サムスン電子がテイラー市への半導体工場投資計画を確定し発表すれば、工事は早ければ来年初めに始まり２０２４年下半期に終わる見通しだ。テイラー市は２０１９年基準で人口１３万８０００人の中小都市だ。農業と牧畜、観光業などが主要産業だ。オースティン工場からテイラー市ＩＳＤまでは４０キロメートルほど、自動車で３０分の距離だ。

◇「工場二元化すれば安定的運営可能」

サムスンが既存のオースティン工場増設の代わりに新たな用地を物色したのは、今年初めのオースティン工場の稼動中断が影響を及ぼしたという分析もある。２月にテキサス州で起こった寒波による停電オースティン工場は１カ月ほど稼動中断に追い込まれた。


半導体業界関係者は「当時操業中断で４０００億ウォン台の損失を出したという。生産施設を二元化すれば工場造成と用水・電気などのコストは増えるが、安定的運営が可能という利点がある」と説明した。

今回の決定はサムスン電子が先月２４日に発表した今後３年で２４０兆ウォンを投資し、４万人を新規雇用するという計画を具体化するものだ。国内に１８０兆ウォン、海外に６０兆ウォンを投資するという内容だ。サムスンは李在鎔（イ・ジェヨン）サムスン電子副会長が仮釈放されてから１１日でこうした投資・雇用計画を出した。

◇米投資督励に前向きに回答、生存戦略でもある

米国政府の現地投資督励に前向きに答えるという意味も込められた。これまでバイデン米大統領と米国政府は「半導体やバッテリーなど主要戦略品目のサプライチェーンを強化する」としてサムスン電子などに対し投資を圧迫してきた。

ファウンドリーでサムスンが猛追撃している世界１位の台湾ＴＳＭＣは今後３年間に１０００億ドルを投じて米国内６カ所に工場を作ると明らかにした状態だ。ファウンドリー再進出を宣言したインテルのゲルシンガー最高経営責任者（ＣＥＯ）は「クアルコムとアマゾンを顧客として確保した」と明らかにしサムスンを刺激している。

漢陽大学融合電子工学部のパク・ジェグン教授は「米国が半導体覇権を主導し、インテルやＴＳＭＣが積極的に参入しており、サムスンとしては危機状況。特にナノプロセスで有利な競争構造に持っていくためには米国への投資がさらにスピードを出さなければならない」と強調した。

一方、李副会長は今週２度法廷に立たなければならない。プロポフォールの違法投薬容疑に対する公判（７日）と、サムスン物産・第一毛織の不当合併関連公判（９日）が予定されている。


サムスン、米国新半導体工場テイラーに決定…早ければ週内にも発表（１）