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菅首相、支持率低下で持ちこたえられず1年で退任へ

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
菅義偉首相が3日、自民党総裁選への不出馬を表明した。菅首相はこの日、首相官邸で記者会見を開き、29日に予定された総裁選に立候補しないことを明らかにした。これで菅首相は今月末の総裁任期満了後、就任1年で首相から退くことになった。

菅首相は不出馬の理由について「コロナ対策に専念するため」と述べた。しかし日本メディアは「総裁選で勝つ可能性が消えたため」と分析した。菅首相の誤算は衆議院の解散時期を9月以降にしたところから始まった。新型コロナの感染拡大が収まらない状況で東京オリンピック(五輪)以降に選挙を先送りする勝負に出た。実際、菅首相は周囲に「8月ごろにはコロナがある程度落ちつくのではないか」と話していたという。

しかし五輪以降、コロナ状況はさらに深刻になり、支持率も26%まで落ちた。自民党の若手議員を中心に「菅首相を顔にすれば衆院選で勝つのは難しい」という声も高まった。こうした状況で菅首相が取り出した2枚のカードは結局、ブーメランとなって戻ってきた。


最初のカードは党幹部の早期交代だ。二階俊博幹事長など自身を支えてきた幹部を降ろして斬新な人物を登用し、雰囲気の反転を図ろうとした。しかし「自身の再任のために苦労した人たちを犠牲にしている」という反発が党内に急速に広がった。2枚目のカードは「先に衆議院解散、後に総裁選出」戦略だ。いま自民党の総裁選をすれば勝つ可能性が低いとみて、衆院選を先に実施して勝利に導いた後、総裁選に出馬するという戦術に出た。しかしこうした方針に直ちに反旗を翻したのは安倍晋三前首相だった。菅首相の後見人だった安倍前首相は菅首相に電話をかけ、総裁選出前の衆院解散は絶対にいけないと伝えた。安倍前首相が属する細田派に次ぐ派閥である麻生派の麻生太郎副総理もこれに加勢した。菅首相の人気が低い中で一時的な政権延命のために自民党全体が火の中に飛び込むことはできないという主張だった。事実上、安倍・麻生同盟が菅首相を放り出したということだ。

菅首相はやむを得ず党幹部の人事という最後の起死回生カードを抜いたが、これも後任候補が決まらなかった。このような状況を迎えると、菅首相は持ちこたえるのが難しくなった。ちょうど1年前、敵がいないという理由から幅広い支持を受けて首相に選ばれた菅首相が、今度は味方がいない「無派閥」の困難に直面したのだ。菅首相の退任表明後の緊急世論調査で回答者の85%は「よく判断した」と答え、日経平均株価も2.02%上昇した。

菅首相の退陣で自民党総裁選は新たな局面に入るとみられる。現地では河野太郎規制改革相(58)、石破茂元防衛相(64)、岸田文雄元外相(64)の三つ巴を予想している。現在は岸田元外相だけが出馬を公式化した状況だが、結局は3人の候補とも出馬するというのが共通した見方だ。菅首相体制で総選挙を迎えることを望んでいた野党は困惑している。日本メディアは「大衆的な人気が高い河野規制改革相または石破元防衛相が自民党総裁になる場合、野党としては厳しい総選挙になるはず」と予想している。



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