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インフレの恐怖に米国債利回り急騰…韓国証券市場まで飛び火

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
インフレの恐怖が株式市場を揺るがした。通貨政策緊縮の懸念で米国債利回りが高騰し米国証券市場が落ち込むと海の彼方の韓国証券市場もともにふらついた。29日には取引時間中に一時韓国総合株価指数(KOSPI)は3050ポイント、KOSDAQ指数は1000ポイントを割り込んだ。

この日のKOSPIは前日より1.22%(37.65ポイント)下落の3060.27で取引を終えた。前日の1.14%に続き2日連続で1%以上落ち込んだ。機関投資家が3125億ウォン、外国人投資家が6591億ウォンを売り、個人投資家がほぼ同規模の9615億ウォンを買った。

この日株価下落の圧力が大きくなったのは半導体業況不安のためだ。米メモリー半導体企業のマイクロンテクノロジーは来年1-3月期の売上予想値を既存の市場見通しの85億ドルより10%低い74億5000万~78億5000万ドルと提示した。その余波でサムスン電子が2.88%、SKハイニックスが2.9%値を下げた。この日両銘柄の時価総額だけで15兆6815億ウォンが蒸発した。


KOSDAQ指数は前日より1.09%(11.05ポイント)下落した1001.46で取引を終え、かろうじて1000ポイントを守った。KOSDAQ下落は機関投資家が主導した。機関投資家が売った1284億ウォン相当を、個人投資家が730億ウォン、外国人投資家が778億ウォンを買った。

2日連続の株価急落は米国のインフレ長期化への懸念で米国債利回りが急騰した余波だ。28日に米国債10年物の利回りは年1.56%まで上昇した。6取引日連続で上昇が続いた。投資家が心理的マジノ線とする年1.5%を上回り市場の不安感は大きくなった。

市場が緊張する雰囲気を見せたのは米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がインフレ長期化に言及してだ。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、パウエル議長は上院金融委員会聴聞会出席に先立ちあらかじめ提出した書面答弁で「物価上昇率がFRBの目標値の2%に低くなると予想するが、物価上昇圧力が予想より長引いている」と明らかにした。「物価上昇は一時的」というこれまでの立場とは温度差がある発言だ。

7月の米国消費者物価指数(CPI)は1年前より5.4%上がった。2008年の金融危機以来、月間物価上昇率としては13年ぶりに最も高かった。パウエル議長は「新型コロナウイルス流行後に経済が回復する中で供給のボトルネック現象と求人難などが続き物価上昇を脅かしている。高物価が続けば物価を目標水準に落とすための手段で対応するだろう」と述べた。

通貨政策緊縮を示唆するパウエル議長のこうした発言に市場は敏感に反応した。28日のニューヨーク証券市場は一斉に下落した。ナスダック指数は前日より2.83%急落し、ダウ指数が1.63%、S&P500指数が2.04%下落した。

ロイター通信は「国際原油価格が3年来の高値を記録し、パウエル議長は供給網のボトルネック現象による物価上昇圧力が持続するという点を認めた。投資家はインフレ圧力に不安を感じ始めた」と指摘した。

米連邦政府の負債限度拡大をめぐる政界のかけひきも証券市場に負担として作用した。

米上院が30日までに臨時予算案と負債限度案を通過させなければ連邦政府は来月1日からシャットダウン(一時的業務中断)に入る。

メリッツ証券のイ・ジンウ投資戦略チーム長は「インフレ長期化による金利引き上げ問題が年初から続いている。電力難などによる中国の経済成長率鈍化も懸念される」と話した。彼は「韓国証券市場にも主導株がないだけに当分はボックス相場が予想される」と説明した。

信栄証券リサーチセンター長のキム・ハクキュン氏は「2月に米国の緊縮懸念でKOSPIが10%ほど調整を受けた。現在はピーク時より6.3%ほど下落した状況で調整の幅が深まる恐れがある」と話した。彼は「ただ、いまの米国の物価上昇は景気好況によるものではなく供給ボトルネック現象による『悪い』インフレであるだけにFRBが緊縮を強行するだろうという市場の懸念は過度だ」と話した。

ウォンは上昇した。この日ソウル外国為替市場でウォン相場値は前日より2.60ウォンのウォン高ドル安となる1ドル=1181.80ウォンで引けた。ウォンは取引時間中に一時1188ウォンまで値を下げたりもしたが、午後に入り中国の不動産企業恒大グループが一部資産売却に成功したことが好感され反騰した。

27日に3年来の高値を記録した国際原油価格は1日ぶりに下落に転じた。28日のブレント原油は前日より0.47%下落した1バレル=78.35ドル、ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は前日より0.21%下落した75.29ドルで取引を終えた。

ドイツ銀行は「エネルギー費用上昇が金利引き上げを加速するのか、エネルギー需要に衝撃を与えながら(金利引き上げ圧力を)緩和するかは明らかでないが、通貨政策対応が難しい状況であることを示唆している」と指摘した。



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