国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長
IOCの対北強硬策には「不敬罪」が根底にある。当初、韓国政府は2032年夏季五輪の南北共同開催を推進していた。韓国政府の意志の伝達を受けたIOCが北側に数回意志の確認を行ったが北朝鮮は黙殺無返答で一貫した。米国のIOC消息筋は中央日報に対して「『スポーツを通した平和増進』は五輪精神の主要な柱である以上、IOCも開かれた姿勢で検討したと承知している」と話した。そのようなIOCに北朝鮮が無視戦略を使って災いを自ら招いたといえる。2032年五輪開催地はオーストラリア・ブリスベンに確定した。これに加えてIOCが新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)拡大にも甘んじながら開催した東京五輪に北朝鮮が選手団を派遣しないと一方的に通知したことが決定打となった。
トーマス・バッハ会長はスイス・ローザンヌのIOC本部で開いたオンライン記者会見で「北朝鮮オリンピック委員会が東京五輪に一方的に選手団を派遣しなかった」とし「来年末まで財政的支援を受けることができず、その間の制裁によって保留されている(金銭的)支援を受けられるかどうかも不透明」と説明した。バッハ会長の北朝鮮に対する深い失望感を反映している。