に受賞し、次第に米国に中心が移っていき、最近では協業の重要性が高まりさまざまな国の学者が共同受賞する傾向が強いです。韓国も卓越した研究者がいないのではなく、遠からず受賞者が出てくるでしょう。
◇研究の質と影響力がノーベル賞の条件
国家的に見れば、1人2人の卓越した研究者がノーベル賞を受賞するかより重要なのは、そうしたノーベル賞級研究者が着実に輩出されるかということです。クラリベイト・アナリティクスが受賞者を予測する方法は核心論文の被引用を分析するものです。1000回以上被引用された論文は全体の0.01%にすぎないが、こうした高被引用論文を発表した研究者がノーベル賞に近いということです。それだけ重要な研究結果なので他の学者が参考(引用)せざるを得ないという意味です。
実際に昨年韓国研究財団が2008~2018年のノーベル賞受賞者の論文を分析した結果、物理学賞受賞者の核心論文は1本あたり平均2330回被引用されました。しかし受賞者ごとに発表した論文件数はまちまちです。数百本発表した研究者もいるが数十本だけ出したケースも少なくありません。多作がそのまま研究の質を意味しないためです。
◇ソウル大学の論文量は世界最上位、高被引用の割合は遅れ
しかし韓国は論文の量を重視する風土が相変わらずです。
オランダのライデン大学が発表する「2021ライデンランキング」によると、2016~2019年の4年間のソウル大学の論文量は1万7289本で世界13位です。米スタンフォード大学の1万6454本、英オックスフォード大学の1万6088本より多いです。延世(ヨンセ)大学が55位、成均館(ソンギュングァン)大学が85位、高麗大学が97位と上位に入りました。
これに対し論文の質といえる分野別被引用上位10%の論文の割合を見ると、ソウル大学が7.5%で世界828位にとどまります。スタンフォード大学の21.7%・5位、オックスフォード大学の18.6%・13位とは大きな差を見せます。
もちろんこうした断片的な数値がノーベル賞を受賞できない理由と断定するのは難しいです。しかし世界的な研究中心大学といわれる所はほとんどが論文量よりは高被引用を記録する論文の割合が高いというのが共通点です。
韓国研究財団の分析によると、研究者が核心研究を始めてからノーベル賞を受賞するまで平均31.9年がかかったといいます。結局長期的観点から研究者を支援できる土台が重要です。研究費を得るため短期間で結果を出さなければならない支援体制では限界は明らかです。
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