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人を空中に吊るす…米国が残したブラックホークを飛行させたタリバン

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

タリバン軍が米軍が残していったと推定される軍用CH-47チヌークヘリコプター側に近づいている(写真 タリブタイムス)

アフガニスタンのカンダハル地方で米軍ヘリコプター「ブラックホーク」の試験飛行場面が30日(現地時間)確認された。アフガニスタン全域を占領したタリバンが、米軍が残していったヘリコプターを試験飛行させたとみられる。複数の映像と写真には正体不明の人物がヘリコプターに吊るされている場面もあった。



ブッシュ政権で国家安全保障会議(NSC)中東および北アフリカ首席局長を務めた米シンクタンク「ハドソン研究所」のマイケル・ドーラン研究員はツイッターで、この映像について「『我々は勝者(Top dog)になった』と宣言したタリバンは米国のヘリコプターを復讐殺人(revenge killing)に使っている」とコメントした。米連邦主義者論集(The Federalist Papers)のカルマイン・サビア主筆も「これがバイデン政権が実用主義的でビジネス的だと言ったタリバン」とし「米国のブラックホークヘリコプターに米国人通訳を吊るしている」と主張した。


ニューヨーク州ダッチェス郡のマルク・モリーナロ行政官も関連映像を共有し、「この政府は世界で最も強力な軍事武器をタリバンに渡した」と一喝した。テッド・クルーズ上院議員(共和党)の広報補佐官は「タリバンがブラックホークヘリコプターを使うことにぞっとする」とコメントした。

ヘリコプターに吊るされた男性の正体はまだ確認されていない。ただ、タリバンが7月からツイッターでサービスを始めたと推定される英字メディアのタリブタイムスはこの映像について「わが空軍! イスラム首長国の空軍ヘリコプターがカンダハル市を飛行し、市を巡察している」と伝えた。

タリブタイムスは米軍がカブールから完全に撤収した31日、「イスラム首長国軍がカブール空港に入っている」とし、タリバン軍が米軍が残していったと推定される軍用CH-47チヌークヘリコプター側に近づく映像も掲載した。タリブタイムスは7月からツイッターサービスを始め、「イスラム首長国の公式立場を伝える英字メディア」と紹介している。イスラム首長国(Islamic Emirate Afghanistan)はタリバン勢力が1996年にアフガニスタンに樹立した国名であり、再執権と同時にこの国号を使用すると明らかにした。

タリバンの報道官は米軍が軍撤収期限前日の30日午後11時ごろカブールを離れると、一斉に「完全な独立」を宣言した。タリバンの隊員は夜中にカブール市内で祝砲と礼砲を1時間ほど発射した。

米中央軍のケネス・マッケンジー司令官は画像ブリーフィングで「米国は地上に最後に駐留した時間に米軍の武器システムとその他の装備が作動しないよう防止措置を取った」と述べた。しかしタリバンがブラックホークを操縦する場面が登場し、こうした措置がまともに作動しているのかという疑問の声が出ている。

これに先立ちサリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は17日、「米国防物資がタリバンの手に渡った過程をまだ完全に把握していない」と述べた。続いて「ブラックホークはタリバンに与えられたのではない」とし「(ブラックホークは)ガニ大統領がアフガニスタンを自ら防御できるよう要請したことを受け、アフガニスタン国家安全保障軍に提供された」と明らかにした。

アフガニスタン空軍は6月まで167機の航空機を運用していたと報告された。ここには33機のブラックホーク、3機のC-130ハーキュリーズ航空機、23機のA-29軽攻撃機、33機のAC-208航空機、43機のMD530ヘリコプター、32機のMi-17ヘリコプターが含まれているという。

アフガニスタン参戦経歴があるジム・バンクス下院議員(共和党)は「米国の性急な後退で850億ドル(約9兆3630億円)相当の装備がタリバンに渡った」と指摘した。



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