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再び吹くテコンドー韓流(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版

米バージニア州のテコンドー道場で子どもたちが板割りを終え喜んでいる。テコンドー道場は韓国式の学童保育の役割で父兄に人気が高い。[写真 チェ・スンミン]

「K-POPや韓国ドラマも驚くほどだが、テコンドーは私が経験した韓国文化のうち最も立派なもののひとつだ。韓国人の正体はいったい何なのか」

「BTSも好きだがテコンドーをまた見ることになった。パンデミックが終わったら韓国に絶対行ってみたい」。

米国でテコンドーブームが再び吹いている。16日に世界テコンドー連盟傘下のテコンドー模範競技団が米カリフォルニア州ロサンゼルスのドルビーシアターでNBCの生放送『アメリカズ・ゴット・タレント』決勝戦を行った。同番組の優勝賞金は約11億ウォンで、視聴者数1000万人に、視聴率トップを争う米国最大のオーディション番組として知られる。模範競技団はあたかも空を飛ぶような高飛び蹴り、節制された群舞などを披露した。米国の視聴者の反応は熱かった。インターネット掲示板などには模範競技団の驚くほどの公演に賛辞があふれた。この日模範競技団は優勝を逃したが、この2カ月ほどにわたり現地では大きな話題を集めた。


◇シリア難民キャンプの子どもたちにも教える

番組進行者でスポーツスター出身のテリー・クルーズは「私は人生でこうしたものをただの一度も見たことがない。テコンドーは戦いに関するものではない。勇気、自信、そして尊敬・尊重に関するものだ」と絶賛した。観客と視聴者をひきつけたのは模範競技団の華麗な撃破と群舞のためだけではない。彼らが伝えるメッセージのためというのが米国現地の反応だ。彼らは公演が終わるころ「平和は勝利より尊い」(Peace is more precious than Triumph)という言葉が書かれた垂れ幕を広げた。この言葉は世界テコンドー連盟のチョ・ジョンウォン総裁の祖先で慶熙(キョンヒ)大学創設者であるチョ・ヨンシク博士が残した言葉だ。この言葉は模範競技団が海外公演のたびに現地で伝えるメッセージだ。2018年6月のバチカン公演の際もこれを見たフランシスコ教皇が大きく感動したという。

テコンドー模範競技団が伝えるこうした精神は、実際に海外各地で展開される活動の中でよく現れる。シリアの難民キャンプで現地の子どもたちにテコンドーを教えるのが代表的だ。世界テコンドー連盟関係者は「テコンドーは単純な格闘技や武術を超え、平和と希望を伝える媒介。戦争と災害で苦しみを経験する子どもと青年たちに夢を与えることが大きな目的だ」と話した。

現在世界テコンドー連盟に加盟した国は210カ国だ。国連加盟国の193カ国より多く、国際サッカー連盟(FIFA)加盟国の211カ国と同水準だ。世界のテコンドー修練生は1億人を超えたと推定される。10年ほど前までテコンドーが柔道やボクシングのようなひとつのスポーツ種目程度で認識されていたなら、現在米国など各国では単純に技術と体力鍛練のほか、学校教育をはじめ精神と文化伝播の媒介として重要な役割をしていると評価される。

2007年に米マサチューセッツで設立された全米テコンドー教育財団は米州11地域を中心に400校を超える公立学校にテコンドーを正規教育課程として開設し運営している。また、米全域にある多くのテコンドー道場では韓国型放課後プログラムを開き、米国の父兄の間で人気が高い。韓国のように放課後に塾に通う文化がほとんどない米国でテコンドー道場は一種の学童保育のような役割をするものだ。テコンドー道場ではテコンドーの「型」と撃破など技術的な部分のほかにも韓国式のお辞儀のようなしつけ教育を必ず教える。また、子どもたちの誕生日パーティをし、放課後の給食提供までしており、共働きをする米国の父兄から「米国で見られなかった新しいスポーツセンター」という反応を引き出した。


再び吹くテコンドー韓流(2)

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