韓国京畿道（キョンギド）に住む主婦のチャンさん（５６）は、先月新型コロナウイルス感染症（新型肺炎）ワクチン接種を受けた後、閉経して止まっていたはずの生理が再び始まったという。チャンさんは「昨年初めに閉経したが、ワクチンを接種して２日後、突然、生理のような出血があり１週間も続いた」とし「このような副反応（副作用）があるとは知らなかったが、周囲に私のほかにも同じような症状が出た知人が２人もいた」と話した。チャンさんは「突然の出血なので驚いて病院に行ったが、体には異常がないので、出血が続く場合はまた来院するように言われた」と伝えた。チャンさんの症状は１週間後に消えた。

チャンさんのように新型コロナワクチンを接種した後、不正出血（生理周期外にみられる異常出血）や月経異常症状が現れたと訴える女性が相当数いることが分かった。韓国政府は今後、関連事例の報告を積極的に受けて、接種との因果関係を調査すると明らかにした。

新型コロナウイルス予防接種対応推進団のチョ・ウンヒ安全接種管理班長は１日、オンライン会見で「月経異常に対する関連性が公式に国外でも提示されたことはないが、当局が資料を収集して申告を受け、それに対する関連性や因果関係があれば早期に案内したい」と話した。


ワクチン接種以降、普段より生理周期が長くなったり、生理量が過度に増えたりしたという事例も報告されている。会社員のイさん（２９）は先月、生理周期が始まる初日にワクチンを接種した。普段は５日ほどで終わる生理が、接種以降２週間近く続いたという。イさんは「生理量もかなり増えて、１０日間ずっと、多い日用ナプキンを使うほどだった」とし「次の周期の時は大丈夫なのか心配になる」と話した。

ＳＮＳやオンライン掲示板などにはワクチン接種後に月経異常が現われたという経験談が数多く共有されている。前日には青瓦台（チョンワデ、大統領府）国民請願掲示板に「女性不正出血を新型コロナワクチン副反応として申告することができるようにしてほしい」という投稿文が登場した。投稿者は「女性が新型コロナワクチン接種後、生理周期ではないのに不正出血が発生する事例が頻繁にあるが、ワクチン接種副反応として申告さえ受け入れてもらえず苦しい現実」としながら「女性には生理期間ではない時期に発生する下血は一番怖いことだが、病院に行っても避妊薬を処方してもらうかタイレノールを服用するよう言われるだけ」と主張した。

推進団はこのような主張と違い、現在新型コロナワクチン接種者が経験するすべての異常反応に対して申告は受け付けていると説明した。チョ班長は「（月経異常を）予防接種異常反応対象としてみなさないという基準はない」とし「接種後の因果性の有無とは関係なく、すべての兆候や症状、疾患について受け付けている」と明らかにした。ただし、広く知られた副反応でなければ「その他」項目で報告をしなければならないため生じた誤解だという説明だ。現在、韓国でどれくらい多くの女性がワクチン接種後の生理周期変化や異常膣出血症状を経験しているのかは不明だ。推進団関係者は「まだ公式的な報告はほとんどない」と話した。チョ班長は「一時的な症状で異常反応報告まではしないためそうなのだと思う」と付け加えた。

ソウル聖母病院産婦人科教授で大韓産婦人科学会副報道担当のパク・イニャン氏は「ワクチンを接種すれば抗原に対して抗体が作られるが、人間の体が免疫反応を作り出す過程が大きく現れるならストレスになり得る」とし「脳下垂体や卵巣、子宮内膜が三重奏で生理周期を作り出しているが、このうち一つふたつが免疫反応から影響を受けてバランスが崩れれば、月経異常として現れる場合もあると考えられる」と推定した。ただし、パク氏は「現在の時点では、月経異常は一時的な症状で医学的に調節可能であるため、接種するべきかどうかを考えるなら接種をするほうが安全」と明らかにした。


「ワクチン接種後に月経異常反応」相当数…韓国政府「因果関係調査」（２）