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過去最大業績が「毒」になるのか…韓国海運大手HMMが初のストライキ危機

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

大宇造船海洋の玉浦造船所で開かれた世界最大のコンテナ船「HMM アルヘシラス」の命名式に参加した文在寅大統領。[写真 青瓦台写真記者団]

韓国海運大手HMM(旧現代商船)の勤労者が過去初めてとなるストライキの動きを見せている。使用者側と労働組合の賃金交渉で合意に至らなかったからだ。

HMM海員労働組合(船員労働組合)は22日、組合員を対象にストライキ賛否投票をすると明らかにした。投票の結果は23日に出る。中央労働委員会は先週の調整会議でHMMの労使の隔たりを狭めることができず「調整中止」を決定した。

使用者側は賃金交渉修正案で賃金8%引き上げ、激励金300%、生産性奨励金200%支給を提案した。交通費5万-10万ウォン引き上げと福祉ポイント50万ウォンの支給なども修正案に入れた。労働組合は給与25%引き上げと成果給1200%支給を要求している。


HMMは昨年まで海上職員の賃金を6年間、陸上職員の賃金を8年間据え置いた。HMMが株式市場に公示した半期報告書によると、今年上半期の職員の平均給与は3435万ウォンだった。年間に換算すると6870万ウォン(約644万円)となる。

HMMは1-3月期に続いて4-6月期にも過去最高の業績(売上高・営業利益)となった。新型コロナの余波で物流難が長期化し、海上運賃が高くなっているからだ。HMMは4-6月期の営業利益(連結財務諸表基準)が1兆3889億ウォンで、前年同期比901%増となった。1-3月期の営業利益は1兆193億ウォンだった。

HMMの最大株主は産業銀行(持ち株比率24.96%)だ。使用者側は産業銀行から3兆ウォン以上の公的資金を受けた状況で大幅の賃金引き上げは難しいと説明した。産業銀行はHMMの賃金交渉に介入しないという立場だ。匿名を求めた会社関係者は「使用者側が提示した賃金引き上げ率8%は、その間の職員の労苦と債権団管理状況などを総合的に考慮したものだ」とし「交通費と福祉ポイントを含めると実質的な賃上げ率は約10.6%になる」と説明した。

国内輸出入企業は昨年からコンテナ船不足と運賃上昇による困難を訴えてきた。世界15航路の運賃を総合した上海コンテナ運賃指数(SCFI)は先週4340.18だった。1週間前と比較して58.65ポイント上昇した。15週連続の上昇だ。イーベスト投資証券のナ・ミンシク研究員は「中国寧波港の部分閉鎖などで物流のボトルネック現象が発生した。SCFIが来年上半期まで上昇する可能性がある」と話した。

HMMの船員が団体で離職する可能性もある。ストライキ賛否投票で賛成が多い場合、HMM海員労働組合は集団で辞職届を提出する計画だ。スイス海運会社のMSCに移るためだ。MSCは大型コンテナ船搭乗経歴がある韓国人船員を募集するという公告を出した。一部のHMM船員には個別に入社志願書を伝えた。匿名を求めたHMMの関係者は「(MSCが離職者に)現給与の倍以上を提示したと聞いている」と話した。ただ、労働組合は使用者側と最後の交渉をする余地は残っていると説明した。



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