韓国唯一のハイブリッド宇宙ロケットスタートアップ「イノSPACE」のキム・スジョン代表は最近、頭を抱えている。来年6月、ブラジルのアルカンタラ射場で予定されている15トン試験発射体「ハンビッ号」の初の打ち上げを控えて越えなければならない山が少なくないためだ。忠清南道錦山(チュンチョンナムド・クムサン)の燃焼試験場で27日から始まった水平燃焼試験には大きな問題がない。だが、発射許可を受けるためには実際の状況のようにロケットを垂直にして燃焼試験を行わなければならないが、今の場所では難しい。全羅南道高興(チョルラナムド・コフン)などの施設と垂直燃焼試験場の設立のために協議を重ねているが、日程を合わせるのが容易ではない。
大田(テジョン)のメタン基盤小型液体宇宙ロケットスタートアップ「ペリジエアロスペース」はイノSPACEよりも状況がさらに厳しい。今年末までに初めての液化メタン基盤試験発射体「ブルーホエール1号」を高度100キロメートル以上の宇宙に打ち上げる計画だったが、まだ本格的な燃焼試験はもちろん、発射場も確定することができないでいる。日程を延期して発射体も1・2段に分けて打ち上げる方法も悩んでいる。当初は年内にオーストラリア西部の発射場で初めて試験発射体を打ち上げる予定だったが、最近発射場計画を済州島(チェジュド)に変更して協議を進めている。新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の大流行などで状況が複雑になったためだ。
韓国内の民間宇宙発射体スタートアップが発射場と燃焼試験場を探すことができず、厳しい状況に置かれている。最高経営責任者(CEO)の主要業務の一つが候補先に出向いて直接見て回り、地域の敬老堂(地域の高齢者が集まって余暇を過ごす施設)に訪れてあいさつすることになったほどだ。全羅南道高興の外羅老島(ウェナロド)に羅老宇宙センターがあるが、今年10月に初の打ち上げを控えた韓国型発射体(KSLV-2)ヌリ号プロジェクトを進めている韓国航空宇宙研究院(航宇研・KARI)専用施設なので民間企業は使用することができない。
このような事情のため、科学技術情報通信部が今年6月、羅老宇宙センターの敷地の近くのチョンソックムという場所に民間発射場を建設するという計画を発表したが、完工時点が2024年末だ。韓国に2つしかない宇宙発射体企業「イノSPACE」と「ペリジエアロスペース」の立場では少なくとも3年以上は待たなければならない。航宇研のヌリ号技術を継承して宇宙発射体市場に参入することが発表されたハンファエアロスペースもこの問題から自由ではない。世界宇宙産業がすでにニュースペース(New Space)という新しいトレンドの下で民間企業間がしのぎを削っている点を考えれば、韓国の宇宙企業は手足が縛られている局面だ。
韓国の宇宙発射場の環境は劣悪だ。国土が狭くて少なくとも200万平方メートル(約60万坪)以上の敷地が求められる発射場の環境を備えるのが難しい。韓半島(朝鮮半島)近隣には海上・航空の交通が多いため発射時点を決めるのも容易ではない。発射場はさておき燃焼試験場を建設しようとしても地域住民や環境団体など各種市民団体の反対に合うのは避けられない。韓半島南端にある国内唯一の羅老宇宙センターも発射場の立場としての条件は制限的だ。自由に宇宙ロケットを発射できる角度が15度にすぎない。地理的にも韓半島東側に日本が、西側には中国とフィリピンがあるためだ。
【コラム】「どこか良いところはないか」…発射場を求めさまよう韓国宇宙企業(2)
大田(テジョン)のメタン基盤小型液体宇宙ロケットスタートアップ「ペリジエアロスペース」はイノSPACEよりも状況がさらに厳しい。今年末までに初めての液化メタン基盤試験発射体「ブルーホエール1号」を高度100キロメートル以上の宇宙に打ち上げる計画だったが、まだ本格的な燃焼試験はもちろん、発射場も確定することができないでいる。日程を延期して発射体も1・2段に分けて打ち上げる方法も悩んでいる。当初は年内にオーストラリア西部の発射場で初めて試験発射体を打ち上げる予定だったが、最近発射場計画を済州島(チェジュド)に変更して協議を進めている。新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の大流行などで状況が複雑になったためだ。
韓国内の民間宇宙発射体スタートアップが発射場と燃焼試験場を探すことができず、厳しい状況に置かれている。最高経営責任者(CEO)の主要業務の一つが候補先に出向いて直接見て回り、地域の敬老堂(地域の高齢者が集まって余暇を過ごす施設)に訪れてあいさつすることになったほどだ。全羅南道高興の外羅老島(ウェナロド)に羅老宇宙センターがあるが、今年10月に初の打ち上げを控えた韓国型発射体(KSLV-2)ヌリ号プロジェクトを進めている韓国航空宇宙研究院(航宇研・KARI)専用施設なので民間企業は使用することができない。
このような事情のため、科学技術情報通信部が今年6月、羅老宇宙センターの敷地の近くのチョンソックムという場所に民間発射場を建設するという計画を発表したが、完工時点が2024年末だ。韓国に2つしかない宇宙発射体企業「イノSPACE」と「ペリジエアロスペース」の立場では少なくとも3年以上は待たなければならない。航宇研のヌリ号技術を継承して宇宙発射体市場に参入することが発表されたハンファエアロスペースもこの問題から自由ではない。世界宇宙産業がすでにニュースペース(New Space)という新しいトレンドの下で民間企業間がしのぎを削っている点を考えれば、韓国の宇宙企業は手足が縛られている局面だ。
韓国の宇宙発射場の環境は劣悪だ。国土が狭くて少なくとも200万平方メートル(約60万坪)以上の敷地が求められる発射場の環境を備えるのが難しい。韓半島(朝鮮半島)近隣には海上・航空の交通が多いため発射時点を決めるのも容易ではない。発射場はさておき燃焼試験場を建設しようとしても地域住民や環境団体など各種市民団体の反対に合うのは避けられない。韓半島南端にある国内唯一の羅老宇宙センターも発射場の立場としての条件は制限的だ。自由に宇宙ロケットを発射できる角度が15度にすぎない。地理的にも韓半島東側に日本が、西側には中国とフィリピンがあるためだ。
【コラム】「どこか良いところはないか」…発射場を求めさまよう韓国宇宙企業(2)
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