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【社説】軍将兵に「ノーマスク実験」危険千万だ=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

文在寅大統領が4日に青瓦台で開かれた軍主要指揮官報告会議で、兵営でのノーマスク実験を指示したことが明らかになった。当時会議には文大統領、兪英民秘書室長、徐薫国家安保室長、徐柱錫国家安保室第1次長のほか徐旭国防部長官と軍首脳部が参加した。大統領の実験指示に医師出身である李震錫国政状況室長と奇牡丹防疫企画官が介入したのかが争点に浮かび上がっている。[写真 青瓦台]

◇大統領の指示で疾病管理庁も知らないまま推進

文在寅(ムン・ジェイン)大統領が軍将兵を対象に兵営での「ノーマスク実験」を非公開で指示したことから国防部が実際に実験を検討中である事実が明らかになった。何より大統領の指示を新型コロナウイルス防疫の核心である疾病管理庁すら知らなかったというので大きく懸念される。

青瓦台(チョンワデ、大統領府)と韓国政府はこれまで文大統領の兵営ノーマスク実験指示の事実を国民に知らせなかったが、野党「国民の力」の河泰慶(ハ・テギョン)議員が情報提供を受けて27日に公開すると、遅れて事実を認めた。これによると、文大統領は4日の軍主要指揮官報告の席で、軍内接種率が94%を超えたことから集団免疫効果、変異株対応性、感染者の致命率などに対する観察とテストを推進するよう指示したという。


国防部は大統領の指示を根拠に明示して「兵営のコロナ防疫緩和方策を検討してほしい」という公文書を18日に疾病管理庁中央防疫対策本部に伝えたという事実も認めた。ところが疾病管理庁は「兵営内ウィズコロナ推進に関し(大統領の指示前に)議論したことはない」と明らかにし、防疫専門家が集まっている疾病管理庁も知らずに大統領の指示がなされたという指摘が出ている。

河議員は「国軍統帥権者である文大統領がK防疫広報のため兵士らを生体実験に追いやっている」と批判した。国防部は「生体実験という表現は過度だ」と反論したが、子どもを軍に送った親たちから「集団でブレイクスルー感染が起きたらだれが責任を負うのか」というコメントが相次ぎ困惑している雰囲気だ。

感染症専門家らは大統領の指示内容と意志決定過程がいずれも不適切だったと批判する。医療界専門家は「医師出身である李震錫(イ・ジンソク)国政状況室長と奇牡丹(キ・モラン)防疫企画官が大統領の実験指示に介入したとすれば医師として研究倫理違反で、医師らの参加なく決めたとすれば政治防疫」と指摘した。梨大木洞病院呼吸器内科のチョン・ウンミ教授は「全人口対象では90%以上の接種が不可能なので接種率94%を超える兵営でノーマスク戦略が成功しても一般国民に適用するのは難しい。民間でウィズコロナに進んだとしもマスク着用を並行し段階的にやらなければならない」と指摘した。

青瓦台はどんな専門家の話を聞いてこうした重要な指示をしたのか明らかにしなければならない。一部側近の言葉だけ聞いて将兵を実験対象としたとするならば危険千万なことだ。これに先立ち清海部隊派兵将兵の集団感染ですでに政府が将兵の安全を疎かにしていた事実が現れた。いまも一部軍人はファイザー製ワクチンの1回目の接種をしてから4週間を過ぎてもワクチンが不足し2回目の接種をできない状況だ。国民に知らせずノーマスク実験を一方的に推進するのでなく、国を守る軍人のワクチン接種を終えることが政府が先にすべき仕事ではないのか。



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