韓国の公正取引委員会（公取委）がグーグルの「ＯＳ独占」に対して課徴金２０７４億ウォン（約１９４億円）を賦課した後、ユーチューブのスーザン・ウォシッキー最高経営責任者が１５日「グーグルは韓国の消費者に１１兆９０００億ウォンの便益を提供した」と主張するなど、論争が続いている。公取委は前日、グーグルが自社のＯＳ使用を強要する行為を制裁するという決定を出した。

◆米・ＥＵは「グーグル検索独占」に焦点

これに先立ち欧州と米国もグーグルに制裁を加えたり訴訟を提起したりしたが、アプローチは韓国の公取委と異なった。２０１８年に競争当局の欧州欧州委員会（ＥＣ）はグーグルに課徴金５兆６５００億ウォンを賦課した。ＥＣはＯＳよりもグーグルのモバイル検索市場独占をターゲットにした。グーグルがアンドロイドＯＳを利用してスマートフォンにプレイストアとグーグル検索を必須とし、消費者の選択権を制限したという構造だ。


米国の競争当局の役割をする司法省は昨年１０月、グーグルを相手に反独占法違反訴訟を提起した。司法省はＥＣと同じくグーグルがサムスン・ＬＧなど製造企業と契約を結んでグーグル検索が搭載された携帯電話を販売するようにしたと見なした。米国はさらに一歩進んで、グーグルが人工知能（ＡＩ）スピーカーなどでもグーグル検索を利用させ、その他のスマート機器でも検索エンジンが独占されているとみている。

◆韓国「プレイストアのため独占契約」

米国とＥＵはグーグルがＯＳを利用してアプリマーケットと検索市場を独占した点を問題にしたが、韓国公取委はグーグルがプレイストアを利用してＯＳのシェアを高めてきたと指摘した。趙成旭（チョ・ソンウク）公取委員長は１４日、「アンドロイドでアプリをダウンロードするためにはプレイストアが必須であるため、機器メーカーはグーグルのＯＳだけを使用する契約を結ぶしかなかった。メーカーがＯＳを変形して使用する場合、プレイストア使用権限が剥奪された」と説明した。グーグル検索は問題にしなかった。

業界ではグーグルの検索市場シェアの差が判断を分けたという分析が出ている。欧州は２０１４年にすでにグーグルの検索エンジン市場シェアが９０％を超えていた。米国でも司法省Jが訴訟を提起した当時、グーグルのシェアが９０％に近かった。一方、トラフィック分析サイトのインターネットトレンドによると、２０１６年の韓国公取委の調査着手当時、グーグルの国内検索エンジンシェアは３３．９％だった。ネイバー（５６．４％）とダウム（５．２％）が６０％以上を占めた。今年１月から先月までのグーグルの国内検索シェアも３６．５％にすぎない。依然としてネイバーが１位、ダウムが３位だ。

◆グーグルの検索市場シェア拡大なら追加制裁の可能性

韓国国内の検索市場が維持されているため、公取委の制裁はＯＳ独占に集中したという解釈が出ている。プラットホーム規制の中心に立つネイバー・カカオがグーグルの独占を防ぐという逆説的な現象だ。公取委の関係者は「公取委の調査は基本的に市場状況に合わせて進められる」と話した。ただ、グーグルが国内でも検索エンジン市場シェアを高めているだけに、業界では公取委が今後ＥＣのような制裁を追加する可能性があるという声も出ている。