韓国と中国が来年、修交30周年を迎える。中国の王毅国務委員兼外相は15日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領を表敬訪問した席で孔子の「三十而立(三十にして立つ)」に言及した。修交30年の経験を基礎に今後30年の計画をうまく立てようという趣旨だった。
ところが現実には温度差がある。韓中が修交以降、現在ほど心の距離が遠ざかったことはなかったという声が出ている。韓中間の「歴史戦争」「文化衝突」などの言葉が広がり、お互いに対する認識が悪化する傾向だ。
韓中ビジョンフォーラムは27日、第11回会合を開き、「韓中相互否定認識の現況と原因、解消案」をテーマに両国関係を扱った。フォーラムは現場および画像を利用した発表と討論で進行された。
李東律(イ・ドンリュル)同徳女子大中語中国学科教授=現在の韓中間の相互認識は修交以降最も良くない。背景には3つの構造的な問題がある。最初は国力の変化だ。中国は自国の国力がG2レベルに高まったが、韓国は依然として中国を尊重していないと考えている。2つ目は北朝鮮の核と台湾の問題など主な戦略的イシューにおける立場の不一致だ。3つ目は体制と価値の異質性だ。ろうそく革命でより一層民主化した韓国は、習近平主席の中国権威主義体制に強い反感を抱く。こうした構造的な流れの中でTHAAD(高高度防衛ミサイル)をめぐる葛藤やキムチ紛争など個別の悪材料が生じている。どう解決すべきなのか。まず、お互いよく知っていると考える隣国症候群から抜け出し、勉強することが求められる。そして体制と価値が違う点を認めて出発した修交当時の認識を思い出す必要がある。経済協力および人的交流という2つの軸で実利的に中国に接近しなければいけない。また、北朝鮮の核問題をめぐる韓中の葛藤は、韓国政府が単任制の短期間内に大きな問題を解決しようとして形成される悪循環であることを認識することが重要だ。来年、韓国は大統領選挙、中国は党大会など指導部交代行事が予定されている。政治的に非常に敏感な時期だ。両国ともに慎重な姿勢が求められる。
イ・ウクヨン西江大中国文化学科教授=韓中の相互嫌悪は両国のMZ世代、特に10代に近いほど強い。韓中の未来を考えると深刻な問題だ。なぜ若い世代であるほど反感が強いのか。中国の青年世代は政治的な影響を大きく受ける。中国は不当な圧力を受けていて自分が守らなければいけないという愛国主義が文化保守主義として表れる。半面、韓国の若い世代は新型コロナ、文化起源論争などを経て反中感情が拡大した。最近は韓国を南朝鮮、中国を中共とお互い見下して呼ぶのが流行している。こうした相互嫌悪は根本的な治癒が難しく、うまく管理しなければいけない。したがってまずは両国メディアおよび専門家グループの正確な事実指摘が求められる。ネットユーザーの誤解を防ぐということだ。さらに中国世論のカギを握る中国政府と党の役割が重要になる。また、韓中の青年交流を単純な「人的交流」中心から就職や創業など両国青年の共通関心事を中心にする「事案交流」に転換するのがよい。中国内の韓流ファンだけをターゲットとする我々の広報戦略も見直すべきだろう。さらに韓国の中国嫌悪が無条件嫌悪に向かうのを防がなければいけない。そうなってしまうと嫌悪遊びに転落し、我々の社会の健全性を害することもある。
辛正承(シン・ジョンスン)元駐中大使(司会)=韓中の国民間の友好は両国発展の健康な基礎となる。ところが修交30年が近づく今、両国国民の心の距離がますます遠ざかっているという話が出ている。韓中関係は今まで安全保障の側面での安定した韓半島(朝鮮半島)状況管理と経済的レベルの協力を2つの軸として発展してきたが、今では限界に直面した格好だ。新たな韓中関係30年のための知恵を出し合ってほしい。
李熙玉(イ・ヒオク)成均館大政治外交学科教授=韓中間の否定的な認識は構造と局面の性格を帯びていて、解決方法を探すのは容易でない。我々はその間、静態的な安定に焦点を合わせて韓中関係を管理してきた。危機が水面上に浮かばないように抑えるというものだ。これは弥縫策に該当する。韓中関係を動態的な安定構造に転換しなければいけない。そのためには政府レベルの介入より、韓中の知識人が共に対話し、賢人クラブなどが安定的に作動しながら代案を用意して共感を形成するなど、集団知性を通した関係管理が必要だ。
キム・インヒ東北アジア歴史財団研究委員=中国国内の嫌韓情緒の最も大きな要因は文化だ。2004年から現在まで中国内の嫌韓事件は60件ほどだが、このうち文化関連が54%を占める。中国ネットユーザーは韓国が中国の文化起源を認めないとして攻撃する。過去に韓国が中国の文化を奪ったとして「文化泥棒」だという。ところがTHAAD事態以降、韓国は中国の「文化属国」だと主張する。朝鮮の官服を明国が下賜したので朝貢体系を認めろということだ。これは国際秩序に関連する問題となる。米中対立の局面で米国を選択せずに中国を選択しろという無言の圧迫ということだ。
【韓中ビジョンフォーラム】 「韓国、譲歩できないラインは守るべき」(2)
ところが現実には温度差がある。韓中が修交以降、現在ほど心の距離が遠ざかったことはなかったという声が出ている。韓中間の「歴史戦争」「文化衝突」などの言葉が広がり、お互いに対する認識が悪化する傾向だ。
韓中ビジョンフォーラムは27日、第11回会合を開き、「韓中相互否定認識の現況と原因、解消案」をテーマに両国関係を扱った。フォーラムは現場および画像を利用した発表と討論で進行された。
李東律(イ・ドンリュル)同徳女子大中語中国学科教授=現在の韓中間の相互認識は修交以降最も良くない。背景には3つの構造的な問題がある。最初は国力の変化だ。中国は自国の国力がG2レベルに高まったが、韓国は依然として中国を尊重していないと考えている。2つ目は北朝鮮の核と台湾の問題など主な戦略的イシューにおける立場の不一致だ。3つ目は体制と価値の異質性だ。ろうそく革命でより一層民主化した韓国は、習近平主席の中国権威主義体制に強い反感を抱く。こうした構造的な流れの中でTHAAD(高高度防衛ミサイル)をめぐる葛藤やキムチ紛争など個別の悪材料が生じている。どう解決すべきなのか。まず、お互いよく知っていると考える隣国症候群から抜け出し、勉強することが求められる。そして体制と価値が違う点を認めて出発した修交当時の認識を思い出す必要がある。経済協力および人的交流という2つの軸で実利的に中国に接近しなければいけない。また、北朝鮮の核問題をめぐる韓中の葛藤は、韓国政府が単任制の短期間内に大きな問題を解決しようとして形成される悪循環であることを認識することが重要だ。来年、韓国は大統領選挙、中国は党大会など指導部交代行事が予定されている。政治的に非常に敏感な時期だ。両国ともに慎重な姿勢が求められる。
イ・ウクヨン西江大中国文化学科教授=韓中の相互嫌悪は両国のMZ世代、特に10代に近いほど強い。韓中の未来を考えると深刻な問題だ。なぜ若い世代であるほど反感が強いのか。中国の青年世代は政治的な影響を大きく受ける。中国は不当な圧力を受けていて自分が守らなければいけないという愛国主義が文化保守主義として表れる。半面、韓国の若い世代は新型コロナ、文化起源論争などを経て反中感情が拡大した。最近は韓国を南朝鮮、中国を中共とお互い見下して呼ぶのが流行している。こうした相互嫌悪は根本的な治癒が難しく、うまく管理しなければいけない。したがってまずは両国メディアおよび専門家グループの正確な事実指摘が求められる。ネットユーザーの誤解を防ぐということだ。さらに中国世論のカギを握る中国政府と党の役割が重要になる。また、韓中の青年交流を単純な「人的交流」中心から就職や創業など両国青年の共通関心事を中心にする「事案交流」に転換するのがよい。中国内の韓流ファンだけをターゲットとする我々の広報戦略も見直すべきだろう。さらに韓国の中国嫌悪が無条件嫌悪に向かうのを防がなければいけない。そうなってしまうと嫌悪遊びに転落し、我々の社会の健全性を害することもある。
辛正承(シン・ジョンスン)元駐中大使(司会)=韓中の国民間の友好は両国発展の健康な基礎となる。ところが修交30年が近づく今、両国国民の心の距離がますます遠ざかっているという話が出ている。韓中関係は今まで安全保障の側面での安定した韓半島(朝鮮半島)状況管理と経済的レベルの協力を2つの軸として発展してきたが、今では限界に直面した格好だ。新たな韓中関係30年のための知恵を出し合ってほしい。
李熙玉(イ・ヒオク)成均館大政治外交学科教授=韓中間の否定的な認識は構造と局面の性格を帯びていて、解決方法を探すのは容易でない。我々はその間、静態的な安定に焦点を合わせて韓中関係を管理してきた。危機が水面上に浮かばないように抑えるというものだ。これは弥縫策に該当する。韓中関係を動態的な安定構造に転換しなければいけない。そのためには政府レベルの介入より、韓中の知識人が共に対話し、賢人クラブなどが安定的に作動しながら代案を用意して共感を形成するなど、集団知性を通した関係管理が必要だ。
キム・インヒ東北アジア歴史財団研究委員=中国国内の嫌韓情緒の最も大きな要因は文化だ。2004年から現在まで中国内の嫌韓事件は60件ほどだが、このうち文化関連が54%を占める。中国ネットユーザーは韓国が中国の文化起源を認めないとして攻撃する。過去に韓国が中国の文化を奪ったとして「文化泥棒」だという。ところがTHAAD事態以降、韓国は中国の「文化属国」だと主張する。朝鮮の官服を明国が下賜したので朝貢体系を認めろということだ。これは国際秩序に関連する問題となる。米中対立の局面で米国を選択せずに中国を選択しろという無言の圧迫ということだ。
【韓中ビジョンフォーラム】 「韓国、譲歩できないラインは守るべき」(2)
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